フィリピン:ブラックリストについて

今日はフィリピンのブラックリストについて書きます。

ブラックリストとはなにか?

ブラックリストというのは、フィリピン入国の際、そのリストに名前が乗っているひとは即時退去(入国禁止)となってしまう人のことです。
実際リストになっているわけでは無く、パスポートコントロールでひっかかるようになっています。

どういう人が載るのか?

強制送還を受けたことがある人
入管でモメたことがある人
大使館から犯罪歴があると通報を受けた人(日本人の場合日本大使館から通報のあったひと)
過去VISAのトラブルを起こしたことのある人(オーバースティ)
性犯罪者、テロリスト、招かざる外人(政治がらみ)書類不備
比で有罪になり、一年以上の刑になった人。未満でも2回有罪になった人

等々です。

ブラックリストに載るかどうかというのはBI(入管)の裁量となっています。
つまり気に入らない外人はブラックリスト(BLO)に載せられるということです。

なお、これは世界中の国で、似たり寄ったりの運用となっています。フィリピンだけが特別に権力を振りかざしているわけではありません。

自分がブラックリスト入りしてしまった場合どうなるのか

まず、ほとんどの場合、フィリピンに入国しようとしたときに、自分がブラックリスト入りしていることが分かります。
この場合、現地で打てる手は裏から入国する以外にはありません。基本は無理です。

帰国後どうするか?

帰国後、比に再入国できるようにブラックリストから名前を消してもらうというのは、皆クチを揃えて厄介だといいます。
というのも、フィリピンでは自分が現地で動いてこそ、物事が解決することが多い国ですので、誰かに頼んで、この厄介な
手続きをクリアすることは大変なのです。

自分が、いわゆる「永久ブラック」でない場合、ほとぼりが冷めてから日本にあるフィリピン大使館に行って、VISAを取得してみるという手が
もっともスタンダードなやりかたです。つまり入国に当たって、まず仮入国許可を貰っておこうということです。
ただ、この方法は気休めに過ぎません。

ブラックリストを消す方法ではなく入国できる手段二つ

ひとつは入管局長にレターを書いて取り消しを嘆願すること。ひとつは裁判を起こすことです。
一応道は開けているように見えますが、これもほとんど無理です。
入管局長が正式にブラックリスト解除を行ったのは、記録をさかのぼってみたところ2014年(9年前)となっています。
もちろん発表されていない分もあるでしょうが、かなり少ない上に、手続がほぼ動いていないような感じです。

同じく裁判という手もありますが、本人が入国できない状態ですから、リストから削除されるのは大変でしょう。

入国するにあたっての現実的な手段

ブラックリストに載ってしまった場合の手口というのは2つあります。
ひとつは「同姓同名他人証明書」をBIから発行してもらうこと。この書類があれば「俺は別人だ」ということで、
堂々と入管をパスできます。

もしもあなたが本当に別人ならいいのですが、本人なのに「別人だ」と偽っている場合、お金もなにもかも、相当かかるでしょう。

 

もうひとつは、あなたの名前を変えてしまう方法です。つまり日本のパスポートの名前を変更してしまう。
(これは在住者がよく言う「秘密の手段」です)
まず裁判所にいき、自分の名前を変えます。次に結婚なり養子なりしてしまえば苗字が変わります。これで名前は別人となります。
いや別人じゃないか。これは合法なんだから。

この手続をしたうえで、サラのパスポートを申請すると通れると言われています。おそらく通れるでしょう。
ただし、出国の際の指紋と顔認証でひっかかる可能性はあります。つまり「帰りは怖い」のです。

ブラックリストに載りにくい人

ブラックリストというのは結構ハバが広くって、特定期間で解除される(例えば酔っぱらって入国拒否された等、軽微なリスト入りもある)
場合もあります。

また、通達レベルですがフィリピンに現実に住んでいる日数が10年以上の人は載りにくいようです。
同じ理由で、比人と結婚している人(VISAの種類によらない)や比人の子供がいる人は、やはりBLO掲載はされにくいとされています。

ブラックリスト回避書類

ブラックリストに載っている人は、BIからの書類を貰えないので偽造書類を提出して出入国しているのが実態です。
比のイミグレーションによりますと、偽造書類提出で捕まるのは年間約50名ほどいるようです。

どういうことかといいますと、

偽造書類で入国する→バレる→強制送還 また偽造して入国 を繰り返せば、結局出入国できてしまうので、なるべく
帰国する回数を減らせばいいという、捕まる前提で書類つくってしまうという、とんでもない発想をするチャレンジャーもいるということです。
これは中国人らがやるようですが、流石中国だなという感想です。

 

昔の英雄に気を付けろ

フィリピンの入管話というのは、武勇伝が多いものです。入国スタンプを押さずに入れる方法を知って実践しちゃった人なんかの、
過去の話が蔓延しています。

しかし、フィリピンの入管も少しづつ進化しています。昨日まで出来た方法が、今日出来ないということもあり得ます。
たとえば最近ですと、比のVISA関係はパスポートにスタンプを押されないようになってきました。
(昔はスタンプでベタベタになっていた)紙だけ渡されて手続完了!ということも増えてきたのです。

ということはオンライン化が進んできたのだということです。

「マニラの入管はヤバイけどクラークならイケる!」なんていう神話が、次第に通用しなくなっている証左だと思います。

 

 

 

法律