中国人が外免切替で日本免許を取りまくっているのは本当なのか?

最近日本で「中国人が外免切替で、日本免許を取りまくっている!」というのが話題だ。参考はこちらマジだったらけしからん話だ。

でも、こういった記事を書いているひとは、本当に、調子こいてる在日中国人に取材しているんだろうか?ということで、今日は外免切替の話。

外免切替で行列が出来るのは当然!

どうも日本の人は「俺らが自動車学校通って、ようやく取った日本免許資格を、中国人が簡単に取りまくりやがってボゲがぁ!!」と思っているようなんよね。記事はモロそんな感じである。それはその通りなんだけども、ニュースとはちょっと違う。アレは外免切替の行列と、受け取れた外人の話を切り取って書いているだけだ。(言っておくが俺は中国人の肩を持っているわけじゃないかんね)

だって外免切替というのは、基本的に外人にメチャクチャ厳しいんだ。

「アッ外免切替ですねーじゃあ免許お渡ししますねーハイ次の中国人ー♪」なんてこと、日本の警察が するわけないじゃん。だったらみんな海外旅行いって外免切替するわ!

あれって、東京・大阪・愛知等、大きな試験場でも、一日当たり突破できるのは数人という狭き門なのだ。これを知らない人が多い。わたしは、日本全国の外免切替試験場に、数か所実際行ったことがあるし、立ち合いもしたことがあるし、通訳経験もある。自分自身も外免切替者だ。このあたりを説明しよう。

まず、なんといっても窓口が少ない。日本人の単純更新と違って、外免切替申請なんてのはひとつか、せいぜいふたつまでしかない。

次に、受付時間が超短い。(午前中の数時間しかない)

そして最後に、ひとりひとりの審査がクソ長いのだ。受け付けてもらえる人自体、数が少ないのだ。

だから、ようやく窓口にたどり着いた外人が審査落ちすると、揉めること揉めること。ウンというまで動かないので、次の人に順番が回ってこない。

ブチ切れまくる外人!修羅場の切替現場

外免切替の窓口というのは、もう毎日が修羅場であろう。中国人なんかフツーに怒鳴り散らしているかんね。イヤイヤ期の子供もドン引きするような奴らが並んでいるんだかんね。応対している係員さん毎日ご苦労様である。

なにしろ色んな国のヤツらが、テキトーな書類持って、日本の免許ゲットだぜ!と、企んで来るので、まぁまぁヒドイもんである。

そしてまた、警察官の応対も、負けないくらい酷いモンであるw いいぞもっとやれと言いたくなるのが外免切替の現場なのだ。

まず、外免切替の窓口では、英語その他一切の言語は通じない。というよりも、外国語を話した時点で追い返される勢いである。
外免切替において、警察官への受け答えは、全部日本語一本。それ以外は一切認められていない。一切!(※エリート外人や特定免許を除く)

これはハッキリと外免切替窓口にデカデカと、しつこく書いてある。外国語話しても警察は分かんないから日本語喋れと、おそらくどの都道府県でも明示してある。(と思う。全都道府県の外免切替窓口回った訳じゃないから断定はしないがな)世界中の人が来るんだからそうなるわな。

そうすると中国人やパキスタン人は、翻訳アプリを取り出したり、誰か日本語の話せるヤツに電話を掛けたりして、なんとか意思疎通を図ろうとするんだが、日本の警察は、スマホを突き返すのだ(笑)そりゃそうだよな。

そんでまた外人は窓口に端末を突き出すんだよなw

コレ日本語でしょ分かるでしょアナタ!みたいなことを言っている。警察は当然取り合わない。飲み会お会計時の伝票のごとく、外免切替の窓口ではスマホの押し引きが繰り返されている。

ああ、スピーカーから聞こえてくる声の主こそ災難である。

—この漫才やり取り。今日も明日もやってるんだろうな。ひとりひとりとんでもない時間がかかるわけだ。

行列の次のヤツもさぁ。ちょっとは学習したらいいのに、まーた同じことやってンだよな。笑える。

 

そんで面白いのが、親方日の丸は「コイツは外免切替に落ちた、こういう窓口対応だった」という履歴を残すんよな。

これはもう流石日本の警察だと思うよ。その情報は一瞬で全国の試験場に共有される。日本の恐ろしいところ。こういうとこやぞって感じである。

一般に海外の役所では「アソコはダメだけどコッチは通った」みたいなことが非常に多い。だからこそ、日本警察の「ウチで落としました」という情報共有は恐ろしい。何故そこまでベストを尽くしてしまうのかw 日本では当たり前のことなのかも知れないが、外人はそんなこと知らないかんね。

