フィリピンの闘鶏(サボン)とはなにか?2024最新版

以前(だいぶ前の話)闘鶏の記事を書いたときは、プチウケた。

フィリピンに長く住んでいるひとでも、闘鶏行ったことがない人が多かったので、あの記事は「参考になった」「ほうほうそうなのか」と、感想をくれたひとがやたら多かった。比の闘鶏を知った気になった人も多いと思う。書いた甲斐があったのだ。

ただ、コロナ前の、だいぶ前に書いた記事だから、もう数年前の話になる。

—ってか、あの記事を書いてから、早数年。早いもんやねぇ。そっから一度も闘鶏場に行ったことがなかった訳だが。

実は今月。GW客が行きたいと言い出したので、ひっさびさに足を運んで驚いた。

そしたらさぁ。前回と違うのである!!もう何から何まで全く違っていたのだ。昭和と令和くらい違う。

 

前回と今回とでは、あまりに違い過ぎたんよね。ナニこの液晶TVは…こんなモンなかったぞ?

え?レート?掛け金リアルタイム?場内馬券ならぬ鶏券売り場?ナニソレ

うーん。さすがマニラである。

一応。一国の首都だけある。前回の時と今回とでは、もう全くぜんぜん違ったのであった。

ということは?前回の記事だけ読んでいた人が、フィリピン通をきどって、俺のブログをウッカリマルっと他人に喋ってしまった場合、大恥をかくことになるんじゃねぇのか…

ということで。慌てて最新版の記事を書くことにした。

今後は以下を参考に願いたい。旧記事は過去の話である!(※旧記事の内容も、私が経験したことなので間違いではないのだが、もう古いのだ)なお、比の田舎では、以前紹介した記事の方式を取っているところもあるだろう。できれば両方読んだほうが詳しくなれるので、旧記事も読んでね。消してなければ。(ワイのブログは基本が削除なんで、残っているかどうか俺も知らんのである。酔っぱらって書いて、翌日削除。くどいほど書いているので、この記事を初めて読むひとはご留意願いたい。すまんな)

2024年5月現在のフィリピン闘鶏情報

では、さっそく前回書いた記事の内容と比較して書いていこう。

入場料は、最新版では無料。(前回は入場料がテラ銭であった)誰でも出入り自由となっていた。年齢確認等も無し。いわゆるリングサイドも、二階席も区別なし。

前回は『リングサイドは別料金!一部の外人と関係者だけ!一般比人は二階席。だから二階席で観戦がツウ!』みたいなことを書いたんだけども、今はロハである。

行けば分かるけど、二階とアリーナとでは、死合の臨場感がまるで違う。カネモチ外人特権が廃止され、誰でもリングサイドを見れるようになったので比人も大勢立ち見できるわけだ。俺らは外人だけど、そっちのほうが一体感があってイイ!アリーナはやっぱり人がいないと!無料開放は大歓迎なのであった。

サボンアリーナの壁に寄りかかって、背中が透けてる比人を生温かく眺めつつ『今日が命日の鶏はどっちカナ?』なんてシブーく立ち見とシャレむ。

これが今、もっともナウい、イカしたヤングのマニラサボンスタイルであるといえよう。

賭け方も大きく異なっていた。異なりすぎだろ!というくらい異なっていた。マジでスマンが、前回も今回も同じ闘鶏場なのである…

前回記事では「どっちも二倍」と紹介したが、最新闘鶏では、きちんとリアルタイムで、賭けの多いほうは倍率が下がり、少ないほうは上がるという方式を取っていた。(オオー)

 

この写真の見方:だいたい分かると思うけど解説

38というのは、本日38回目の殺死合。真ん中のラストリザルトというのは、ついさっきの(前回の)勝者のこと。(写真でいったら「ワラ」の勝ち)ペイアウトが倍率である。メロンに100ペソかければ?この場合130ペソ戻ってくるということだ。ワラに賭ければ300ペソ!三倍戻ってくるわけだ。下の行は、これまでの傾向。全くなんの意味もない表示なのだが、傾向表示はカジノのお約束である。ステータスオープンというのは、掛け金受付中ということだ。

