古いPCのリサイクルでドハマりした話(第三世代ダイナブックのlinux化)

比にいると、古いPCを貰うことがよくある。何しろPC自体持っていない人や、学びたくてもコンピュータを買えないひとが多いので、「コレ良かったらどうぞ」と、頂く事が多いのだ。ありがたいことだ。貰ったPCは、誰かの家庭で主力となって使われているのだ。ワイは、時々、そんなボランティアをやらせてもらってる。

もちろん、貰ったままでは使えない。いろんな作業を経て、快適に使えるようにしなければならない。
例年のクリスマス・ドネーションの為にも、こういうことは早めに片付けておこうかなと。先週、急にやる気を出したのである。

さてやるか!と、一台のノートPCを手に取った。ハイ。古いダイナブックである。

お断り:以下の記事は、業者の方以外、なんの役にも立ちませんので、そのつもりで読んでください

スペックはというと…インテル® Core™ i7-3537U プロセッサーさん。ハイ第三世代…これはちょっと大変になりそうだ。(基本的に、現代で最低限「使える」PCにするには、おおよそ第五世代からである)

ま。なんとかなるっしょ。ガチャガチャ弄っていたら、凄いことをふたつ発見した。

1.なんとSSDに換装してある。しかも1G!(俺のメインPCより高性能やんけ!)
2.なんとタッチパネル!ノートPCの画面に触れると作動するのだ!スゲェ!!!!これはマジでスゲェ!!当時の東芝が、LETS noteに真正面からぶつけてきた、当時の最先端ノートPCじゃん!二重丸!!◎

おおお。これは面白そうだとヤル気を出した。こんなもん、まず真っ先に考えたのがChrome book化。
古いPCはChrome bookにするに限るんだが、このPCは第三世代。ボロすぎる。動くかな?と思ったら、インストール完了までいけた(笑)しかしそこから進まない。どーしてもダメ。Flexもダメ。(どーせダメだろうからCloud readyは試してないが…)

しかも。クロームブック化用に作った起動USBがメチャクチャになった。コレなんなの。何故かUSBパーティーションを死ぬほど区切りまくるという極悪仕様の為、一度USBにインストールしてしまうと、専用ソフトでも使わないと元に戻せないという、大変メンドクサイ代物であった。(これgoogleの仕事とは思えない、本当に酷い仕様だ。普通の人ならUSB壊れたといって捨ててしまうだろう)

やはり第三世代のインテルをクロームブック化するのはさすがに無理があった。うーむ。もしかして無謀だったか。ちょっと悩んだ末、Chrome book化は諦めた。でもどうしよう?あー。じゃあアンドロイド化したらいいんじゃね?

なにしろタッチパネルとアンドロイドとの相性は抜群じゃないか。そうだそうだ、そうしようということで、さっそくx86 androidをぶち込んでみた。

が…ダメ…!!!USBでは動くものの、画面が真っ暗になって、SSDから起動しないのだ。うーむ…

このPC。インテル® HD グラフィックス 4000という、悪名高いチップセット構成。なにをやってもダメなのだ。

じゃあ…x86じゃなくて、BlissOSにしよう→ダメ
じゃ、じゃあ…Ver落としてみよう→ダメ
PrimeOSが相性いいらしい→ダメ
じゃあ!PrimeOSのバージョン落としてみよう→ダメ

試行錯誤を重ねたが全滅。こんなに酷いPCありゅ?この日は結局なにやってもダメ。試行錯誤で、ひとつひとつ、何時間もかけているのである…

でも!タッチパネルとSSDの特性を生かして、新しいラップトップに生まれ変わらせるぞ!と、俺は使命感に燃えていた。翌日の地獄も知らずに…

翌日!

それにしてもおかしいのは、USBでは正常動作するのに、いざインストールすると画面が壊れることだ。grubパラメータ?そんなもん、死ぬほど弄っているのである。ダメ。USBでは正常動作するだけに、いざSSDにインストールしてから状態異常になるのは納得がいかない。だってUSB起動では動いてるじゃん!なんでインストールするとエラーが頻発して死んでしまうのか。死なない為の命令も散々書いているのに!USB起動と同じように実行しろって、わたし何千回もお伝えしてますよね?でもダメ!!いろんなアイディアをぶち込んだけど全部ダメ!

