マニラ偽物市 グリーンヒルズノススメ

ニセモノ記事の伸びが凄い。検索流入No.1である。
やっぱりみんな興味がある記事なんだろう。誰かが読んでいるとおもうと嬉しいのである。

—ので、今日は続編としてマニラグリーンヒルズについて書きたしたいと思う。

まず、改めて。場所はココである。

グリーンヒルズというのは、マニラではまったく知名度の無い「サヌアン区(サンファン区)san juan」にある。
マニラでもっとも小さい区であり、住んでいる日本人もごく少ない。マンダルヨンとケソンの間にある、
ごく小さい行政単位の中にドドーンとある。静かでいい区である!
マニラで静けさを求めるならココに住むべきである。東京でいえば赤坂である。

行き方

タクシー以外なら電車がいい。マジで誰も降りない「サントーラン」(同じ名前の駅がふたつあるので注意)駅を
降りたら少し南にいくと、アナポリスという道があるんだけど、この角で待機しているジプニーに乗るのが
もっとも経済的だ。なお歩いてもいける距離である。普通にいくならタクシーでグリーンヒルズと言えば通じる。
ただしデカいので、グリーンヒルズのどこかまで指定してほうがいいかもしれない。

グリーンヒルズは馬鹿デカイ。知らないひとは、偽物売り場にたどり着けないほど広大である。
冗談抜きでキロ四方ある。これから買い物でウロウロ彷徨うんだから、かなり歩くことになる。

どうしても分からない場合、「カレーハウスココ壱番屋、グリーンヒルズ店」(笑)目がけていくと良いだろう。
その向かえのどこかの入口に入ればいい。ココイチ目印というのは圧倒的に日本人に分かりやすいので、
馬鹿にせずそうしたらいい。集合場所としても使える。店内でコーラでも飲んでれば、興味の無いひとだって
涼しく待っていられるのだ。

とにかく買い物が楽しい!

前回記事では、針の取れるロレックスについて書いたけど、ここは別に偽物だけじゃない。
携帯修理からアンティークまで、いろんなものを売っている場所である。
たとえば戦時中の新聞なんかも売っている。ネットの情報なんかより、よほど一次資料になりそうなものが
ザックザク手に入るのである。もちろん一点ものだ。散逸防止で買っておけば、歴史的資料になりそうでもある。
知らんけど。

 

日本政府発行のお札。

 

フィリピンでは「アンティーク趣味」というカテゴリはほとんどゼロなんだけど、グリーンヒルズだけはなんとか辛うじて、
こういった好事家の欲を満足させるようなものを売っている。とはいえ品揃えは雑多だ。
古いコーラの空き瓶や切手といった、価値不明なものも売っている。実に雑多である。
そもそも店に売る気がないので、放置されているといった風である。

海外レトロ品収集の人に取っては、グリーンヒルズはまた違う顔を持っているのだ。
もちろん、こういうものは日本で易々手に入るものではない。転売してもいいだろう。儲かるかもしれない。

なお、こういった物も偽物があるらしいが、わたしはなんでも鑑定団じゃないので知らない。
何度も書くけど、グリーンヒルズというのは騙されたヤツが悪いのだ。

 

以前書いた真珠はこんな感じ

ニセモノはこんな感じである。ちょっといい写真じゃないけど。実際にはこういったお店が
見渡す限りズラっとある。全部C級品である。

 

グリーンヒルズは偽物だけの場所じゃない

実は、グリーンヒルズは外食する場所として優秀である。
マカティからちょっと足を伸ばすだけで、きまぐれにおいしいお店を選べる場所でもあるのだ。

まず「美人鍋」がある。もうこれだけで高得点である。
グリーンヒルズグルメというものは確実に存在している。
フィリピンの飲食全部、集まっているといってもいい。
買い物で疲れたあとは、お腹もしっかり満たせる場所なのだ。

駐在の方にもおすすめ

日本から来た駐在員夫婦の休日なんかも勧める。
ドライバーが休める場所があるし、駐車場は必ず空いているし、
BGCやマカティからもほど近いし、買い物や食べ物も多いからだ。

とにかくデカいので、気に入ったら毎週でも飽きない程だ。MOAやメガモールなんかよりよほど楽しい。
正規品を買いたいという需要もしっかり満たせる(偽物市の隣にホンモノ売ってる)

