ガチ投資話?金持ちフィリピン警察官がドツボにはまっている話(3)

(3)である。国家警察貸金業!給与振込ATMカード没収話の続きである。

この話は、あまりにうまく行き過ぎた。だから利害関係者は、将来の増えすぎたお金どーしよう?なんて妄想に浸っていた。

まさに我が世の春。いすゞD-MAX買っちゃう?って勢いである。

以下余談

※いすゞ自動車は、海外では普通車を販売継続しています。日本未発売です。
※いすゞD-MAXは、悪いことをして買った車両というイメージが(ちょっと)あります。比のドラマで悪役が乗っているのはD-MAX
※だからそれがカッコイイんじゃねぇかよ!?というチョイ悪オヤジが比には多いですし、実際かなりの実用度を誇るので売れてます
※っていうか、いすゞD-MAXは絶対日本でも売るべき!こなれた価格でカッコイイ!(←これが言いたかった)

(余談終わり)

 

しかし。ここで。このタイミングで、コロナが襲ってしまうのである。

そうなるとどうなるか。没収したATMカードに、カネが振り込まれてこなくなるのである。
そして、債務者の言い訳は、しごく全うだ。「返すつもりはあるんだけど、職を失った」である。それが、ほぼ全員となった。

さあどうする、先付小切手は切ってしまっている。客の半分とかじゃなくて、100%全員の入金が、いきなり無くなったのだ。

金主は上官、同僚、外国人。

とても叶う相手じゃない。先付小切手は絶対だ。

いわゆるコロナ下。比はアホみたいなロックダウンをしたので、まさに直撃である。

さらに運の悪いことに”理解のある上官”が異動になった。新任の上官は、ソイツが貸金業していることなんて知らない。

彼は、国家警察の警察官であったが、貸金業が忙しすぎて、実は全く出勤していなかったのである。そりゃそうだろう。何百人、何千人もの債務者相手に、数人で回していたんだから、警察に出勤できるわけがない。

コイツはなんで出勤していないのか?ということを指摘される。当然だ。
コロナ下である。フィリピン政府は警察だけでは足りず、軍を動員しても足りず、予備役兵まで招集して検問していたんだから、出勤してない部下がいたらコイツなんなのということになる。

貸金業がヤバすぎて飛び回っていますとは、とても言えない。当時はドゥテルテ政権下でもある。

どうしたか。新任上官の手前、同僚もどうしようもないわけで、出勤せざるを得ないのである。

国家警察官が、命令された任地でオーダーを受けて仕事をするのは当然である。そこに一点の曇りもない。

しかし・・・・貸金業のほうは、全くできない状況になってしまった。どうすんのこれ。

 

さらに。

比人のネットワークというのは恐ろしいもので、この状況というのは瞬時にフェイスブックメッセンジャーを通じて広まったようだ。
だって、できるんだったらみーんな、借りたカネなんて踏み倒したいのだ。警察だと威張っていたから返していたのが、どうもそうではないらしい。新任上官に呼び出されてペッコペコらしい。いま、あそこのバランガイで検問してるよアイツ、なんて情報は、ヒマなコロナ下、瞬時に動画や写真で広まる。

え?俺の借りた一万ペソ、踏み倒せるんじゃね?

じゃなくて。

「俺はもう踏み倒す」という勇者が現れると、次々と俺も俺もになっていく。

寝ててもお金が入ってくると豪語していていた国家警察官は、恐慌になってしまったのだ。

 

つづく

お金