フィリピンで動物に咬まれたらどうなるか(2)

今日病院に行ったら、2週間の経過観察を行うことを条件に、一応完治ということになった(パチパチパチ)

全治一か月とか言っていたのだが、予後が良くて、8日で治ったことになる(笑)それでも8日は長かったけども。

今、左手。握力ゼロ。
だけど、キーボード操作は支障なく打てる。お皿洗いが少し大変。重いモノはまだ持てない。触れば痛みはあるが、日常生活には問題ない、といったところか。ドラえもんの手から人間の手に戻った。見て分かるほど良くなった。本当にご心配おかけしました。病院のお墨付きも得たので、明日から日常に戻れます。ありがとうございました(ぺこり)

結局、通院中、2本づつ注射したので、合計23回注射をしたことになった。いやー凄いね。

今回の狂犬病ワクチンの有効期限は3年ということであった(だいたい3-5年程度は効くらしい。病院だから一番短く3年と言ったのであろう)

ただし、期限内でも咬まれた場合、まーた3回追加で打つと言っていた。どうやらフィリピンでは、動物に咬まれたらとにかく当日3回必ず打つようだ。

かかった費用は13500+650+1700+1700+1700=19250ペソ。ま、2万ペソといったところ。ちょうど5万円くらい。
—5万円。まぁ妥当な金額だとおもう。なにしろドクターへの支払い、ベッド代がゼロだったのが大きい。(レシートを見ると実費しか請求されてない)

動物咬傷において、フィリピンの病院は治療第一の方針を取ってくれていることを知った。ありがとうフィリピン。ありがとうボロボロ病院。

抗生物質

前回書き忘れていたので、服用した抗生物質についても書こう

アモキシシリン・クラブラン  細菌感染 490ペソ
メフェナム酸 抗炎症 150ペソ

シンプルに二種類だった。このアモキシシリンの集中投与は劇的に効いた。バカでかい錠剤、650mを一日三回。腫れがみるみるひいた。
ホンマ抗生物質様様やで。
メフェナム酸は3日分しか処方されなかったが、5日分くらいあっても良さげだった。でもガマンできる範囲内だったと思う。通院一回目の時ドクターいなかったし、快方にむかっていたので追加処方のリクエストはしなかった。

痛み止めの錠剤は注射で打たれまくったので無しだったwが、あってもよいとおもう。なんせ3日は絶望的に痛い!
(今回打った痛み止めは8時間くらいしか効かないものだった)もしも注射後、翌日も痛い場合、遠慮なく病院にいって、昨日の注射もう一回やってくれと言うべきだろう。ケトロラックは打ちまくっても175ペソしかしない。絶対打って貰ったほうがいい!それか処方時にリクエストしてもいいだろう。多分もらえる。

フィリピン旅行者で動物に咬まれた場合

滞在延長 10日は欲しい
費用最低5万円~ +ホテル延泊
位を見積もっておけばいいだろう。
大型犬等に咬まれた場合はもう少しかかるだろう。

ワクチンは定着させなければ意味がないので、どうしても8日滞在は必須。これは最低ラインであろう。
繰り返すが狂犬病は発病したら100%死ぬ都合上、上記までの現地治療は必須である。(※日本では狂犬病治療のノウハウも薬もない。フィリピンで治療したほうがよい。強く現地治療を推奨する)こちらの医師のほうが、狂犬病についての知識は豊富だとおもう。いくら仕事があっても、治療中断して帰国することは考えないほうがいいとおもう。

私が咬まれた場合はこうだった

当日3本(6回接種)EQUIRABという急速投与狂犬病ワクチン (一本2500ペソ。コレを容赦なく3本打ち)
三日後1本(2回接種(両腕))
七日後1本(2回接種(両腕))計10本打った。

ここまで終わって、咬んだ動物が健康の場合だったら帰国していいと思う(あとは日本の病院でも対処できるとおもう)

 