(外免切替というのは基本的に一発勝負と呼ばれており、一度落ちたヤツの再審査は無いと言われているほど鬼のように厳しい。ただし日本なんで!(笑)窓口対応は行うw だから、どーせもう一生貰えないのに、必死こいて延々と並ぶヤツが絶えないのだ)

記事にある、あの「外免切替行列」というのは、中国人が免許を取りまくっている前段階の、免許センターの外免切替審査の行列なのである。ここがポイントなのだ。

あの行列のヤツらが、ロクな交通ルールも知らないのにサクっと免許貰って、日本の一時停止を無視して小学生をひき殺しているイメージがあるんだろうが、少し違う。彼らは貰えない可能性の高い免許を、ワンチャン狙っているだけの人々である。現実には、あの行列の半分以上は窓口にたどり着けないし、審査を受けたとしても落ちるヤツばかりなのだ。そして、どんなに頑張っても免許貰えないヤツが、その理由がわかんないから、まーた窓口に並んでスマホを突き出しているのである。前回ダメだったのに、どうして今日は通ると思うのか?(笑)と思ってはいけない。外人の考えというのはそういうものである。

それでも一日あたり数人は審査に受かるので、中には不良外人も混ざることもあるだろう。しかし大抵は審査段階で落ちるのだ。

じゃあ外免切替成功ってなんなのよ

これはステータスによるのだ。同じ書類であっても、日本の警察(正確には公安委員会が発行するんだけども)は、はっきりいってステータスによって取り扱いを変えている。

外免切替突破が一番緩いひとは1.である。以下がランク。

1.日本人であり、当然日本語の質問には完全に受け答えできる人であって、過去日本において免許を受けた履歴があり、その履歴に免停以上の重大事故がなく、かつやむを得ない事情のある人

これが最強。簡単な面接のみ。なんなら免許失効後5年過ぎても貰えます。試験さえありません。視力検査と、何故か違反者講習と、講習後形式的取調はありますが、基本貰えます。

2.日本人であり、当然日本語の質問には完全に受け答えできる人であって、過去日本において免許を受けた経験がなく、数か月の海外滞在において海外免許の切り替えを申請している人

これは鬼面接の対象。海外のどこの試験場でどんなことをして、どういう受け答えをしてどんな試験問題が出たか、までしっかり聞かれる。ここでひとつでも嘘を付けばバレると言われている。

3.外国人であり、ジュネーブ条約の対象者であり、まともな国が発行した免許

法理論的には切り替えられる。特定の国の免許は、2に準ずる扱いで切り替えることができる。日本語の受け答えができない場合でも考慮される。また、日本人と結婚している外人は4の扱いとなるものの、書類の受付まではスンナリいける。(3.のひとは当日身なりに気を付け、職業も進んでいいましょう。心証が良くなりますw)切替可能性大だが日本語能力がない人が多いので通訳つれていくのが無難

4.単に日本の免許が欲しいという感じの後進国・途上国のどうでもいい外人(ニュース記事はこの人らの話)

一回目の提出
・全てホンモノの書類であって
・警察官の面接に日本語で受け答えできて(もしくは通訳同行。片言の日本語程度ではダメ。最低日本語検定N2以上レベル(←壁に貼ってある試験場もある))
・言っていることが全て真実性があり、現場の警察官が認めた者

は、貰える。つまりほとんど全員撃沈となる。わたしが実際切り替えたときなんかも列があったんだけど、合格したのは三人。
つまりあの行列のひとって、当日全員免許貰えるわけじゃないんよね。

ここから余談

え、じゃあ俺の切替どうすんの?俺不良中国人じゃないんだけど?

