マニラ・エルミタで読者さんが強盗に遭った話(5)

 

ついに、約束の日が来たのである! このシリーズも(5)となったが、この話は5で終わらない。なにしろ当日色々あったのである。今回は、当日前半までをお話したい。

えーと。赤坂のフィリピン大使館で証言するという話もあったんだが。それは却下され、召喚状がオンラインで送られてきた。

被害者である日本人は「よっしゃ。マニラ行ったるか!!!」ということで、今回裁判に出廷することとなったのだ。

俺は一応、他人。関係ないのであるが、乗りかかった舟である。一応のアドバイザリー的友人という立ち位置で、当日合流することとなった。

Img

普段、滅多に使わないセントラル駅。いわば東京の霞が関駅のようなところである。

今回の裁判は「マニラ首都圏マニラ市」で行われる。なんだそりゃ?と思ってはならない。マニラの中にマニラがあると思ったらよい。いわば東京都東京市という地名、と覚えておけばよい。

 

えーと。原告の日本人は、検事から、朝の早くから呼び出されていた。が、どうもフィリピンの法曹というのは、全員朝いちばんに呼び出すようだ。(これは遅刻防止の為であろう)
案の定、早く呼ばれたのに要件は短めで、午前中はずっとヒマだったようだ。

ワイが着いたのが、昼の12時ごろ。裁判は13時半から開始である。

Img

久々のマニラ市庁舎。ココはあらゆる行政関係が一体化している建物で、裁判所も入っている。

Img

こんな感じで、裁判所がズラーっと並んでいる。さすがにデカイ。このドア、ひとつひとつが、全部裁判を行っている部屋だという理解でOKだ。上下フロアも同じ感じで裁判関係の部屋たちが並んでいる。

で。

こちらは被害者なんで、弁護士ではなく、検事と打ち合わせということになる。だから俺らは検事を待っていたんだが、

Img

この建物。市民の待機廊下の外側にエアコンが取り付けられてあるので、待っている間、熱気が直撃するのである。暑いなんてもんじゃない。写真だと大したように思えないが、現実ではかなり暑いのである。

「大した事ねぇよ」というヤツは、エアコンの室外機の熱風の中、何時間も浴びてから同じセリフを吐いてもらいたい。マジで無理! 何故、せめてセパレートタイプを設置しないのだろうか?

うーん。さすが、フィリピン市民の為の裁判所である。恐ろしいほど思いやりというモノが無い。誰も、なにも感じないのだろうか。
俺の記憶が正しければ、フィリピン共和国の主権者は、確かフィリピン国民だったように記憶しているのだが……

っていうか。普通に考えて、フィリピン共和国の首都の中の首都。マニラ市庁舎という、いわば国の心臓のような場所で、さすがにコレはどうなのよ? と思う。言っておくが、この写真の場所だけじゃなくて、建物全部がこのノリなんだかんね!

Img

(↑全部このノリである。外で待っている人のことなんか、マジで何も考えてない。フィリピン人も、ちょっとは怒れよな……)

今回。カネを奪われた日本人VSフィリピン人 という裁判ということであったが、到着してから、このエアコンの有り様が、あまりにも気になって気になって……(笑)

権力者は、涼しい部屋でふんぞり返り、市民はその熱風を浴びせられてひたすら待つというね……(笑) まさに、これぞフィリピン! こうでなきゃ! と思いを馳せていたのであった。
それにしても情けない。天下のメトロマニラのマニラ市。イントラムロスの、ど真ん中である! 国の中心ではないか。
予算が無いわけじゃないだろうに。市民に熱風を浴びせないような工夫をしてみせたらどうだ?

ま。マニラ市庁舎はマジでエアコンが気になる建物であると言いたいね。

 

検事との打ち合わせ

で。今日は裁判当日なんだが、その当日に、である。

「相手が司法取引を持ち掛けてきた場合はどうするか」等と、サラっと重大なことを言って見たり、今さら防犯カメラの映像を見て、時間をメモしたりしているのだ。

なんのことはない。事件が多すぎて、実際の準備をするのは、検事も当日なのである。

他にも色々あったが、比では裁判当日に、かなり重大なことを聞かれたり、決断を迫られるようなことを言われたりするので、事前に準備しておいたほうがいいだろう。

日本語通訳!

今回は。なんとなんと。法廷通訳が付いた。これはエライ。メチャクチャエライ。
これまでフィリピンの刑事裁判では、諸々言葉の壁があったんだが。この度はフィリピンの税金で! 通訳が雇われたのである! ありがとうフィリピンなのである。

お会いして挨拶をしたんだが、話を聞いて驚いた。

なんと、「いきなり最高裁判所から召喚されて来たんですよ~ハハハー」というのだ。ハァー?