外務省の発表によると

狂犬病ワクチンを接種する場合は、初回接種後、30日目、6~12か月後の計3回接種します。

このように書いてあるが、わたしの場合すでに咬まれているので、間隔を開けずに打ったようだ。難しくいえば曝露後予防接種というらしい。

わたしの注射手帳によると、WHOカテゴリ3(高い危険性)と書いてある。ただちにワクチン投与ということなんだが、咬んだ動物が健康であり、かつコウモリでない場合、緊急投与は中止していいらしい。今回は中止してよいということだった。

ところで厚労省検疫所の話によると

狂犬病のリスクの無い国って、日本くらいしか無い。(フィリピンは残念ながらレッドアラートの国だ)
こういう予防接種系って、ついつい後回しにしてしまいがちなんだけども、今回を契機に、わたし残りの予防接種も受けようかなと思ってます

ほんじゃ、残りはどうなんのと言うことで調べてみた

破傷風:先週ついでに打たれた。クリア

A型肝炎:10年くらい前に打ったが、もう一回打ってもいいかも…

B型肝炎:10年くらい前に打ったが、もう一回打ってもいいかも…

狂犬病:今日打った

日本脳炎:切れてる…打ったほうがいい…

ポリオ(急性灰白髄炎):フィリピンは対象外

黄熱:フィリピンは対象外だが打ったことはない

ジフテリア:切れてるが、まぁ大丈夫やろ

麻しん:切れてるが、まぁ大丈夫やろ

風しん:切れてるが、まぁ大丈夫やろ

髄膜炎菌感染症:切れてるが、まぁ大丈夫やろ

新型コロナウイルス:打った

改めて見直してみると、切れてるワクチン結構あった。よし決めた。もう、ついでだ。今年はワクチン打ちまくります!

子供のころの予防接種系は、ひとまず後回しにするとして、えーい!もうこうなったら善は急げだ。フィリピンでリスクのある予防接種系は全部打つ!

 

 

以下は帰国後発症しちゃったひとの例:怖いンゴ…こうなる前に絶対フィリピンでワクチンな!

患者概要 年代:30代

性別:男性

居住地:豊橋市外

主症状:疼痛、不穏、発熱、恐水発作、異常興奮

咬傷歴:令和元年9月頃(フィリピンにて左足首を犬に咬まれるも受診なし

経過 5月11日(月)足首の痛みあり。

5月13日(水)恐水症状、食欲不振、腰痛あり。

5月14日(木)腹痛、嘔吐あり。

5月18日(月)知人が自動車で自宅に迎えに行き、豊橋市内の医療機関を受診。ICUへ入院。

5月19日(火)検体採取し、国立感染症研究所へ検査を依頼。

5月22日(金) 国立感染症研究所から「PCR検査の結果、狂犬病ウイルス遺伝子が検出された。また、塩基配列を決定した結果、フィリピンで流行しているウイルス配列と非常に高い相同性を示した。」と連絡を受理。豊橋市内医療機関の医師から感染症発生届受理。

6月13日(土)入院先の医療機関にて死亡

感染経路 フィリピンで狂犬病に感染した犬に咬まれたことにより、狂犬病に感染したと推定。

 

 症例:30代, 男性

主訴:発熱, 異常行動

現病歴:フィリピンからの来日3カ月後に両足首の痛みを訴え, 発症2日後には腰痛も出現したため, 鎮痛剤の内服により経過をみた。翌日には幻覚が出現した。水が怖いという訴えはあったが, 水分補給や食事はわずかながらできていた。4日後, 夜中に妻を探し回るという異常行動が出現, その翌日には歩行が困難となり7日後に当院を受診した。介助なしでは歩けなくなり, 落ち着きがない, 会話の辻褄が合わないなどの異常行動が認められた。発熱も認められたため, 意識障害の精査・治療目的で入院となった。

入院18日目には心拍数の低下と血圧の変動を繰り返し, 入院27日目に永眠した。

 

重要な注釈
この記事はわたしの体験談を基に書かれましたが、あなたが本当にフィリピンで動物に咬まれた場合はこの記事を参考にせず、現地での医師の判断に従ってください。私は医者じゃありません