しょうもないオヤジに遭遇した思い出(1)

 

先日はすいません。サーバ会社の不手際で、丸二日ブログ自体が落ちていました。なんとか復旧したようですので、復旧記念記事を書きます。今日もサンミゲルライト呑んでます。

題して。人生最初のしょうもないオヤジは誰だったか?という話。(くだらねぇ……)

俺の場合、真っ先に浮かぶのが、バイト先のコンビニオーナーである。今日はその話をしよう。

大学時代。同じクラスの村田ってヤツから、コンビニバイトをやらないか? と言われた。村田は人辺りも良い、優しい男である。平日の夜勤5日。

俺と村田は、気の合う仲間であった。相当ディープで誰も知らない、インディーズ系の音楽趣味がガチで合いまくっていたので、ふたつ返事でOKした。てっきり一緒にやろうぜ! という話だと思ったのだ。

そしたら、逆だった。辞めたいという。店長から、「辞めるんだったら、他のヤツを連れてきてから辞めろ」といわれたそうだ。日本中で繰り返し使われてきた、バイトを辞める時に言われる常套句だ。

そんなもん無視して辞めちまえばいいのに、村田は義理堅く、クラスの仲間に声をかけていたのであった。かなりうるさく言われているそうで、村田はとても悩んでいた。

なんで辞めるん? と聞いたら、なんのことはない。遠いのだという。場所を聞くと確かに遠い。村田の家から、バイクで40分以上かかる。今思えば、何故そんなところで働いていたのか謎だ。あと、オーナーの性格に難があるとも言っていた。村田は穏やかな男であり、人の悪口など言ったことが無い。その村田が言うんだから、もしかしたらヤバイのかもしれない。

ふーん。ま。いいや。別にオーナーなんてどうでもよくね?

話を聞いていた、これまた同じクラスの丹羽ってヤツが「あ、じゃあ、俺も やるわ」と言い出した。お。それならやれるな。丹羽が夜勤3日。俺が2日。問題ない。

村田も困っているようだし、じゃあ俺たちがバイトやるよ! と、引き受けることにしたのだ。

そうと決まれば行動だ。学生の本分はバイトである。俺たちは「経済学Ⅰ」を抜け出してコンビニに向かった。確かに遠い。隣の市にあった。

世の中ナメてるだろ!と怒られる

到着すると責任者らしいオッサンがいたので、声をかけたら怒られた。店長じゃない! オーナーだという。はあ。知らんがな。

ああ。いわゆる、独立開業したコンビニの一店目ってことね。店長=オーナー ということだ。この男。店長と呼ばれてすぐに機嫌が悪くなった。イヤな予感がした。

「村田から紹介されて来たんスけど」

丹羽が言うや否や、その『オーナー』は、俺たちに文句を付けて来た。

「履歴書は?」 あるわけない。

「なんだその服装は」 別にいいだろ?

俺たちは大学から まっすぐ店に来たので、服装なんて全く気を使っていなかった。

確かに服装は酷かった。俺なんて、「ぬ~ぼ~」のトレーナーを着ていた。それが相当カンに触ったらしい。

Img

(↑ぬ~ぼ~)

「なんでこんな時間に来たの? 事前に連絡くらいしてくれよ」 別にいいだろっての。友達を助けようと思って来たんだけど。

いきなり、お互い喧嘩腰である。

履歴書を持って行かなかったのは俺たちも悪いが、当時、大学生のバイトなんて履歴書なんか出さなかった。正確に言えば、採用されてから出すことが多かった。写真にプリクラ貼って出しても採用されたほどである。

「世の中ナメてんの?」 はい。ナメてます。 なんでこんなオヤジに、いきなり説教かまされなきゃならねーんだ?

俺はもう完全に働く気が失せたので、丹羽と一緒に帰ろうとしたんだが、そういうとオーナーが急に引き留めて来た。

いわく、『お前らが働かないと、村田はいつまでやっても辞められないぞ』ということを言いたいようだ。アホクサ。別にオマエのコンビニで働かせてくださいなんて、一ミリも思っていないんだが? (当時、バイト先なんて、探せばすぐに見つかったのだ。面接もクソもない)

まあ丹羽はバイト先を探していたこともあり、俺も週2だけならいいかと思って、働いてやることにした。

それにもうひとつ理由があった。丹羽は当時童貞であり、クチを開けば「ソープに行きたい」以外の話題を言わなかったので、俺たち悪友連中は心底ウンザリしていた。さっさと丹羽に、ソープでも何でもどこでもいいから、童貞を捨てて欲しかったのだ。一か月も働けば、充分ソープ代は出るだろう。

っていうか大学生なんだから、ソープじゃなくて恋愛すればいいんじゃないかと思うんだが。丹羽の発想は、手っ取り早くソープに行くことしか頭にないのであった。まあ、人それぞれである。

以上のような理由をもって、俺は、行きがかり上、コンビニで働くことになったのだ。

 