フィリピンの闘鶏は、赤コーナーはメロン。青コーナーはワラ、となっている。(競馬のように、鶏の名前は無い)会場では、以前は育てたヤツのファミリーネームが公開されていたので、どこのどいつか知ることができたんだけど、令和最新版では適当な名前でもオッケになっていた。ので、賭ける側、特にデータ厨の人にとっては厳しくなった感じがある。原始的な目利き一発に戻ったともいえる。

写真の死合では—これは写真だけど、画面は激しく動いている—現在メロンに『119464ペソ』ワラに『52951ペソ』ベッドされているということになる。これはリアルタイムで表示される。

真ん中にあるドローというのは仲良死ということである。(二羽同時死亡)
なお、なかよ死 にベッドすることもできる(誰一人賭けないけど)

うん?え。ちょっと待って。おかしいよね?

この写真だと、メロンのペイアウトは137ペソと書いてあるよね?!130ペソじゃなくって137ペソだよね?と気づいたあなたは、もしかしたら日本人であろう。それはあなたが間違っている。どこをどうみても130ペソで合っているので安心して欲しい。それを指摘するとはクレーマーですか?比は外国人のクレーマーには屈しませんので、事前に知っておいて欲しい。(トラブルになるので)

フィリピンの闘鶏は、細けぇことはいいんだよというフィリピンプライドを発揮している。 ので、130ペソで間違いない。
いや、下手すると120ペソになって戻ってくるかも知れない。書いてある数字は正しいが、払い戻しはドンブリである。端数は大雑把に切捨なので文句を言わないようにしてほしい。なお。簡単に数字を眺めていた感じでは、テラ銭10%ではないかな?というのが直感。払い戻しのドンブリは運営側の賄賂(相当バカにならない額になると思われる)とすると、比の闘鶏テラ銭は12%くらいか?というのが実感だ。

勝った場合の戻しは100ペソ単位。端数は相当容赦なく全部切り捨てスタイルが現地サボンなのであった。それがイヤならオンラインでやったほうがいいだろう。正確に減ったわけだから、ある意味昔より悪くなったと言える。目利き一発で二倍という話も、今はできないわけだしね。

 

試合の傾向

いわゆるパドックのような感じで、まず飼い主が、お互いの鶏を挑発させあうところから闘鶏ははじまる。この数分もない貴重な時間で、玄人は相当情報量があるらしく、まず優勢なほうにググーっと数字が伸びていく。(今日死なずに済むかも知れない本命鶏が、メロンかワラのどちらかに、異常なほどレートが傾いていく)

ある程度伸びたところで、今度は逆張り勢が、倍率に釣られて張っていく。みるみる本命鶏のレートが下がっていく。毎回同じパターンである。—ので、おおよそ1.8-2.4倍くらいの幅に収束していく感じだ。
会場全体での、一死合の掛け金は、だいたい50万ペソ(100万円弱)ほどであった。

6割強くらいは、最初に伸びた方(勝つと思われるほう)が勝つので、基本、闘鶏は順張りがいいのだろう。しかし、逆張りが3連続、4連続となると会場も盛り上がる。

場内鶏券が買える!

以前書いた記事では、場内に、日本の市場の仕切人みたいなヤツがいて、ハンドサインで、何百人もの賭け金を覚えていて、勝ったら手渡しで現ナマをくれたと書いたのだが、いまやコンピューターの時代である!!

