フィリピンで入れ墨(タトゥー)を彫るとどうなるか(4)

 

4日目、5日目

そうして4.5日が過ぎた。

あまりに連続で彫り過ぎた為、背中は膿がダラダラと垂れるようになっていた。痛々しいのである……

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彫った上から彫る。そしてその上からまた彫るという、なかなかの苦行である。

4-5日目。順番に書いていこう。まず麻酔クリームの件だが、これはバイクタクシーで翌日届けるという荒業を使ったので、なんとか間に合った。

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※この写真を見て欲しい。手前のJ-PROというのが40%麻酔(100ペソ)なんだが、これ90%で300ペソというのもあるらしい。結局買わなかったのだが、フィリピンで彫りたい人は試してみてもいいだろう。

彫るのも4日目となり、俺も本人も完全に飽きていた。

家の中は、インクやらテッシュやらサランラップやらでドロドロ。エアコンは24hつけっぱなし。ベッドシーツはインクですっかりダメになっていた。(※のちほど若者が、さすがに新品買い直してくれた)

通訳として家にいた嫁は日中暇で、延々とネトフリでドラマを見ていた。(例の、永久に終わらないフィリピンドラマである)

午後、俺と一緒に買い出しにいって料理するという感じで、だんだんルーティン化してきた。
嫁は料理をしないフィリピン人であったが、俺がリクエストしたビコールエクスプレスはなかなかウマかった。若者にも好評であった。うむ。やはりフィリピン料理はビコエクに限る。

とにかくヒマなので、話題は食い物しかない。次なに食おう、次なに食おう。これしかない。結局、フィリピン料理を俺の家で料理しまくっていた。

入れ墨を彫るというのも、最初こそ物珍しいが、正直4-5日もぶっ続けで彫っていると飽きてくる。
若者も俺も、日本語以外の意思疎通が出来るので、通訳としての嫁は全く役割がなかったんだが、一応助手として機能していたようだ。ま、人手は多いほうがいいというのがフィリピン流である。
なお、この嫁は超ーーー親日で、日本語は本当に上手であることを、一応付け加えておこう。

 

肝心の腕のほうはどうか

さて、この彫り師。安かろう悪かろうという訳ではなく、ことタトゥーに関しては流石にプロの彫り師として、なかなか見事な腕を持っていた。
(元々、紹介をしてもらった彫り師なのである)タトゥー以外のことについてはフィリピンしていたんだが、もっとも大切な技量のほうは、素人目からみてもB+からA-くらいの感じだった。

ガチ中のガチ、プロ中のプロのタトゥーアーティストと比べれば腕は落ちるのだろうが、元々のイメージ画と、実際の背中との再現性はなかなかのモノであった。これは素直に褒めておきたい。

なお今回の料金は、基本見積段階で8万ペソ。これが高いか安いかの議論は、読者の方に委ねたい。

 

オロナインを塗るか塗らないか議論

ここで、ひとつの疑問が生じた。

途中、あまりにも痛々しい背中になってしまったんだが、途中見学に来た日本人のヒトが、オロナイン塗った方がいい! と断言して、背中にオロナインを塗りだしたのだ。

(私の家には、うまい具合に徳用のデッカイオロナインがあった(笑)なんと都合の良い展開……)

あの、大塚製薬様が誇る、一番デッカイ徳用オロナインは、すぐに無くなってしまった。

これをタップリと塗ってから、さらにサランラップでグルグル巻きにして保護をするというテクニックがあるという。

へー。そんなことするんだー、と感心していたんだが。

彫り師が、不穏なことを言う。

「そんなことしないほうがいい。乾かしたほうがいい」というのだ。

意見、真っ二つである!

 

オロナイン保護 VS 自然乾燥 議論である。

 

見学に来た日本人も、彫り師も、当たり前だが医者というわけではない。医療については、残念ながら、どちらも素人だ。どちらが正しいのか? 分からない。

日本人の意見としては、まず感染症防止。(うむ。一理ある)傷の治りはやや遅いものの、オロナインという絶対の安心感。
そして入れ墨の定着等という話であった。

なお、この日本人は自ら試しており、説得力がある。

一方の彫り師は「オロナインは薄く塗る程度で、基本乾燥が良い」何故か? 治りが早いから。うん。それはその通りだ。

特に今回は、連続して彫りまくった関係で、背中のダメージは相当なモノがあったので、少しでも早く自然治癒力を高めるというのも、また頷ける話といえる。

しかし。入れ墨入れたてホヤホヤの皮膚に、オロナインを薄く塗るというのは、物理的には行えるのだが現実としては難しい。(もちろん薄く塗ったほうが良い。皮膚系の薬は厚塗りする意味が無い)
何故なら痛いからである。

まだ彫ったばかりなので、しっかり定着させるという意味で、余計なことをしないほうがいいという理屈もあるのであった。

 

双方とも頷ける話。どうしたらいいのか。はい。令和の今時は、こういう時AIに聞く訳なんだけども。

なんと、AIも意見が分かれたのである!(笑)

 

どっちなのよ! これは本人も俺も迷った。

結論としては、膿や血が出ていて、いかにもヤバイところはオロナインを塗って保護し、無事なところは自然治癒ということにした。中庸を選択したわけだ。

本人は背中を見ることが出来ないので、俺が塗った。オロナインは刺激が無いようで、あまり痛がった様子は無かった。部分的オロナインという作戦だ。

 

入浴しなければ!

さすがに5日目ともなると、若者の身体は相当に異臭を発しており、シャワーを浴びることになった。

フィリピンには、入れ墨界隈ご用達の「セーフガード」という、街中でよく売っている殺菌洗剤がある。それを使って洗うらしいんだが、俺はそんなこと知らないので用意していなかった。

俺の家にあったのは「牛乳石鹸良い石鹼」である! たまたま、ジャパンの石鹸を使っていたのであった。ふふふ。

はて。入れ墨彫った際に牛乳石鹸を使って良いのだろうか? まあ、使わないよりはいいだろう。

 

若者は「ソープ嬢になってくださいよー」等と、よく分からないことを言っている。なんでコイツは、いちいち俺の神経に触るようなことを言うんだろうか? まあ、軽い冗談のつもりなんだろう。まったく面白くないが。

まあ、ここまで来たら協力せざるを得ないし、俺は彼の背中を石鹸で流した。

すると……

オオッ!

不要なインクが落ちて、本来の入れ墨が顔を出した。なかなかの出来栄えである!

やはり、この彫り師。こと腕に関しては悪くないのであった。

 

俺は背中を流してやると石鹸を手渡し、「あとは自分で洗え」と言った。若者も、そこは素直に従った。当たり前だけど。

酒吞んでいいか議論

次に勃発したのは、酒呑んでいいか議論である。

彫り師は、吞んでいいという。

俺も若者も酒は嫌いではない。S&Rで、ワインとウヰスキーを8本ほど事前に買っており、ワイワイやりたかったのである。

しかし、連続で入れ墨を彫りまくったおかげで、コレは酒を呑んでいいのかどうかという話になった。

(※なお、若者は、ビールなんかリットルで呑んでも酔えないという酒豪である) 一杯が二杯、三杯となるのは目に見えている。

結局、酒は少し控えるということになった。

 

そんなこんなで、5日目まで終わった。

入れ墨のほうも大分進み、なんとか完走できそうである。

さてこれからどんなドラマがあるのか? 裏ドラが乗るのかどうか(笑)次回をお楽しみに。

(つづく)

 

 

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