マニラで賃貸(5)契約前後にやること

賃貸を契約する際、契約書は大家側で準備してある。内容はテンプレに近く、どの入居者にも署名してもらっているようなものだ。
重大事項については別冊/別記となっていることもある。騒音やペットのことは明記してあることが多い。
「午後10時以降はカラオケ禁止」等というコンドの独自ルールだ。
保証金は大家有利となる記載ばかり書いてある。取り戻せないと思った方が気が楽だ。

借主は、契約完了後に、公証を求めることができる。欲しいと言えばタダで出してくれる。
外国人の場合、IDの他にパスポートのコピーを要求されることがある。比人のほうが審査が強い。
保証人は要らない。無職でもなんでも、お金さえ払えば貸してくれることが多い。もちろん人物にもよるだろうが・・

 

契約時は、物件の写真を撮る

契約直前の際は、物件の写真を全部撮影しておこう。なるべく立ち合いがあったほうがいい。写真より動画が良い。
その際に忘れてはいけないことがある。それは水道と電気メーターを撮影しておくことだ。

なぜなら、前の入居者が電気代や水道代を払わずに退去していることが多々あり、その請求が来ることがあるからだ。
「あれ?今月3日しか入居していないのに、こんなに電気代かかったかな?」とトラブルになることがある。
水道も忘れてはいけない。水道管破裂等で、巨額の金額を請求されて支払いきれずに退去という物件もあるのだ。
入居してから『使った、使ってない』等の押し問答になったら、確実にこちらが負ける。

 

鍵を全部交換する

入居時は、鍵を交換してもらおう。ドアノブごと交換することが多い。

引っ越し前に、エアコンやベッドの手配をしておく

エアコン本体を渡しておけば、入居時までに設置しておいてもらえる。窓用エアコンの場合500~1000ペソ。セパレートタイプの場合10,000ペソ以上はする。家具を購入した場合、お店によっては組み立てサービスがあるので活用しても良い。

引っ越し前に家電を受け取ってもらう

引っ越しの際、荷物を受け取ってもらうことができるので、契約の際に聞いてみたほうがいい。

大家の連絡先を聞く

大家の連絡先が分からないということがある。契約時にしっかりと連絡先を交換しておこう。

彼氏や彼女の名前も登録しておく

コンドは、入居する最大人数が契約に明記されている。家族での入居なら人数は問われないが、一般的に単身者の場合4名までと書かれていることが多い。あなた以外に頻繁に出入りする人がいた場合、IDのコピーと共に登録(入居者の欄に書くだけだ)をしてしまうと後で楽だ。
比では物件を共同で借りることには寛容なので、特に何も言われず登録してくれることが多い。無料だ。

出入りしてほしくない人を教えておく

例えば、付き合っていたが分かれてしまった異性、結婚しているが別居している人、金銭トラブルを抱えて会いたくない人、首にしたメイドやドライバ等々、招かざる客はセキュリティに弾いてもらわなければならない。事前に大家に伝えておくこと。もしも来たら「いない」ではなく「入居していない」という回答をすることを伝えておこう。

一番良いのは、全ての客に対して「住んでいない」と言わせることだ。こうしておけば、あなたの連絡先を知っているひとだけが訪問できることになる。外国人相手の誘拐や殺人もある以上、入居時に対策をしてもらうことは何もおかしいことではない。
その上でセキュリティに「今日はネットの業者が来るから、『住んでいない』と言わなくていいよ」と伝えておけばよい。

不審者が、コンドに来たとする。あなたの名前を告げたとしよう。セキュリティが内線をかけて「入れてもいいか?」と確認するということは、あなたが自宅にいるということになる。つまり住んでいることが証明されてしまう。もしもあなたがトラブルを抱えている場合、出てきたところを狙われることになる。

 

前月の水道代と電気代を見せてもらう

前月の公共料金が支払い済みか?確認したほうがいいだろう。見せてもらえるはずだ。

どうしてこんなことをするのかというと、フィリピンでは電気や水道の名義は、いちいち入居者名義に変更などしない。大家や管理会社の名義になっている。だから、料金が支払われていない場合、入居しても電気や水が止まったままの状態の場合があるからだ。個人契約の場合は確認したほうが安心だ。

隣近所の挨拶はよく考えること

両隣くらいに簡単な挨拶をしたほうがいいのだろうか?これは迷うので答えはない。
同じコンドに住んでいる人々とビジネスになったこともあるし、仲良くなったこともあるので、一概にNGとは言えないが、基本はしなくていいだろう。私自身、隣に誰かが入居してきた際も、簡単な挨拶だけでお互い済ませている。近すぎる隣人と仲良くなると、泥棒に入られた際に証拠がなくなる。

ネットの手配は引っ越し前にやる

比のインターネット契約は過酷だ。契約料だっているし、工事日に来るとは限らない。コンドによっては、引ける会社が制限されていることもある。
プロバイダを選べるならラッキーくらいに思わないといけない。選択できない場合も多い。
入居してからインターネットの工事を、指折り数えて待つのは愚かなことだ。契約前、入居前に申し込んでしまおう。