あの名人芸は、もうマニラでは絶滅したようで、鶏券は、オネーチャンから買って、QRコードで渡されるようになっていた。

昔は、大勝ちすると、誰ともない負けたヤツから取り囲まれたりして、チップを進呈して逃げるということも書いたのだが、アレはもうない。誰が儲かったか、分かりにくいようになった。

ちょっと公正で健全になっていた。

基本の賭け方~なんでもアリなのが闘鶏

闘鶏は、ドーピングも有だし、エントリーが馬主ならぬ鶏主なので、本当になんでもアリである。その割にカネが動くので、おかしなレートの場合は「なにかあンな」と思ったほうがいいので、最初は様子見のほうがいいだろう。通常のレートでは、オイシイレートなどない。

賭けの締め切りは、かなりいい加減。死合が始まっていても受付が終わらないことも多い。オンラインでは締め切っていても、会場では受け付けている。

ボクシングでいえば、第一ラウンド前半までなら、賭けは成立する。(飼い主が手を放した後でも引き受けているのだ)なお、締め切りブザーのようなものは無く、唐突に終わるので注意。このあたりは経験なんだろう。

 

変わっていないところ

闘鶏は、適当に賭けても半分当たるので、勝ったという喜びを得やすい。一般的なレースではなく、死ぬまで決着が付かないので、生での見ごたえは満点だ。

そして、良くも悪くも、闘鶏場は庶民フィリピン男子の心のオアシスである。闘鶏場は、チネーラス(スリッパ)で入って良い。飲酒も良い。(入口で水を取り上げるクセに、目の前でビールを売っている)会場外(建物内のリングの外の意味)では喫煙可なので、アホほどの吸い殻が山積みとなっている。闘鶏場はオカダマニラじゃない。官営鉄火場なのだ。

久々に行った感じでは、治安はダントツによくなった。マジで安全になりすぎて、俺なんかゲスト置いて、下でグラマン飲んでいたほどである。
以前行ったときは、勝ったヤツからカネをむしっちゃったりなんかする、あったか海外ドキドキ体験がそこかしこで散見されたのだが、今回は全くなかった。それとも、前回の俺の体験が強烈すぎたのだろうか?とにかく今回は「なんだこれ」というのが正直な感想。DU以後なのか知らんけど、近代化したことは間違いない。

フィリピン文化そのもの!一度は闘鶏場にいくべき

前回記事では「観光客だけで行くのではなく、マジでフィリピンのことを知っているガイドを保険でつけたほうがいい」と、しつこく書いたんだけども撤回する。シャブ打ってるバカとか全滅していたので、是非異国文化体験で行ってみていいとおもう。(ただし、リアル闘鶏場は、女性に限り男性とペアで行ったほうがいいとおもう。治安が良いとはお世辞にも言えない場所であることには変わりないので)

街中で、闘鶏用の鶏を、誰もがみたことがあるとおもう。彼らがどんな運命をたどるのか?サボン(闘鶏のこと。石鹸ではない!)くらいは一度興味本位で見てみることを勧める。500ペソくらい、カンで賭けてみたらいい。日本だったら動物愛護団体が白目を剥いてエビ反る行為だが、世界の闘鶏熱ナンバー1はフィリピンということになっている。(毎年、アラネタドームで世界大会が開かれるのが伝統である。比の鶏は弱いのでいつも世界チャンピオンになれないのが最高であるww)

遊びとしての賭け事としては大いにあり

勝ったら1.89倍程度。負けたらナシ。数字だけで見ると、闘鶏というのは、かなり長く遊べるギャンブルである。
長く見てなくても、死合を見ていれば、かなり当てることができる。鉄板OF鉄板のような組み合わせも多い。(相当多い)

おそらく、通常の日本人なら、負けなしは難しいとしても、一日やっていれば増えて帰る率は6割以上あると思う。(断言してもいいくらい)
(需要があれば細かく書くけど、長くなるので今回は省略)闘鶏は、おそらく日本では成立しない。動物虐待云々以前に、おそらく賭けとして成立しない。闘鶏が成立するのは、一回の死合に、たかが100万弱しかベッドされない発展途上国の、イチ闘鶏場ならではのことである。

カジノの必勝法とは、究極を言えば50.00..1%以上の勝ちを見込むわけなんだけど、闘鶏にはそれがある。だからこの記事をよく読んでもらえれば、あなたは一生お金に困らないかも知れないw 私はやらないし興味もないけども。