台風への備えと対処の巻:フィリピン生活
これを書いている今日現在。フィリピンはプチ大きめの台風がブチ当たっている。正直いって、いつ停電になるかも知れないという中でこれを書いている。今宵は帰国した初日の日本のように、静けさが煩いくらいだ。助けて自衛隊!
ワイと懇意にしていただいている読者様からも、なかなかにヤベェ水没系動画や写真をいただいている。何故わたしに送ってくるんだろうかw まぁ災害の時ってヒマだからなw
さて。わたしのほうは心配ない。事件といえば、今日届く荷物配達が「道が冠水したから帰る」と言って帰ってしまった。写真が送られてきてビックリ。近所の幹線道路はプールになっているのであった(笑)どうやらウチはちょっと高いらしく、道が濡れているだけだけど。
というわけで、今日明日は役に立つであろう知識を、思いつくまま書いてみる事にしよう。
備え
まずは水である。特にコンドに住んでいるひとは、なには無くとも水だけは絶対に確保したほうがいい。
日本の場合、災害現場での水は、第一に確保してくれるので良いのだが。フィリピンの場合は全く期待できない。というか比で災害に遭ったら、「自分でなんとかしろ」である。一切救援は無いと思って行動したほうがいい。来たらラッキーだけど、人口だけは多いこの国で、あなためがけて都合よく来るわけない。死んだら外人が死にましたで終わりだ。
で。まず水なんだが。我先にコンビニ往復して買ってほしい。独占禁止法違反だろwというくらい買ってしまっていい。もしも無駄になったとしても、なにしろ飲料水なんだから全く問題ない。あとで飲めばいいだけだ。それに、たかが水である。それほど高額な出費でもない。フィリピンでは、デカイ災害時でも、初期のうちなら水を売っているコンビニが非常に多い。だから迷わずアルファマートやセブンに走ってほしい。
電気があるうちに!でっかいペットボトルの水を「ちょっともう買いすぎなんじゃないかいくらなんでも」というくらい買っておいていい。杞憂だったらそれでいいが、長期戦となると水は大変重要なものとなるからだ。
コンドミニアムの水というのは、ポンプで水を屋上にあげている。その動力は電気である。
ある程度のカネを払っているコンドなら自家発電装置があるにはあるが、正直言って期待度58.4%くらいだ。
自家発電に切り替わると、コンドのエレベーターは一基しか動かなくなることがほとんどであり、大大大渋滞を巻き起こす。どうしてかというと、プールの水を汲んで生活用水にするからだ。何百世帯の水を一基のエレベーターで運ぶんだから、ほとんど無理筋である。でもいいのだ。時間だけはあるんだから。何時間待っても、エレベーター動いていてくれてありがとう。普段から高い家賃払っておいて良かったという感謝の心である。
でもまぁデカイ世帯数のコンドなんて悲惨やでー(笑)非常用電源の電気が欲しくても共用部しか通電しない。逆にいうと、アカリ取りの電気は自家発電している。
から!慣れてる住人は50mくらいのコンセント備えてて。冷蔵庫動かしたりエアコン動かしてるかんね。それを我先にナンジュウ世帯もやってっから、エレベーターや最低限のアカリが突然バッツーンと落ちる。そりゃそうなるわな。
当然メンテナンスもいないから、頼みの綱の電源オチたらどうなるか。ハイ階段w これがまたどこのコンドでも、大型台風が来た時は繰り返している風物詩。それがイヤなら、もっと高いコンドに住むしかない。現住のコンドに文句いってどうなる?我先に電気が欲しいヤツに文句いってどうなる?「ハイそうですかすいません」と止めるわきゃねぇだろ?
