比在住者から見た「ルフィ」事件(8)
(8)である。このお題もそろそろ完結に近づきたいところだ。
以前「日比には犯罪引き渡し条約がないという的外れ議論」ということをかいたのだけど、
今日はその話。
先日、新たに二名の男女がマニラで逮捕されることになった。そのうちの一名、寺島はるなちゃんが
持っていた罪状についてである。
SMauraで逮捕??
まず彼女は、SMauraの入管サテライトオフィスという、非常に珍しい場所で捕まった。
ここはどういうところかというと、お金持ちの中のお金持ちだけが住む、マニラのBGCという新都市内にある
入管で、一般的に行く人は限られている場所である。
本局や支局などのガチ入管ではなく、VISAの単純延長や出国許可、永住権認証、ACR代理受付といった
業務だけを行っているところだ。入管は入管だけど、SMauraで逮捕された人なんて聞いたことが無かった。
おそらく彼女は、逃亡していた感覚が無かったんじゃないかなと思う。
寺島はフィリピンで犯罪を犯していない
まぁそんなことよりも。なんといっても注目すべきはこちらである。
この紙をもって立たされたわけなんだけど、内容が面白い。なんとフィリピンの法律に違反していないのだ。
もう一度言おう。寺島はるなちゃんは、フィリピンでなーんも悪いことしてないのである!
「日本で泥棒した」ということで、「好ましからざる人物」ということになっている。
これはどういうことかというと、外国は無条件に、イヤな外人は国外退去させることができる。
追放だ。要請したのはもちろん日本政府である。
今回のルフィ事件というのは、日本政府は「絶対許さない」という態度なので、フィリピンはもちろんそれに従って
いるわけだ。
この「なにも悪いことをしてないのに追放」というのは、外交官以外ではあまり例がない。
空港でトラブルを起こした場合などはあり得るけど、「入国後追放」というのはほとんどない。
捕まった時点では、寺島のVISAは期限内であっただろうから合法滞在しているわけである。
ということは、捕まえる理由が本来なにもないのだ。
犯罪人引き渡し条約がなくても実質引渡しできる
つまり日本政府が本気で怒った場合、このような形で強制送還させることができるということだ。
もちろんフィリピン側にも拒否権はあるけど、おそらく最低でも結婚VISAクラスの強い書類がないと無理だろう。
帰化して比人にでもならないと、この手の要請は通るんじゃないだろうか。
海外指名手配
指名手配の場合、日本政府は、まずパスポートを無効化する。
すると全世界の入管でひっかかる。ので、国際指名手配なんかしなくても、こうやって勝手に捕まってくれる。
だから逃げているひとはVISAを更新できない。(更新したら捕まるからである)
まとめ
フィリピンの場合、VISAの更新は本人でなくとも行える。(代理人を通じて更新できる)
今回は、ノコノコ本人がVISAの更新に行って捕まったという、非常に珍しいケースである。