海外ガイドの選び方(2)

(2)である。1はこちら

では、まず海外ガイドの良し悪しについて書こう。良いガイドとは、旅行に行く前から事前に(あなたの)情報を結構聞いてくるものである。

というのは、ガイドをするにあたって、あなたが何をしたいのか?ということを知りたいからだ。

例えばマニラなら、

銃を撃ちたいのか?
カジノに行きたいのか?
オンナを(オトコを)買いたいのか?
観光したいのか?
可哀そうなヒトを救いたいのか?
留学の下見か?
シャブ食いたいのか?
親族訪問か?
youtuberか?
犯罪逃亡か?(笑)

等々、目的によって準備も段取りも変わるからである。それによってオススメも変わるし、ガイドをふやしたりクルマの手配をしたりもする。マニラの場合、ただ遊びに来るというヒトはほとんどおらず、たいてい日本でやれないことをやりたいというヒトが圧倒的に多い。あなたがやれると思っていることでも、現地のガイドは「コレコレ手配しておかないとな」なんて考えていることも多いのだ。noteのフィリピン記事を鵜呑みにしてはならぬ!w

 

ガイドを雇うにしても、事前のリクエストが大事なのだ。出国前の早い段階で「マルマルしたいです」と言ってもらえれば、ガイドも手配しやすいし、アドバイスもやりやすい。ところが現地に着いてからの要望だと、「やってみます」とはなるものの、実現できないこともあるし時間の無駄になることも多い。

「えーーーーっ?マニラプチリタイアで、家探しに来たんですかァ?言ってくださいヨォ~(笑)で、条件は?予算は間取りは?えーっと場所は?!何人ですか?ペットいます?….嫁さんフィリピン人すか?もっと早く言ってくれたらコッチで探しておいたンですけどねぇ…はぁー?不動産投資とかで、3年前に買った、BONI駅前のコンド持ってるから見に行きたい?あーもしかして(ピー)ですか?(なんで知ってんの)ああ、はい分かりました、すいません投資ビザ持ちとかですか?あ、違いますか。あれ、ETC開かないなカードどこだっけ。ああ、ハイアレがリゾートワールドです。えーと両替してからチェックインしてだと、コンド行くのは明日になりますね。え?今から物件見に行く?直行ですか?あーじゃあちょっと待ってください(ガイド、スマホを取り出す)えーと貸してるんですよね?貸してるんですよね?貸してるんですよね?三回言いました。だったら店子の許可ないと見れませんよ。あーそうですか。じゃあ今からBONI行きますね。あ、比のIDってなにをお持ちです?」

—みたいになるんだ。日本からは色んなヒトが来る。それこそ。もう、いろーーーーんなヒトが来るw相談事だって、並みじゃないことが多い。オレオレ詐欺の拠点に行ってカネを取り戻してほしいとか、比人のビジネスパートナーがカネパクしたから実家に突撃したいとか、オンナが若いのと浮気しているけど俺もう結婚したんだよねとか、ガイドとしての範疇を超えた相談ばかりなのがマニラ観光ガイドの仕事だ。(これはマニラとバンコク特有のことらしい)

旅行業のプロのひとは、なに言われても毎日の仕事のことなんで、こう言われたらこうする。こういう要望があったらこういう段取りをする、ああそういうのは警察に言って下さい、私は対処できません。…といったノウハウに基づいて、日々の仕事をこなしている。だから、良いガイドとは、旅行前にある程度の話を聞きたがるものだ。どうしてかというと、到着したあとに追加追加でアレヤレコレヤレ言われても無理だからだ。これについては後述する。

 

良いガイドとは?

これは色々あるが、最低限、ガイドとしての機能を果たす行動を取るひとのことだろう。残念ながら、これをやれる海外ガイドはもういなくなってしまったので、せめてこの記事を読んで一部でも知ってほしい。

1.クルマを使うなら空港近辺で給油するガイドは良いガイドである

空港近くで満タン給油した後、旅の終わりに再度満タン給油するガイドは良いガイドである。何故なら燃費の実費分だけでいいですよ、という証拠だからだ。レンタカーと一緒で、ガイドが車を出したのならガソリンくらいは入れてあげよう。ここで財布を開くのは、雇ったほうのマナーでもある。ガソリン代を請求してこないガイドは、足代として一括請求してくることが多い。まぁそれでもいいのだが、やや割高である。
なお、自家用車を出してきたガイドが自分で運転している場合は報酬上乗せとなる。(それほど高い金額ではない)私の場合は気持ち程度受け取っている。運転手をつけると海外感がグッとあがるが、単純旅行者にとっては出費なだけだ。例え銃を持っている運転手だとしても、俺はあまり勧めない。

 

2.食事を一緒に取らないガイドは良いガイドである

これは知らない人が多いだろうが、プロのガイドは皆そうしている。職業としてガイドをするひとは、日本人客が豪華なメシを食っている間は外で待機したり、弁当持参をするのが当たり前だ。(これは海外の文化でもある)運転手も雇っているなら、客がメシを食っている間、急いでそのへんでメシをかっこむのが当然だ。一緒に入店する場合は、安全に問題のありそうな店の場合だ。(その場合同席はしない)
客に同席を求められても自分の分は自分で出すこと。おごると言われたら一番安いメニューを頼むこと。そしてそのお金は翌日返すこと。ガイドは乞食になってはいけない。客が安全にメシを食い終わるまで気配りするのがガイドの仕事である。一緒になって酔っぱらってどうするのか。