多くの日系企業はグリーンヒルズを立ち寄り禁止場所として指定していないのも強みだ。
男女共に満足できる品ぞろえなので、あれこれ楽しいのだ。
また、お土産のドライマンゴーの包装済小分けなんかも売っている。(ニセモノ市の中央にある)
空港の半額以下だ。会社員の出張で、配るものが要るひとにとっては有難い。
わたしは何十回も連れて行ってるけど、一度もクレームがない。
ホンモノの椰子の実石鹸や、小さいドライマンゴーパック(机に配るタイプのヤツ)は、日本の会社員に
有難い!と言われる。包装がイイので土産物として最適なのだ。しかもほとんど底値で売っている。
工場系の日系企業戦士男性に紹介すると、なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!と笑顔で怒られるほどだ。
鉄板系のお土産を安く買えるのもグリーンヒルズの魅力である。

 

グリーンヒルズは趣味の品も売っている

たとえば日本のプラモデルなんか、かなり古いモノを売っているので、掘り出し物があるだろう。
それよりスゴイのは、日本以外のメーカーのプラモデルも売っている。
例えば東ヨーロッパのプラモメーカー品も売っている。プラモはタミヤだけに非ず!
見たことも無いような海外プラモが捨て値で眠っているのだ。

ゴミもたくさん売っている

ゴミというか、日本のUFOキャッチャーの景品なんかも売っている。割と高いんだけど、
残念という品を平然と売っている。しかしあと20年もすれば価値が出てくるだろう。
いろんなものを売りすぎているので、目利き力が問われるのだ。それも面白い。

 

グリーンヒルズは、年期の入った在住者でも、たまにいけば発見のある楽しい場所だ。
こういう古き良きモールも年々減っている。

ハリソンプラザ閉鎖、コスタルモール閉鎖と、雑多で楽しいモールは消えつつある。
マニラのモールといえば、MOAやメガモールとなってしまって久しいけど、なにが楽しいのだろうか。
小綺麗で安全で、エアコンが効いている清潔なモールは時代の要請なんだろうけど、どうにも寂しい。

騙されたほうが悪いんだよ!と啖呵売するような。
東京上野のようなフィリピン・マニラモール文化を体験してこそ、マニラに住む人々の一端を知ることができる気がするのだ。

グリーンヒルズは、まさに古きマニラのモール代表格として、今でもその牙城を守っている。

 

メルセデスベンツの置時計を笑い、あからさまなエアジョーダンの偽物を笑う。
観光客は慣れぬ英語で掛け合い漫才をして、大いに値切ってみせる。
売り子はあんたにゃ負けたよという表情を見せながら、去り際の背中で舌を出す。
買った刹那、日本の税関に没収されたらどうしよう?なんて不安に駆られる者もいる。
もちろん、いったん売れたものは返品なんかできやしない。

そんなドキドキがいいんじゃねぇか、と思う。
海外に来るということは、日常で味わえない、スリルやヤンチャをやってみたいものだ。

帰国したら嫁に怒られそうな、どうみても洗濯したらオシマイの「キラッキラのベルサーチTシャツ」
買ったっていいじゃないか!

人には愚かなことをする権利がある。わたしは愚行権と命名している。
この権利を、エンターテインメントとして行使できる場所を、わたしはグリーンヒルズ以外に知らない。

騙されない 自信があるほど 騙される

ばかしばかされ、空しく散財したとしたという後悔よりも、次はもっとうまくやってやると思えるのが
グリーンヒルズの魅力である。

 

 

夜も楽しい

蛇足ではあるけど、ここでお昼間たっぷり楽しんだ後は、
ちょっと行けば「フィリピン人の盛り場」トーマスモラトがある。
ABSCBNやGMA等々、比を代表する大マスコミの本社群がある。
つまり芸能人や業界人が通う御忍びのお店がワンサカある。

ホンモノの高級KTVから、激安風俗まで揃う、知られざる地域である。
(ただし店が点在しているので車が必要である)目印はボーイスカウトサークルである。

グリーンヒルズで猥雑なマニラを楽しみ、夜は地元民しか行かない盛り場に繰り出してみる。
マニラには、こんな楽しみ方だってあるのである。