日本では「プール付きのマンション!」と、フィリピンの事情を知らない人はうらやましがるが、実はコンドのプールというのは台風の時の貯水槽のようなもの。特にこのような台風等の災害時、停電したら水が無くなる。ので!必要があって設置されているのだ(笑)
実際、プールの水さえあれば、何百世帯のコンドであっても。ひとまず生活用水はしのげる。プールの水は貯水槽という理解がもっとも正しい–
だから!マニラでは高層階は人気がなく、低層階のほうがお値段高めなのである。自家発電の、クッソ遅いエレベーターでも、あるだけマシと思わなければならない。どーせ台風停電クラスになったら、電気もないネットもない。やることないんだから水汲みにいくしかない・・・え?階段で?(笑)そうなります。そうなるよね。ちょっと想像力を働かせたらわかる。
もしもエレベーターが動かなくなったらどうなるか?バケツで何十階まで運びますか?そうなるのである。いやマジで。
そんでもって、水の重量をナメてはいけない。ようやく運んだ水だとしても、家族がいたら?女子供はアッというまに費消する。すると誰がもう一度汲みに行くのか?うん。そういうことになる。
拳法漫画の修行編じゃないんだからさぁ・・・・ということになってしまうのだ。
というわけで、プール付きのコンドというのは、防災の観点からみるとアリなのであった。
田舎の場合
もしもあなたがフィリピンの田舎に(というよりマニラ以外全部の州)住んでいる場合、できればジェネレータ(家庭用発電機)があったらいい。比の田舎で災害に遭う度に思うのが「ああ、お隣さんの家はジェネレータあるなぁ!」と、心底うらやましくなるからだ。
太陽光等各種グッズがあったとしても、ジェネレータには叶わない。特に水害で閉じ込められた場合、メチャクチャうらやましくなる。
普段使わない=無駄遣いと思うだろうが、田舎住の人なら、安くてもいいから一基持っているだけで心の平安につながる。現代社会で電気がないのは無理である。特に家族持ちの田舎のひとは、なにかと便利なジェネレータは、保険のように買っておいていいアイテムだとおもう。買えない場合でも、マストアイテムとして「太陽光パネルとラジオ」はあったほうがいい。(比のどこでも売っている)水に囲まれて動けなくなると一切の娯楽が無くなる為、音でもないと孤独で仕方がなくなるからだ。なお災害時の情報源としては、フィリピンのラジオは役に立たない。あくまで娯楽としてである。(貧乏くさい手回しラジオでも、グリップ発電の懐中電灯でも、あったほうがいいぞ!無いと本当に避難先で、やることがないかんな!)食い物は、缶詰でもなんでも補給はあるし、自分で自衛するものだ。水も引いてこれば動けるようにもなる。
ウッカリ水没地域に住んでいる場合
もう遅いかも知れないが、とにかく車にパソコン等、濡れてはいけないものを満載して、高台に置いておくことだ。高台がどこか知らない場合近所のひとに聞けばいい。洪水避難用の場所がだいたいあるので、近所の車の疎開先を教えてくれる。これを決断するのは、早いほどよい。何故なら、疎開先からの帰りは当然徒歩やトライシクルとなるからだ。
まさかそこまで水没しないでしょwとか思ってはいけない。アッヤバイと思ったころには、水位がグングン増して、もう車どころではなくなる。
車のタイヤのホイールの、1/3を超えてきたら「遅すぎ」である。1/2になったら、もう動かせなくなる。近所の道が川になってから、どうやって高台まで避難させるというのだろう。(台風慣れしたらわかるが、イイ恰好をして、比で高級車に乗る理由がないんである(笑)水没してもいい、100万円ちょっと位の車が大正解なのだ。普段使いでも、どーせバイクのすり抜けで側面ボロボロになるんだからw)
というわけで、このくらいの水位になってくると、もう床下浸水くらいは覚悟しなければならない。土嚢があれば最も良いが、そんなものは当然ないので、田舎では二階があるかどうかというのは重要になってくる。パソコン、バイク、テレビといったものを、二階に上げられないと、為すがまま諦めるしかなくなる。もしも二階が無い場合、隣近所の「二階モチの人」に頼み込むことだ。恥ずかしいじゃない。言ってみることだ。重いものもあるだろう。人手だっている。若いニーチャンやタンバイも隣近所にはいるだろう。言い方は悪いが、カネのチカラを使ってもいい。災害時の助け合いは、ワリと人類共通のことだし、あとでウマイメシでもおごればいい。俺なんかクソ重い防火金庫を階段で四階まで上げてもらったことあるかんねw 彼らにしてみれば稼ぎ時。外人を助けてカネを貰う。俺らだって貴重品は逃がしたい。300㌷くらいでやってくれる。どうせ停電で、この何日か暇なんだ。もしも大型台風だったら、こんな感覚でちょうどいい。(今回は大型じゃないけどな)
移動は早い方がいい
フィリピンでデカい台風がブチ当たると、基本、水が引くまで閉じ込められる。それこそ一週間でも十日でも閉じ込められる。だって水没してんだから。水が引いたところから、徐々に復旧していくわけでしょ?もしもあなたが不運な場所にいたら、本当に長期戦を覚悟しなければならない。救援なんて来ないんだからな!(ナン週間レベルになると、死なない程度の援助があるかもしれない)フィリピンの台風は、資産は失うが、とにかくよっぽど死にはしない。が、かなり辛い。水の災害なので、アホみたいに蚊も湧くしな。これは経験しないと絶対に分からない。だから、動けるうちに決断することが水の災害では何より大事なのだ。
とにかく、もしかしたらヤバいかも?と思う前に、水があるほうに、電気があるほうに逃げた方がいい。これが基本である。
いちど閉じ込められたら、ハイオシマイなのだ。名指しは控えるが、特にカビテ州。さすがに地名までは差し控えるがバコール以南である。このあたりは『絶対押すなよ!』という熱湯風呂コントのようなもので、毎年必ず水没する。逆に考えると、バコールが水没しなかったら、その台風は大したことがないと思っていい。
とにかく水没してしまうと、そのあとがツライ。その間、エアコンも電気も無し!!である。湿度100%みたいなところで、蚊が何百匹も湧いてコンバンワしてくるのだ。それも水が引くまで永遠に!(※食い物は大体なんとかなる)洪水台風中の蚊柱襲撃は、フリーザ戦闘力53万くらいの絶望がある。
海外でこんな経験しました的な?
