2022年日比往復情報(2)フィリピンECC:死んだ魚の表情をしろ

2022年日比往復情報(2)と題して、ECCについてのおさらいである。話は前後するんだけど、ECCを取るのは出国7日前くらいがちょうどよい。
手続きとしては、ECC,PCR、の順番だ。

常識だと思っていたんだけど、ECCについてのトラブルの話。これもわたしのところに相談に来るので、いまさら書いておきたいと思う。

ECCとは、フィリピンに六か月以上連続して滞在していた場合(原則として)出国時に必要となる、アホな書類のことである!

これは馬鹿げた書類だ。入管は、わたしたち外国人のVISAのステータスや犯罪歴等を全て把握しているハズなのだから、出国許可等という書類は本来要らないのである。PNPの無犯罪証明など一切提出しない。これまで何度も提出した、入管情報をもう一度再提出するだけの手続きだ。

入国許可なら話はわかる。が、出国許可である!出ていくのに書類がいるとは!!こんな国あるわけないと思うだろうが、フィリピンでは出国に許可がいるのであった。もちろんわたしたち外国人は、この制度に何の文句も言えないので従うしかない。

読みづらかったらスマンのだけど、これがECCを取るのに必要なドキュメントだ。これは省略ナシで請求された。

フィリピンブログのECC関係の記事は、いろいろと間違いもあるので、ここで一度解説しておこう。
まず、ECCは、VISAのステータスによっては不要の場合もある。必要な人と、不要な人がいるのだ。だからまず、自分のVISAと滞在期間を確認しておこう。

次に、ECCを取る書類についてだけど、これは入管によって、ちょっとバラつきがあるw
ACR、2x2の顔写真、パスポートのコピー(これはコピーする箇所を指定される。入管現地で取ればOK)と、前回更新したVISA書類一式等々。
申請書は、まぁ大した内容ではないが、飛行機の便を記載する欄がある。チケットを見せろとリクエストされることもある。
ECC申請前に、帰国チケットは予約しておいたほうがよい。ECCの申請は、出国のちょうど7日前くらいが、もっともよいタイミングだろう。

なお、ECCを取っていたとしても、最終VISAの更新書類は必ず出国時提出を求められるので持っていくこと!
ECCは出国お墨付きではない!最終のVISA書類は、出国時に別途提出となることを覚えておいた方がいいだろう。
出入国時のトラブルというのは、基本絶対に避けたい。あなたがPEZAだの婚姻だの投資だのと言っても、比国籍でない限り、トラブルを起こしてなにか利益になることはない。海外の入管は、静かに通過するべき場所なのだ。あなたが大いに喧嘩していいのは日本の入管だけである。

 

そもそもECCってなんのためにあるの?

これは推測だけど、フィリピンってのは、訳の分からない書類がありすぎるので、出国許可を出すにも、いちいち確認確認が必要なのだと思われる。
だから、その確認が済みました、ということでECCをリクエストしているのだろうと思う。
パスポートを確認してもらえば分かるんだけど、VISAのステータスによっては「あんたECCが要るから申請しておけよ」という黒いスタンプが押されているハズだ。このスタンプを押されたら、つまりECCがないと出国できないということになる。不安なら入管に行って確認してほうがいい。

VISA更新の際EXTと書かれていたら、もう出国しなければならない

フィリピンの入管実務では、VISAがこれ以上更新できないという状態になったとき、EXT(おそらくイグジットの意味だろう)とVISA書類に記載される。(コレ別に記載されても、どうと言うことは無い)ただし、次のVISAは発給されない=対応を迫られるということだ。
(わたしは、いわゆるEXTを、これまで2回経験したことがある)このEXTは、実は延長できる(やったことがある)のだが、正直いって、あなたに何も問題がないのなら、出国してしまったほうがいいだろう。なお、このEXTが付いたからといって、将来何か不具合/不利益があるわけではない。合法滞在している期間中なのだから、何度書かれても問題ない。
労働でも留学でも観光でも、どんなステータスでもEXTと書かれたら、ECCを取って、いったん出たほうがいいだろう。

 

コロナ下で、フィリピンに閉じ込められていた人は、ECCを確認すべし!

あなたのVISAステータスによっては不要なこともあるんだけども、出国の一週間前くらいに入管に行って、ECC要る?と確認しておくことは、たとえ要らないとしたとしても、決して無駄な時間ではない。もしも必要なのにECCが無いとなれば、空港で泡を食うのだ。これがどれだけの心労があるかと思えば、確認の為だけに入管に行くのは徒労ではない。コロナワクチンがどうのこうのと言うより、ECCをまず確認しておこう。

ECCを空港で取れるという情報に注意

『ECCナシだったんですが、空港で取れました!』こんな情報がフィリピンブログで散見される。バカを言ってはいけない。こんな情報を信じてはいけない。確かに、マニラの空港では、ECCの発給を行っている。しかも手続きはイミグレよりも簡易だ。
「えっ?じゃあ、なんか言われたら、空港で手続きすればよくね?」と思うだろう。しかし、今日『このECC知らなかった勢』は、コロナ下、あなたを含め全世界の帰国者がいるのだから、まずひとつしかない窓口に並ばなければならないということだ。だって、誰も「出国時」に書類がいるなんて教えてくれなかったじゃん?

想像してほしい。パスポートコントロールで自分の番になってからECCが無い、と指摘され、空港内のECC発券窓口の最後尾に並んでECCを受け取り、もう一度外人の最後尾に並びなおしてコントロールを通ったとして、あなたの予約便はまだいるのだろうか?