普段やっている仕事は通訳ではあるんだが、ガイド業をしている人であった。え? ってことは一般人?
また、(ワイの読者かも知れないので)大変失礼なことを書かせてもらうが、いわゆる完全ネイティブな日本語/英語を話す人ではなかった。

(俺は、ヒトの語学力にケチをつけることは絶対にしないつもりだし、過去やったこともないし、今後もやることは無いと、堅く固く心に決めているが、今回に限り許してもらいたい)

いわゆる法廷通訳のヒトではなく、両方話せるヒトということで、比の最高裁が、ある意味無作為に、勝手に選んだヒトなのであった。

とはいえ、比の法廷通訳という制度自体、まだ赤ちゃんのようなモノらしく、これから整備されていくようなことを、今回専任された方は俺たちに教えてくれた。
(彼は呼び出されただけであり、なにも悪くないのである!)

本件において、フィリピン政府が法廷通訳を付けたということは、我々日本人にとっても有難いことである。これは素直に拍手をしたい。
比の刑事裁判で、英語が出来ないから証言が不安……という方もいたと思うんだが、このように通訳が付くことも、今後は増えていくであろう。大変良いことである。

 

そんなようなワケで。

俺はてっきり、日本語法廷通訳のプロの方かと思って挨拶したんだが、それが全然違ったのである。召喚状が届いたんで、行くしかないってことで来たんだそうだ。ええええ……

「在留歴、経歴等を勘案して、今回偶然に選ばれたのだろう」と言っていた。オイ! いくらフィリピンがいい加減だっていっても限度があんだろ!

じゃ、じゃあ、今後俺らフィリピン在住者も、ウッカリ法廷通訳に専任される可能性だってあるじゃねえかよ!! ヒトの人生を左右するような通訳なんて、出来ねぇぞマジで……そういうのはプロに任せないと……

とはいえ、今回の方はヒト当たりもよく、ニコニコと通訳をしてくれたし、冗談も通じる方でもあった(オレ好みの方であった)のが救いであった。(日本)政府の仕事を長くしていて引退し、のんびり通訳やガイドをしている方であった。フィリピンの裁判所も、ある程度の人選はしたのだろう。名刺を頂いたのだが、一応公表はしないでおく。(する意味がないので)
ま、マニラで観光客の通訳をしながら、工場や政府系の通訳をしているといったような、ごく普通の、市井の観光業の方であった。

本件原告は、英語が少し苦手であり、裁判用語となると難しい。それをアシストしてくれる方が呼ばれたというのは良い事です!
いないよりも一億倍マシである、ということを、特に付け加えておきます。

 

それにしても暑い……

何が悲しくって、雨季のマニラで、エアコンの熱風を浴びながら、木の椅子に座ってなきゃならないんだろうか。

俺はトイレに行ったり、他の部屋を覗いたりとウロウロしていたんだが、やることが全くない。

 

Img

指定された裁判所(の部屋)には、このように「今日裁判するスケジュール」が貼られている。

パラパラとめくってみる。今日は3件あるようだ。

開廷時刻は、全部13:30だ。ナメとんかと問いたい。いや失礼。ナメているんだろう。ええ。ええ。ナメていらっしゃるんだろう。

で? 俺らの裁判は、3件中3件目であった。oh….

ってことはなにか? いつ終わるかも知れない裁判を、エアコンの熱風直撃廊下で、延々待ってろってこと? とりあえず、今午後2時なんですが?

うーむ。さすがである。さすが、フィリピンの英知と人民を体現した建物だけある。まさか、裁判所までフィリピンタイムがまかり通るとは。

 

クッソ、暇である……

扉の向こうでは、誰かの裁判をやっている。何件目かも分からない。堅い木の椅子に座り、エアコンの熱風を顔面に浴びながら、ドアを睨み付けているだけの時間というのは、ほとんどムチャである。

こんなときやることはただ一つ。その辺の警備員と雑談することである。

そーしたら、なんと、エアコンの利いている部屋に案内してくれた上、俺らの裁判が始まったら教えてくれるというのだ。有難い! うーん、雑談力が発揮できた(笑)

(ただし、エアコン部屋に入室できたのは、通訳と原告と俺の三人だけであった。あ、書き忘れたが、今回我々は計5名であった)

 

……

……あー

……涼しいー

で。いつ始まるんだろう……(笑)

 

 

(6)を続きで書くと思うんだが。(6)はもっとアホらしい話が満載である。これ一応裁判の話なんだが(笑) もしかしたら(7)までいくかもしれない。

というわけで続く

 

 

 

最初の感想を呟いてみましょう

入力せずに呟けます