観光ガイドもどきの話
海外に住んでいると、日本から客が来て世話するということが必ずある。おそらく無い人はいないだろう。
友人知人だけではなく、友人の友人。友人の親戚。いやいや、現代では SNSで知り合った「対面前」の人たちからだって、そういった依頼は来るものだ。
住んでいる身としては避けることの出来ないことだろう。
今日は、この「観光ガイドもどき」についての話。
わたしの周囲の話
この観光ガイドもどきについてなんだけど、わたしの周囲はお金を貰っているひとはいなかった。(最低限の経費は別)
ただし、だいたいの場合は「日本でお世話になっているから」「頼まれごとをやってくれるから」等ということで、上手い具合にバーターになっている感じもする。
それに、到着後空港送迎と食事程度(半日位)といった感じのことが多く、あまり参考にはならなかった。
プロのガイド
次に、観光ガイドを専業にしているプロフェッショナルの金額を見てみた。これはかなり高い!
マニラに添乗員付で観光に来るという人自体ほとんど聞いたことが無いんだけども(私自身一度しか遭遇したことがない)驚くなかれ一日10万円である。
もちろん参加人数によって割るので、一人当たりそれほどでもないが、会社として利益を上げるには、このくらいはするのだろう。
(化石化してはいるが、「フィリピン魅惑の5日間」なんていうパックツアーは一応存在している)ガイドに渡す金額は2-3万円/日といったところだろうか?
ロコタビ
海外在住者が、空いた時間を使って送迎、ガイドしてあげますよ!というロコタビというサービスがある。金額を見るとメチャクチャ安い!
はっきりいって持ち出しの方が多いんじゃないだろうかという価格設定である。おそらくリピートを見込んでいるんだろう。
サービスの質が保証されていない分、ほとんどタダみたいな価格競争になっている。正直いって、この金額で済むとは思えない設定ばかりである。
正直、これは自己責任としか思えない。提供側としても、暇つぶしや小遣い稼ぎでやっているんじゃないだろうか。
セミプロ
現地在住者の中でも、ガイド慣れしている人たちのことである。この人たちの金額は、一日5000ペソ位が最低相場だろうか。
ほとんどが夜のネオン街関係のガイドなので、旅行会社の訓練された海外ガイドではないにせよ、一通りはこなせる人たちである。現地通なので、細かい要望にも乗ってくれる。
彼らの収入は5000ペソではなくて、夜のお店のキックバック収入(売上の%をキャッシュで貰える)ということになっている。
もちろんそれは悪いことではない。あなたの腹は痛まないんだし、お店も「代理店経由」の客には下手なことはしにくいからだ。
海外パックツアーで「指定お土産屋」に寄るようなものだ。
一体いくらくらいが相場なんだろうか?
まず、この記事を書いている時点での東京都最低賃金は1072円/時 である。つまり日本人が日本で、どんな内容の職種であろうが、8時間働けば435ペソx8時間=3480ペソ稼げる計算となるわけだ。ざっくりいえば、一日3500ペソ以下なら最低賃金以下といえる。それに、観光ガイドというのは、基本、朝から晩までベッタリ付いていることが多いので、8時間と言うのはあり得ない。セミプロの人たちが、一日最低5000ペソ位の基本料金を取っているのは、やはり相場感としてそんなもんなんだろう。
客としては、それに加えて交通費や実費など負担するので、実際の持ち出しはもっと多い(おそらく一万ペソ超えてくる)だろうけど、日本人ガイドが入るというのはマニラでは物凄く心強いことなので、アリといえばアリだろう。一人なら大変かも知れないが、3人くらいで割ればそうでもなくなる。旅行中は財布のヒモも緩むだろうし、どうせなにかにお金を使うなら、同じ日本人に払う方が納得できるという理由付けもある。それに、いざトラブルが起きた時、セミプロは現地コネクションを使って解決してくれることが期待できる。
最低5000ペソくらいが相場?
日本人というのはおかしなものである。カネの為じゃねぇ!とお金を受け取らない人もいるのに、いざお金を出されて少なければ突っぱねるのである。
逆に、ガイドをタダで利用とする客も多い。友人だから、知り合いだから、理解者だから、フォロワーだからといって、在住者の休みを何日も奪っておいて、へとへとになるまでサンチャゴ要塞だの回らせておいて、「お世話になりました!」で終わらせる人も実際何十人も何百人もいるのである。
我思うに、在住者を振り回してガイドさせた観光客は、やはりお金を払うべきだろうと思う。その相場は、最低だいたい5000ペソで、チップで+500くらいが、だいたい妥当な価格だと思うがどうだろうか。それを受け取るかどうかはガイド側の判断にもよるけど、客側としては財布を出すフリくらいはしたほうがいいのではないかとおもう。
自分もゲストを何度となく迎えてきたけど、ガイドってかなり神経を使うものだ。中にはワガママな連中もいる。説教されたことも何十回もある。正直ワリにあうと思えない。
でも引き受けるのはどうしてなのか
素晴らしい出会いもあるからの一言だ。(それに期待してガイドを引き受けるわけだ)次回からは実費でもなんでもいいですよ!という感じの出会いもある。これぞ、海外に住んでいるからこその特権だ。