最後のほうなんかはもう完全に意地になって、USBではなくノートPCのSSDを取り外し、直接セクタ単位でデータを完コピした状態までやったが、それでもダメ!!おいおい。USB起動と完全に同じ状態にしたのに何故?!もうここまでくるとオカルトである。linux起動問題の悩みは沢山あるが、isoからの起動データをセクタ単位でコピーしたのは俺が初めてであろう(笑)それでもダメなのだ!nomodesetという文字を、この日100回以上打った気がする。一体なにが引っかかっているのか。

ヤバイ。これはもう沼化(※ぬまか=PC問題が予想以上に解決できないこと)してきた。Intel HD Graphics 4000め!!

——よし。諦めよう(笑)

しょうがない。古いPCをアンドロイド化させるのは、さすがに無理があったということで。

結局Ubuntuが一番いいよなうん。Waydroidも入れて、google play動くようにしてあげよう。そしたらかなり使えるんじゃね?

ということで、早速開始。無事インストールも済み、何度も起動を確認し、waydroidもキッチリインストールし、google playのIDも認証させた。順調である!良かった!あーもう最初っからUbuntuにしときゃいーんだよな。なんだかんだいってlinux最強ディストリビューションなんだからよ。ネットが遅かったので、これだけで半日以上かかった。しかしそれでも、作業は進んだので苦ではない。

—ま、linuxとなると、さすがに比の子供たちに渡すPCでは無くなってしまったので、自宅リビングに転がしておく、気軽な調べものなんかに使おうかな。来客時のPCもいままでなかったし、簡単な打ち合わせにも使えるしな。よし、用途も決まった。そうしよう。

—等と—まだ安定動作も確認していないのに、勝手に用途まで妄想しているワイがいた…だって順調だったんだもん..

ほんで。さぁいよいよ再起動してplay appを実行するぞというとき。またも画面真っ暗問題発生。そして、なにをどーしてもダメ。リカバリすら起動しない。BIOSレベルで止まってる。(しかもダイナブックのBIOSは、感動的に選択肢の少ないゴミであった…)まずBIOS復旧からやり直すハメに…Ubuntu裏目った…まさかなのである。途中までサクサク進んでいただけに、ワイの落胆は大きかった。

天下のUbuntu様までが、インテル® HD グラフィックス 4000の壁に阻まれたのである!手ごわい…RPGのラスボスでも、ここまで攻略できないってことはないだろってくらい手ごわい。なお散々ググったが、このダイナブックにlinuxを入れて安定動作させた情報は世界中どこにもなかった…youtubeの自慢動画もひとつもなかった…どーすんのこれ…

さすがに困り果てたワイ。aiに聞いてみると

根本的な問題: Intel HD Graphics 4000は2012年の古いアーキテクチャで、現代のLinuxカーネルとの互換性に問題があります。この世代特有の電力管理とグラフィックドライバーの相性問題は完全解決が困難です。

aiィィィィ!!お前までも俺を見捨てるのか!

….おいおい。ってことはなにか?sudo apt update(←新しくlinux導入したら脳死で入力するコマンドのこと)すら打てないってことか?カーネル更新するなってことか?それもう使えないってことじゃん。だって、ubuntuで何度か再起動しても安定するところまでいったんだ。(だから外したSSDを再度ネジ締めたんだぜ?)

じゃあ解決策なんですか?

ChromeOS Flex – 意外にIntel HD 4000の対応が良い場合がある

aiさん…俺に「もう一周」しろっての?linuxベースなんだから同じだろ!ITの世界に「意外」なんてないんだよ…

気軽に貰ったダイナブックの復旧が、まさかここまで辛いとは思わなかった。画面真っ暗問題は、確かにlinuxで頻発する根深い問題ではあるのだが…aiさん助けて…

なるほど、ChromeOS Flexや様々なLinuxディストリビューションも含めて、考えられる対策はほぼ全て試されているのですね。Intel HD Graphics 4000の根本的な互換性問題は本当に厄介です。

この状況での現実的な選択肢: Windows環境に戻す

……ここまで頑張ったワイに、windowsを入れ直せと!!!そうおっしゃる!