2-1.現地の料理を食べたい!というリクエストは当然ある。この場合、ガイドに解説をしてもらって楽しみたいのだから、ガイドは初めから同席する。この際は下座上座等関係なく、プロのガイドなら店内をぐるっと一周してから、さりげなく、必ず、入り口の見える座席に座るものである。ガイドとしてのプロトコルは色々あるけど、これもそのひとつである。警官が被疑者車両を止めたら必ず車両に触って指紋を残すのと一緒だ。

3.相場としてのガイド料を取るガイドは良いガイドである

ガイドの相場とはなにか。これは以前にも書いたが、労働には対価をもって報おうということだ。(※特にサラリーマンの人は、ヒトにお金を渡して動かした経験が無い為、チップを全く払わないヒトが多い)

ガイド料の相場とは、日本円で、おおよそ最低が10000円/日/8時間 程度であると覚えておけばよい。(1時間延長したらその分払うこと)
もちろん多少は大雑把で良いが、おおよそ最低このくらいは払ってあげること。なお私は1万ならやらない。繰り返すが最低ということだ。なお、プロのガイドは初回は高いがリピーターは安くする設定にしている。初回客が一番ややこしいからだ。

ガイド料とは、

ガイド料本体の報酬+実費となる。もしもガイドが日帰りできない場所に同行させた場合、ホテル代も別にかかる。(フィリピンの場合、比人は払わなくて良い。これはチップに含むものとなっていることが多い)日本人の場合ホテルを取らないとガイドも困ってしまう。これは実費分である。ガイドとは、あなたを案内するだけではなく、安全に気を配ったり、トイレの声掛けをしたり、現地民と交渉したりと、かなり細かいことで心労するものだ。また、思わぬトラブルが大体毎回発生するんだが、それを見事解決してみせる力量も金額に含まれている。
トラブルがないのが一番良いが、あった場合に動ける程度の経験を積んでいるので、何かあった際に対処できるのだから、ガイド料は取るべきだし払うべきだ。またチップについては、おおよそ報酬の10%程度で良い。同じ日本人だからといっても、感覚は海外在住なので、少しははずむこと。印象がまるで違う。

4.ガイドブックに書いてない解説をするのが良いガイドである

いわゆる名所旧跡に行ったら、それはもうガイドは喋りっぱなしになるんだが、ネットに載っていない、小ネタなんかも話せるガイドは良いガイドである。いまどきは、ガイドの喋った内容をAIに質問して、その場で間違いを指摘される時代なのだ。私の場合、「ああ、そのwiki書いたのはワタシです」というのが定番ネタとなっている。ええー!と喜ばれるw

マニラ初めての客は、やはりリサールパークは外せないんだが、わたしは、ここでカレッサ(馬車)(←あまりにもボッタクリが多すぎる、絶対に借りたらアカンと念を押されているのがマニラ観光名所の馬車である)をあえて借りることにしている。あれって通常料金だと、凄くウケがいいんよね。馬車でイントラムロスをきままに一周するのは情緒がある。
私は貸し切りで、だいたい500P~800Pくらいで借りている。四人で割ったら、たかが200P以下だ。「カレッサに乗るヤツはバカ」というのは住んでいるひとの言い分。観光だったら、スペイン気分で乗ってしまおう。大うけだ。(※この程度交渉できないひとはガイドに向いてません)

実費部分をメモしているガイドは良いガイドである

この実費部分をドンブリ勘定するガイドはダメガイドである。(これについては良い方法があるんだがここには書かない)

なにしろ海外となると通貨単位も違うので、感覚も狂ってくる。私の住んでいるフィリピンの場合ペソなんだが、円じゃないので観光客は大雑把だ。細かいお金はガイドが立て替えることもよくある。特に初日の両替前は、全額ガイドが立て替えるわけだし。

こういうお金は、本来解散したあとにガイドが計算をして紙に書いて、客からサインをしてもらって、間違いのないようにする等しなければならないのだが、ダメガイドはざっくりである。ザックリガイドは仕事もザックリであると心得よ。
細かいようだが、高速代なんかは比でもETCで落ちるので、後部座席に座っていればお金が発生したことすら気づかないだろう。でもそれは実費なんだから、ガイド料とは別に精算したほうがいい。一番いいのは、記憶が新しいうちに、翌朝毎日実費分を精算してしまうことだ。

手抜きをするのも良いガイドである

実は、ガイドというのは死ぬほど疲れる。案内されるほうはいいが、するほうは大変だ。主に気疲れだ。客はなにをするかわかんないし、子供がオッシコとか言ったらどうするかとか、そういうことをずーっと考えてなきゃいけないからだ。

だから、ガイドは自分が休むための日程を挟んでくることがある。(例えば水族館とか)これはガイドの疲れを取るためのコースなんで、客のほうもちょっと忖度してもらいたい。動物園でもいいよね。海外の動物園とか行ったことないっしょ?

 

きもちよく酔っぱらったんで、もう字がかけましぇん。続きは次回な

次回は海外ガイドを雇うコツについて書きます。(3)ね
次次回は、どうしてこんなに海外ガイドが疲れるのかについて書きます(4)ね