比在住者から見た「ルフィ」事件(2)

続きです。

もう一回言うけど、いま、フィリピンの大統領はドゥテルテじゃないかんねw

少しは調べてから書いてほしい

ルフィ事件は、日本の社会的関心事になってしまったので、トバシ記事も出てくるようになった。
驚いたのが『ルフィが犯罪収益で豪遊!一味のマンション内部!』という記事である。

マンションとは豪邸の意味である

あなたが署名記事を書く現場ライターならば、30代40代だろう。きっとプレステでバイオハザードをやった世代だろう。
だったら分かるはずだ。アンブレラ社の作ったゾンビの徘徊する住宅を眺めて、操作する主人公は「oh…its マンション」というのである。
マンションというのは日本でしか使わない和製英語で、普通コンドミニアムという。

そして、どんなにクソショボイコンドミニアムであってもプールはある。激安の・・・月2万円くらいのコンドであっても、アリバイのようにプールはある。
プールがある=豪勢な暮らし というのは分かりやすいステレオタイプの記事を書けるけど、私たち在住者にしてみると決めつけでしかない。
フィリピンに住んでいる日本人にアンケートを取ってみればいい。あなたの自宅にプールはありますか?
ハイと答えるひとは、おそらく3割はいるだろう。マニラだったら5割かも知れない。
私たち日本人が、少なくても住んでいいなと思える『マンション』は、だいたいプールがついている。例え一回も使わないとしても。
それどころかジムやワーキングスペース、キッズルームなんかもついている。
プールがある=贅沢 というのは日本人特有の発想だ。そもそも水資源の豊富な日本のほうが、マンションにプールくらいないとおかしいのである。
フィリピンで、プール付なんてまったく珍しくないし、むしろプールがない家に住んでいるほうが貧乏人くらいの勢いで理解したほうがいい。
一軒屋であってもビレッジなら共用プールくらいは普通にある。

フィリピンでは、泳げるというのは教養のある家庭であるとみなされることがある。日本のように学校にプールがあるわけじゃないからだ。
いやフィリピンだけではない。泳げるというのは一種の金持ちステータスといっていい。「泳ぐほどの水」というのが、まず世界では贅沢だとみなされるからだ。
水中で目を開けることの出来るひとは、世界の中でも限られたひとだ。日本の教育が凄いというのはそういうところでもある。

だから!フィリピン人は泳ぎたがる。泳ぐ。泳げるということは富貴があることだからだ。

話が脱線したけど、そういうわけで「ルフィはプール付マンションで豪遊している!」というのは呆れた話である。
マンションという言葉を使っている時点で、おそらく筆者はマニラに来たことが一度もない人であろう。

 

「ルフィの豪邸」を見た感想

そしてなにより、ルフィの「プール付マンション」をみた感想なんだけど、印象操作がひどかった。
日本人ならスゲェだろうけど、マニラに住んでいる私たちにしてみるとナニソレである。

まず、コンドミニアムというのはプールの外観が全部違う。だからプールの写真一枚で、どのコンドかなんて特定できてしまう。
これはわたしだけではない。慣れたひとなら秒で、「ナントカコンドの、東棟。多分23階くらいじゃないかな」レベルに特定できてしまう。ネットを使わなくてもだ。
だから報道されているルフィの豪邸というのも違和感がある。プールの写真が違うからだ。

マニラでは、誰かの家に遊びにいくということは、その人のプールを上から眺めることでもある。これは自慢ではない。
だから、マニラに住んでいる経験が長いほど、いろんなプールをボゲーっと眺める機会が多くなるので、自然とどこのコンドか特定できるようになる。
つまり、別々のプールの写真を切り取りして「ここがルフィの贅沢三昧の証拠だ!」と言われても、何の証拠にもならないと思う。
たとえ本人の顔写真が映り込んでいても、フィリピンなら簡単に出来ることだし、だからなに?というレベルの話だ。

過熱するルフィ報道だけども、おかしな記事が増殖しているのはいただけない。
悪を罰するのはいいとして、海外だからバレないとトバシ記事を書いてほしくない。
海外特派員よりマニラに詳しい在住者は、それこそ何万人も住んでいるのだ。

 

 

 

比在住者から見た「ルフィ」事件(3)

 

 

 

(1)はコチラ♡

 

比在住者から見た「ルフィ」事件(1)