これは、男性だったら選択できないよなぁ…困難があり、それを克服せずに、windowsに戻せと。そんなこと出来るわけないだろ。このスペックではwindows辛いから、いま頑張ってんの。

それにしてもどうする。

再度ubuntuを入れ、waydroidを諦めるというのが、一応安定動作した中ではマシであったが、起動中エラーもあった。
OSっつーのは、1000回起動したら998回くらいは動いてもらわないといけない。電源ポチったら安定して立ち上がらなければならない。起動前の問題が起こってもらっては困るのだ。それに、よくubuntuは重いというが、本当に重い。特に初期のインストールがクソ長い。発展途上国住だと何時間もかかるんよ?libre officeとか入れてるからしょうがないんだろうが、linuxたるもの、OSインストールは最低限にしておいて、起動後にaptで全部入れてくれた方がいい。

インテル® HD グラフィックス 4000搭載PC。これマジ沼だわ。Blissでは画面崩れまでいった(真っ暗ではない!崩れているだけなら設定だけのハズだ!→ダメ)…結局解消できなかった。

もしかして、ダイナブックのインテル第三世代って、windows特化という、世にも珍しい(としか言いようがない)仕様なんじゃないだろうか。
結局、全力で3日潰しても根本的解決が出来なかった。

真の根本的解決策

これはaiには回答できない解決策なんだが。
これつまり、linuxのさぁ。インテル® HD グラフィックス 4000さんの…

ドライバー自作界隈

という、新たな沼に入ることを意味してるんよね。そして、おそらく、これが真の解決策なんよね。
「ふーん。内蔵GPUと相性が悪いの?ふーん。—じゃ、そのPCに合うサァ…ドライバーごと作っても構わんのだろう?」みたいな、githubに棲息している方々と、『インテル® HD グラフィックス 4000画面真っ暗問題をgrubイジらずに解決できる方策』みたいなモンを作っちゃったらいいじゃないみたいな話になってくるんよね…

結局、このノートPC。勿体ないがどうしたらいいんだろう?

aiさんは

現実的な提案:

  1. Waydroid優先なら:真っ暗問題と付き合いながらLinux継続
  2. 安定性優先なら:FreeBSDでAndroidエミュレーション諦め
  3. 両方欲しいなら:デュアルブート(FreeBSD + Linux)

どちらを優先されますか?

…FreeBSD…また、誰も聞いたことが無いようなOSを入れろと…これを沼と言わずしてなんという。なんならデュアルブートしろとかいう無茶振りだ。

インテル® HD グラフィックス 4000を積んだCPUの再活用は、確実に沼化することを知った。クセがありすぎる。起動時の命令全てやり尽くしてもダメ。バージョン下げてもOS変えてもダメ。あと考えられるのはrufusでisoのコピーをddにすることくらいか?いや、それ以前にSSDに完コピしてもダメだった。いやいやrufus自体に問題があるのか?いやいやいやメモリか?SSDの異常か?疑えば疑うほど時間を取られる。BIOS設定ごとに試したら、それこそ3日じゃ終わらない。でもUSB起動ではうまくいくだけにもどかしい。(SSDにUSBと全く同じデータを入れるというナイスアイディアまで否定されたのだ)ということはなにかしら余計な情報を加えているのか?となると解決策は….放電してからのメモリクリア?そんなん日常生活でやれるわけがない。じゃあ起動する前に、いちいちバッテリーを外すのか?それこそ現実的じゃない。

そうじゃない。OSなんてのは、多少の異常はスキップしても、起動してくれないと困るのだ。つまり根本的対策としては…

ゲイツOSの入れ直ししかない(…のかも知れない…)

 

この問題の一番ひどいのは、USB起動で動く事なのだ。動く動作をこっちは確認しているから、次の作業に移れる。そして、そこから暗い森に入ることになるのだ。USBでは正常に動いたじゃん!と、確認しているから、あとは設定をなんとかすればいいとなる。ところがどんなに弄っても、絶対に正常動作してくれない。そして、ついに気づいたのが、USB起動でも何回か起動させると、同じ症状が出るのだ。

うーん。これはもうITじゃなくって医学の世界である(笑)

インテル® HD グラフィックス 4000さんのツンデレ具合には、トーヨコ女子も逃げ出すであろうw

経験上。こういうトラブルって、なにか設定一発で、あっさり解決することが多いんだが、今回に限ってはそれがない。やはりチップ自体の問題であって、設定でどうにかなるもんじゃないのかも知れない。

せっかくのタッチパネルPC。無駄にしたくないんだが、今んとこ、このPCをリサイクルできていない。