マニラの渋滞とはなんぞや
マニラの渋滞について聞いたことがある人もいるでしょう。
どういう状態なのか、例え話をします。
東京とマニラは、同じく一千万都市です。
その東京から、地下鉄全部と、新幹線ほか地上の路線全部を取り除いて、
ゴミのようなモノレールレベルの路面電車もどき(それもたった三本だけ)だけしか無いのがマニラです。
地下鉄ありません。網の目のような東京の地下鉄全部閉鎖、これが毎日だとおもってください。
—どうなりますか?
つまり日本でいったら災害クラスが、マニラでは日常です。
おおよそ午後4時半からの帰りのラッシュアワーは、移動すべきではない時間帯です。
(行きは混むと分かっているから、真面目な比人は早起きして職場に向かえる。でも帰りの時間は一斉なのだ!)
「モノレールレベルの路面電車もどき」の電車が3本走ってますが、焼け石に水。
乗ってしまえば渋滞に関係ないのでガマンして並びますが、その行列は駅のホーム程度ではなく、
地上までズラっと何周も並びます。
始発から満杯になりますから、途中駅ではそもそも乗車自体ができない。
特にアヤラ、ブエンディアあたりの激コミ駅は悲惨です。これが毎日です!
日本のどんな通勤電車よりも、マニラに比べればカワイイものです。
一人ひとり、馬鹿馬鹿しい手荷物検査があります。
大大大行列の中、ひとりひとりの鞄なんか見てられませんから、チラっと見るだけ。
そのチラ見をするだけでも、カバンをおろして開けて見せるという手間があります。
ウザいのでスルーしようとすると止められます。
もうこの時点でどのくらい人の流れが詰まるか・・。
(※2022年では、一部の駅にX線検査機が導入されました)
切符売り場の窓口は少数、券売機なし、改札はごく少ない、乗り換えアクセス最悪など、
いくら書いても書ききれないほどの悪条件だらけです。
マニラでは、『タイヤが回っているなら渋滞ではない』というほど、主要道路は混雑します。
クソ混んで、みんなイライラしているところに事故が発生するからです。
事故が起こると当事者同士は車を止めて、道のど真ん中で延々クチ喧嘩を始めます。
邪魔なんてもんじゃない。よく撃たれないなと感心するほどです。
信号を守らないので、係が手信号。
やたらと一方通行があるのでUターンスロットが遠く、まったく無駄な移動が多い。
抜け道がごく少ないので主要道路ばかりが混む。
排ガスやクラクションがうるさすぎるので、抜け道自体を町内会がふさいでしまう。
だから主要道路はますます混む・・・。
マニラの交通事情は地獄です。
世界の渋滞都市ランクなんかですと、まずワースト3から落ちたことがありません。
観光で来るひとは、何時ごろホテル着!なんて計画を立てても無駄。
それほど時間が図れない。
フィリピンタイムという、遅刻してもいいじゃんという文化が発展しているくらいです。
日本でいう早め早めではなく、マニラで時間をキッチリ守るなら、
ありえないくらいに先に到着しておかなければなりません。
(私が安ホテルに妙に詳しくなってしまったのは、もういっそ前日入りして泊まることがあるからです。
これほどやらないと遅刻するからです)
まったくバカらしいですが、日本人は遅刻すると怒るからね・・・w
マニラの空港は、ターミナルが四つもありますが、なんとひとつも鉄道と直接接続していません。
こんなバカな都市計画があるでしょうか。
フィリピン人をバカにするな!とSNSで見ますが、
馬鹿にされても仕方ないだろ?というほど計画性がない都市がマニラです。
100階立ての超高層ビルに、エレベーターがひとつしかないような都市がマニラです。
マニラのタクシーに乗って、渋滞してるから追加料金と言われたことがある人も多いかと思いますが、
「いつもだろ!」と切り返せば、けっこうダンマリになってメーター押すこともあります。
マニラを知るには、まず交通をよく知らなければ、無駄な滞在時間を費やす、と心得たほうが良いでしょう。
※この記事は2019年に他媒体で掲載されたものを加筆訂正しました