さて、本件に出てくるコンビニというのは、典型的なロードサイド店であった。太~い国道に隣接していて、大型トラックでも余裕で止められる、ドでかい駐車場があるタイプの店だ。周囲には民家もナンもない。畑だけである。

運転に疲れた時。『ちょっとコンビニでも寄るか』と思ったら、ちょーーどウマイ具合に、何故かコンビニがあるだろ? アレである!(笑) そのまんま、そういう感じの店であった。

 

こういう店は高校生バイトが通うのは厳しい。クルマもっている主婦か、俺らみたいな大学生で店を回していくっていうのがセオリーなんだが。このオーナー。態度がデカイのでバイトが集まらず、嫁とふたりでレジに立っていたのである。(だから店にいたのだ)

俺たちが一応働くことになったあと、オーナーの奥さんと子供さんの四人に挨拶されたんだけども、奥さんはもう、顔に「疲労」と書いてあった。

丹羽と俺が「お世話になります」というと、満面の笑顔で喜んでくれた。奥さん、男の子3人抱えて深夜に働いていたのだ。そりゃあ無理ってもんである!

 

 

とにかく態度がデカイ。デカすぎる!!

コンビニというのはバイトで持つ経営だとおもう。だって人がいなきゃ始まらないじゃないか。パートさんやバイトを使いこなして見せるのも、オーナーの役割だろう。

この店は、とにかく場所が悪かった。客は来るんだが、労働力に難アリ。誰も働きに来ないのだ。だって、誰がこんな店で働くんだ? って立地。当時の国道なんて、深夜なんか「制限速度? なんだっけ?」みたいなモンである。そこにポツーンとデッカイコンビニがあるというのを想像してほしい。夜ともなれば、ヤンキーだのチンピラだの、うじゃうじゃ来る店なんである(笑)

それなのに、何故バイトをいじめるのか? 理解不能だ。俺はオーナー様だ! という態度が滲み出ているんじゃなくって、毎度毎度クチに出していうもんだから、相当にメンドクサイオヤジであった。

村田は、このコンビニの深夜番をしていたそうで、週5。明け方まで働いていたという。それをイビって辞めさせた結果どうなったか。奥さんが深夜番をするハメになったのだ。

サラリーマン辞めて「一国一城の主になった」態度のデカイ夫と、子供三人。メシは毎日賞味期限切れの弁当を食っていた奥さんは、今でいう過労死寸前の状態であった。

 

オーナーの自慢話が凄すぎる

このオヤジ。クチを開けば自慢話をしてくる。それも、昼のパートさんにではなく、俺たち二人を狙って自慢をしてくるんだから、たまらない。村田が辞めた理由が分かった。コイツのせいである。

まず、このオヤジ。俺たちの服装が悪いと、しつこく毎日のように言うのである。

どうでもよくね? 心底どうでもよくね?

だって働いているときはコンビニの制服を着るんだから、通勤前の服なんて客から見えないんだし。社員でもない。バイトである。

村田は、大学時代、よく「つなぎ」を着ていた。上下一体の服である。

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(↑つなぎ)

彼は、つなぎをファッションとして着ていた。俺たちはセンスが良いと思っていたんだが、このオヤジにとっては許せなかったようだ。

エスカレートする自慢

オーナーの自慢はとどまるところを知らなかった。毎日、店に顔を出しては自慢。それしかしない。俺たちふたりは心底ウンザリしていた。マジで履歴書出さなくて良かったなと思った。

忘れもしない。冬のことだった。クソ繁忙期である。

こういうコンビニは冬、トイレ借りてコーヒー1本買うような客がワンサカ来るので大変忙しい。深夜にレジの行列が出来るのである。その日、丹羽はレジを打ちまくり、俺はコーヒーと肉マンを補充しまくっていた。ふたり大車輪で、やっと店が回るという状態。

そんとき店内で、オーナーから集合をかけられた。

一応、雇い主である。俺たちはレジの行列を放置して、オーナーのところに集合した。(客は腕を組んで待っている)

そのときの話題が秀逸であった。

「お前らファミコンしたことあるだろ」 ハア……(何故、今、その話を?)

「あのなあ。あのファミコン作ったの。俺だって知ってっか?」

マジである。このオッサン。マジで言っているんである。俺と丹羽の目が合った。もちろんふたりして笑っている。そんなわけねーだろっての!!

このオヤジ。いくら自慢しても自慢しても俺たちが相手にしないから、だんだん話が大きくなっていって、ついにトンデモないことを言い出したのであった。

「アレ? ファミコンは……任天堂が作ったのでは……」丹羽の言葉を遮って、オーナーは言う。

「いや! 俺がファミコンを作ったんだ」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお……

「凄いッスね!」 俺は本心から声が出た。こんな身近に、ファミコンを作った人がいるなんて!!!

俺の言葉を聞いて、オーナーはマジで満足していた。ついに俺が凄いってこと、オマエも認めたかと。超ドヤ顔である。

それにしてもレジに並んでいる客を放置していていいんだろうか……

(つづく)

 

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