これほどまで行列ができると、日本人の外免切替にも滞りが出てくる。しかし心配いらない。警察だって分かっている。
単純に、免許センターに事前に連絡を入れておけばよい。わたしはこの方法で、行列に並ぶこともなく、なんなく面接までいけた。

俺らは日本語話せる話せないとかいう話じゃないので、先に相談窓口に連絡をしておいて、飛行機の事情を話しておけばよい。外免切替というが、日本人と外人との取り扱いは違う。だって日本人は外人じゃない。試験場にもよるだろうが、日時指定で窓口にいけることがある。なんでもやってみることだ。俺はそれでイケたんだから。

なお、一日潰す時間があれば、直接免許センターに行き、対面で予約を取ることもできるところがある。日本人優遇とは言いたくないが、少なくとも朝っぱらから外人行列の最後尾に並ぶ必要は無い試験場もあるので、まず問い合わせすることを強くお勧めする。(不備の書類などの心配事も教えてくれる)

—日本では、なんでも根回しだろ?久々に根回ししようぜ?!
日本の警察は、うっかり500ペソ渡す必要はない。根回しと段取りと口約束は大いに通じる夢のような国であることを思い出して欲しい。日本人の外免切替は免許センターにアレコレ事前連絡したほうがいい。特に書類不備の場合、再出国して書類を揃えることが認められるので絶対にしたほうがいい。(相談無しに帰国・出国履歴が付くと受付してもらえないことがある為、相談と軽く考えてはならない。窓口で書類不備を指摘されて「じゃあ書類を取りにいった場合」は受け付けてもらえる。日本人の場合、書類をきちんとするより免許センターに相談することが何より大事。出入国を繰り返しているひとは普通に免許失効してしまい救済がないからだ)

あ、脱線した。

 

余談終わり

話を戻すと、

外免切替の、外人の取り扱いは酷いものなのである

大阪で同行したことがあったんだが、ちょっと衝撃を受けるほど凄かった。おそらく、あの行列で、受付を突破できた外人は4人くらいじゃないかな。警官のほうも、なるべく受け付けたくないオーラがプンプンに漂っている感じだった。

だって、しつこくナン十分もゴネているヤツがいたら「アンタはもうダメ。ハイ次の人!」ってするじゃん。

ところが大阪の場合、ゴネてるヤツの話を延々聞いていたんよねw もう、俺から見ても、ワザと時間使っているようにしか見えなかった。後ろは見えないほどの列なんよ?

で。締切時間となった瞬間に「受付時間は終了致しました」というプラスチックの案内板を置いて、マジで終了しちゃったんよ。次に並んでいたヤツは、ハイまた明日なんよ。だから、毎日通うヤツも沢山いるんで、結果とんでもない行列が出来上がるわけだ。ニュース記事はそこを切り取っている恣意的なベクトルがあると思うんよねー

ホテルの住所や試験が問題ではないのだ

警察は、外免切替において、ホテルや試験を問題としていないとおもう。日本人だってホテルを居場所として書類出す奴なんていっぱいいる。
外国人の試験はマルバツだけ!と言うが、建前上、すでに免許を受けている者として取り扱われるので仕方ない部分もある。

そうではなく、実は外免切替というのは、切替許可を貰う事前審査のハードルがとんでもなく高いので、そもそも試験までいける外人は少ないのだ。

だって相手は日本の警察である。母国じゃ通ったかも知れないが、日本の警察に適当な嘘を付いて免許取ることは不可能だ。(フィリピン免許の場合でも、LTOとはしっかり情報交換をしているので、買った免許の切替はハードルが高いと思っていい)

外免切替で重要なことは、

1.日本語能力
2.正式な書類
3.正式な免許を取ったという真実性

この三点だ。この三点がしっかりしていれば、日本と条約を結んでいる国なら切り替えられるし、切り替えていい。フィリピン免許だって、特に3がしっかり説明できるなら切り替えることは出来る。俺らの国と相手の国とで条約結んでいるんだから、突破する外人がいていい。ルール違反じゃないんだから。

でも日本の皆さんにお伝えしたいこととして、知っての通り日本の公安委員会は甘くない。繰り返すが、3でほとんど引っかかるので1.2をクリアしても日本の免許は簡単には貰えないのだ。

外国人において。特に中国人においては、日本の免許は欲しくてたまらないステータスだ。でも、ウチの警察はそんなに甘くない。
外免切替の苦労話は10年も前から散々聞かされている。結局出すのは日本の警察だ。

日本の警察は、訳の分からない外国人にバンバン免許発行していない。よく分からない事前審査があるので、完璧な書類と日本語能力が最低限絶対みたいな世界の上に、日本免許は発行されている。

前述した通り、外免切替やったったw→サクっと貰えるのは「日本人であり、当然日本語の質問には完全に受け答えできる人であって、過去日本において免許を受けた履歴があり、その履歴に免停以上の重大事故がなく、かつやむを得ない事情のある人」だけである。

 

※フィリピン人嫁の外免切替についてはまた別です。長くなるので、いつかまた日を改めて書きます