フィリピンで盲腸になったらどうなるのか(1)

お腹が痛いのガマンしていたら、耐え難い激痛になり、シャレにならんと病院に行ったら盲腸だった—
いわゆる虫垂炎は、外科ならイの一番に覚える症例らしい。誰にでも起こり得る盲腸の恐怖。それがもしフィリピンで起こったら?

まず、俺は医者ではないので詳しくは知らないのだが、虫垂炎をガマンして破裂したら普通に死ぬことは常識として知っている。

それがもしフィリピンで起こったらどうなるか?さぁーどうなるんでしょうねぇ?と思っていたのだ。が、今日、まさにそれが起こったのだ。

まずフィリピンというのは、病院がどこも慢性的に満杯である。つまり緊急の場合、当然プライベート(私立)病院に行くことになるのは仕方ない。まずどこでもいいからまず受け付けて貰える病院に行くことが肝要だ。

そんな風にして、昨日虫垂炎の話があったのだ。実際手術をして助かった。良かった。医療水準がどうのこうのと批判するのはたやすいが、とにかく盲腸手術を成功させてくれたことの一点について、なにも批判はできない。ありがとうである。ほっときゃ死ぬんだから。

本人(比人)はSSSとフィルヘルス両方持ち。盲腸なんてよくあるし、比人だってかかるだろう。いくら医療費が高いといっても、盲腸で高額請求は無いと踏んでいた。これで高額請求したら、ちょっと国の医療体制に問題ありだろう。誰だって虫垂炎になる場合はあるんだから。相当カバーされるだろうと、俺は思っていた。

そんで今日請求書が来たというので見せてもらったんだけど。

気になるお値段。日本円にして約100万円。

他にも施術をしたからなのだそうだが、明細には書いてない。

どっかの京都の料亭の時価みたいな話である。

今回、本人は、非常に珍しいパターンで、なんと!なにかあったときのために、コツコツと預金をしている比人であった。(偉い)
比を知っている人なら、これがどのくらい難しいかということを知ってもらえるだろう。
その本人のエマージェンシーペソは12万ペソ。立派である。物凄く立派である。マジで、緊急の時のために12万ペソ(31万円)預金しているヤツがいるか?フィリピンでだよ?

ある意味しっかり者の人だったんだけども、今回の請求は『12万じゃどうにもならない』請求である。ちょっとお高いんじゃないんですかねぇ…
でも手術しなけりゃ死んでたんだ。彼らの仕事に関する報酬を払うのは当然でもある。でも、払えない。払えるわけがない。万が一の為に12万ペソ貯めていたのは、俺にしてみれば驚愕以上の大金。でも請求額はその3倍である。

となると。過去ブログ参照なんだけども、またまた『入院患者大脱走』を、バランガイ(警察)と企てなきゃいけないのである。

えー?また病院脱走ですか?とお叱りを受けそうだが、じゃあどうすりゃええの。一日いるだけでアホほどの入院費が増えていくので、脱走するなら早いほうが礼儀だし、バラポリとセキュリティは漫才しているようなモンで、脱走は必ず成功するようになっている。病院のセキュリティなんて、いわばセコムみたいなもの。バラポリは法的権力を持っている。地元バラポリ(バランガイ警察のことね)には勝てない。

この(1)は昨日今日起こったことなので、続きは未来にならないと書けない。20万ペソ以上たりないんだが…

ひとつ分かったことは、比で盲腸になったらMAX100万かかるということだ。やっぱ病院脱走一択だよなぁ…