フィリピンで犬に咬まれたらどうしたらいいのか

比には野犬がいる。ウジャウジャいる。マニラにもセブにもいる。野良犬がメッチャ多い。旅行者のみなさん。あの、道で歩いている犬は危ないのです。手を出してはいけないのです!という話をしよう。今日も当然酔っぱらって書いております。

何故、カワイイ野良犬を構ってはいけないのか

答えは簡単。狂犬病の危険があるからだ。

「当たり前だろ」と、画面に向かって呟いたひとはフィリピンに詳しいひとだ。実のところ、こういう話も知らない人が多いものである。それどころか狂犬病すら知らない人がいるのだ。

狂犬病は、日本では絶滅しているが、いまだ世界で撲滅されていない、恐ろしい病気である。発症したら最後、致死率100%。
つまり、比で、犬猫に咬まれて、なんもせんかったらどうなるか。もしかしたら今年中に命日が来てしまうのだ。だから、触ってはいけないのである。

そんなこと言ったって咬まれたらどうすりゃいいのか

すごく大事なこととして、まず流水で、咬まれた部位を洗うことだ。手で血を押し出すようにして、かなり長い時間やったほうがいい。これをやるだけで全然違う。というのも、動物の牙のケガって、小さく深いので、菌が除去されにくいからだ。ちょっと表面を洗ったくらいじゃ全然ダメで、搾り取るように洗わなければならない。

これをしっかり行ったら、次はワクチン接種である。え?咬まれたらもう手遅れなんじゃ?というのは違う。
狂犬病は、発症したら死んでしまうものの、ワクチンをアホほど打ちまくることで発症しないことがあるのだ。なにしろ発症したら死ぬので、絶対やったほうがいい。

どこでやるの?近所にないんだけど?というのも違う。比の施設は病院ではなく、ABC(アニマルバイトセンター)で行う。
野犬がウジャウジャいるので、専用の機関があるのだ。これは田舎でもどこでもある。料金は一万円も見ておけば間に合うだろう。

帰国寸前で犬に咬まれたらどうするべきか

帰りのチケットを捨てて、比で治療を受けた方が良い。

理由は簡単。日本では狂犬病が絶滅している以上、医師が慣れていないからだ。デング熱と狂犬病については、日本よりも比の医師のほうが役に立つ。狂犬病は発症したら死ぬ以上、帰国するという選択は無い。咬まれたら残るべきだ。
そもそも日本の場合だと、まずヒト用の狂犬病注射自体が病院に置いていない。(わたしは一度、日本で狂犬病予防の注射を打ったことがあるけど)よっぽどの専門病院でも置いてない。置いているのは、国立の、それこそ特別な感染症の専門病院にいかないと無い。「え?成田とかで、海外から戻ってきた人向けで、やってくれるんじゃないの?」やってくれません!空港の医者なんて論外です。

比で、犬に咬まれて、不安なまま帰国するというのは最悪の選択肢。必ず現地で治療を受けた方がいい。(そんなに高くない)
狂犬病関係については、仕事とかナントカいうのは二の次。発症したら手遅れで死ぬ以上、治療しない選択は無い。

比全国に蔓延している野良犬

これについては、また別に書こうと思うが。自分だけではなく、自分の子供や周囲の人にも声掛けて、咬まれたら恥ずかしがらずに教えることを家庭内で念押しした方がいいと思う。(このあいだ、咬まれたことを親に叱られてくなくって黙っていた女の子が発症して死んじゃったというニュースがあった)

サリサリなんかで寝ている犬を、こっちの子供は殴ったり蹴ったりするのをたまに見るけど、ああいう真似は絶対させちゃいけない。