もしも飛んでしまっていたのなら、今度はパスポートコントロールから追い返される。そして、ECC知らなかった勢という、マヌケな中国人や韓国人と一緒に、どうしたらいいか検討することになるのだ。そして、乗るべき日本便は、空しくno showということになる。そして、手元にあったECCは無駄になり、もう一度ECCの取り直しとなる。(ECCは、指定された飛行機に乗ることになっているのだ)

家族で帰国なら何人分だ?あなたは手続きに手間取って乗れなかったのだ。家族全員分のチケットは、空しく消え失せてしまったのだ。訳の分からない「出国許可」という書類が無いために、日本の貴重なスケジュールが全て無駄になったのだ。

だから空港でECC取れます!なんていう留学生ブログを真に受けてはいけない。それはただのラッキーであって、あなたがそういう対応をされるとは限らない。

入管は、あなたの飛行機が飛んでいくかどうかなんてこと、一切気を使わない。あなたの出国許可が無い状態で、飛行機に乗れる乗れないなんてことを心配するわけがない。これは国際線全部そうだけど、入管で時間を使った結果飛行機が飛んで行ってしまったという場合、あなたはなんの文句も言えない。

あなたのような外人を、入管は毎日見ているのだ。入管はあなたが飛行機に乗れる乗れないなんていうことに興味はない。だから事前に警告もしている。パスポートに印鑑も押して、ECCが要るぞと告知もしている。ホラ、ECCがいるって書いてあるじゃない!と指を指されておしまいだ。
あなたが予約している飛行機が飛んで行ってしまったとしても、入管になんの責任もないのだ。

 

 

ECCの確認は、フィリピン在住者全員等しく知っておくべき基本

フィリピンに住んでいるひとは、VISAのステータスに関わらず、出国の際に、ひと手間かけて、ECCが要るかどうかを聞いた方が良い。
たとえ同僚が免除だったとしても、それでも念押しをして、一度入管に行った方がいい。要るとなれば取れば良いのだ。手続き自体は2日で済む。

 

飛行機が飛んで行ってしまったらどうするか?

空しく飛行機が、あなたを待たずに空気を運んでしまったとしよう。
この場合、もしも同一の飛行機会社が当日の便を出していたら、チャンスは大いにある。例えばJALの深夜便だ。
一日2便、日本とマニラを往復している航空会社に限るけど、JAL午後便に乗れなかったと訴えれば、じゃあ当日の深夜便に空きがあればと、乗せてくれる場合が結構ある。というより乗せてくれる率は日系ならかなり高い。(日付が変わるとダメなことがある)
当日別便がある会社に限れば、この交渉は通ることが多い。ぜひやってみてもらいたい。その価値はあるだろう。

ダメだと言われるかも知れないが、いいよということもある。わたしは過去二回、いいよと言って乗せてもらったことがある。JALで1回、キャセイで1回もらえた。言ってみることだ。そうしてチケットを貰ったら、もう空港から動かず、何時間でも待つことになるんだけど、それでも当日飛べる安心感のほうが大きいものだ。

 

VISAによってはECCは要らない?

これは厳密にいえばウソである。ACR発行時にECC手続きが一度終わっている、というのが正しい。特定VISAの人は、再度のECC取得を免除されているに過ぎない。出国許可は六か月!というけど、実は二か月以上滞在の場合、自動審査されており、その手数料はACRコミなのだ。
六か月を過ぎた場合は取り直しになる場合とならない場合がある、というのがフィリピンの入管実務だ。だから特定VISAの人はかなり有利だけど、ECCに関して無関係なわけではない。

 

ECCリジェクト

最後に笑い話を書こう。わたし、何を隠そう今回、ECCをリジェクト(不可、再提出)されてしまったのである。
正直、ECCのリジェクトには焦った。焦ったなんてもんじゃない。今回の帰国は、ホテルだけで10泊を超えていて、全部前金でお金を払っていた。移動の予約もしていた。かなり計画を立てていたので、予定が一日ズレただけで、それらは全てパアになるのである。
ECCリジェクト!・・・恐ろしい話である。これはフィリピンから出られないことを意味する。わたしは生まれたてのヤギのようにブルブル震えた。

どうしてリジェクトだったのか?出頭したらナーンダである。
わたしが提出した顔写真が(イケメンすぎて)笑顔だからであった。これがフィリピン共和国政府としては、まかりならぬ!ということになったのだ。
これ本当の話である。マジガオでないとダメだというのだ。そんなこと、これまでフィリピンの公的機関で、数限りなく顔写真を提出してきたけど、一度も指摘されたことなかった。書類を突き返されたのだ。

ちょ、ちょっと待って!!じゃあこれならどうよ?と、わたしは死んだ魚みたいな顔の写真を当日撮影して提出した。
力を抜いて、カメラを睨んでいるような「フィリピン風でない」そっけのない写真である。

これでいいか?といったら、入国管理官様からOKを貰った。
フィリピン免許なんて笑わせにきた写真を撮影させるクセに、一応入管は仕事をしてくるのであった!

だから、この記事を読んでいる人に言いたいんだけど。
ECC取得に関しては、突き抜けるような笑顔の2x2を撮影してはダメだ。二度手間になるからである。
(笑顔の写真だと眼球が見開いていないので本人同定ができないからダメと入管に言われた)

・・・わたしが持っている各種IDは全部笑顔であり、むしろフィリピンの係官がそうしろと言っていたのであるが・・・
一応ECCは、死んだ魚みたいな2x2を提出したほうがいいようである。