俺ちょっと武勇伝作っちゃいました?的な?
フィリピンの水害直撃して絶望なんですけど、みたいな?
そういうノリは、おそらく二日目で無くなる。水害二日目から五日目で、完全に絶望する。日中はやることないし、日が暮れたら真っ暗で不安になるので、言葉は悪いが正直に書くと夜はアッチコッチでウッフーンなんだよな(略)しょうがねぇだろみたいなノリ。何日かした洪水の夜なんかは、そこらかしこで夜はやりまくっているのであった(※災害後に出生率があがるというのは統計的にも証明されてるんよな)
実際しょうがないんだよな。災害時って動物本能になるから周りも見てるだけ。充電も無いから撮影もされない。まぁだいたいそっから水は引いていくので、これまた平常時に戻ったら、日曜バランガイのテント飲み会でネタにされまくるんだけども、若いんならいいわなぁ。同意の上なんだし。日本も時々停電になったほうがいいんじゃねぇか?(笑)こういう仕方ない暇つぶしから、愛が芽生えることもあるw
災害の時って、警察等の治安も機能しないけど、それより恐ろしい「住民自治」がある。こっちのほうが怖い。(災害時に悪いことしたらサクっと簡単に殺される。男衆に両腕で水面付けられたらオシマイだ)フィリピンはそれが顕著なんで…ワリと愛の告白とかアリガチなんよね。急にロマンティックな話になるけどもw 死ぬかもしれない。じゃあ言っちゃおう!みたいなね。吊り橋効果で、女のほうもマンザラでもないし、キリスト教での洪水ってのは世界の終わりという教義も重なって、もう衆人環視で屋根の上で拍手喝采みたいなね。
もしかしたらフィリピン田舎の大洪水。一度は経験したほうが面白いのかもしれない。経験者は二度とやりたくないと言うだろうけど。
救援もこない。スマホも水没か電池切れ。屋根ン上で膝かかえてる。どーすンよこれ?みたいなことになってくるのが大体三日目だ。『どうやら水が引かないぞ』という空気になってくるのが三日目である。もちろん救援なんか来ないし、深夜ラジオでは「メチャクチャ暗い人生相談」しかやってない。
脱線するけど、フィリピンの深夜ラジオの人生相談って、なんであんなに救いがないんだろうな?(笑)
とまあ、それこそ、ヒマだけはあるので、手回し発電ラジオみたいなのを、みんなでグルグル回して踊って床で寝る、みたいなことを繰り返すわけだ。いやこれもう無理だろ。というわけで避難したほうがいいよ。避難できるうちに。田舎の水没地域の人はマジでそうしたほうがいい。
マニラの場合、避難先として有望なのはサヌアン・ケソンあたりだ。水没しないし電気も水もあることが多い。このあたりのホテルに避難してしまったほうが圧倒的に楽である。マニラ慣れしている外人の考えることはみんな同じなので、あまり値段は考えず(できれば1500Pくらいがベストである)冷蔵庫くらいはあるような文化的最低限度の生活を送れる部屋を借りてしまうことだ。マニラ湾の夕日が毎日見れるコンドミニアム高層階なんて、停電して台風ブチあたったら、ただの難民である。
電気
停電については運としかいいようがない。いつも言っているが、停電して3時間すぎて復旧しなかったら半日復旧しない。半日復旧しなかったら当分復旧しない。自宅がどうなっているかについては、必ずコチラを見て欲しい。近所で停電しまくっているようであれば、あなたはラッキーだけど時間の問題でもあるだろう。マニラに近いほど復旧は早く、遠いほど遅い。台風の場合は時間単位ではなく日単位で考えた方がいいので、田舎の場合は家を捨てられるなら捨てて、マニラに近いホテルに移動したほうがいい。
基本的考え方としては、少しでもマニラに近づく方が復旧は早い。ネットも早くなってくる。それが出来ない場合は「幹線道路沿い」のホテルが早いと覚えておこう。ホテルは自家発電のあるホテルを選ぶこと。カネ払って部屋取ってしまおう。勿体ない等と言ってはいけない。カネを今使わないで、いつ使うのか?移動できるうちに移動しておかないと、水が来てからでは遅いのだ。
洪水+停電のダブルパンチの場合、移動すらままらないので、これはもう諦めて自衛するしかないんだが、なにをするにしても、人が殺到するより先に動くことだ。(比人はこんなときでもノンビリしているので、備えについてはワリと楽に物資を集めることができる)
そもそもウチは水が来るのか?
これについては、フィリピン政府が発表しているので、こちらを見たら分かる。ただし!このフィリピン気象庁のページは、絶望的に使い勝手が悪いので注意。PCでもかなり見づらいので、スマホで見ると相当辛いことになる。一応、フィリピン国土の、細かいところまで、どこからどこまでが水没するのかというのを四段階で色分けして警告しているのだが、分かりにくすぎて白目になる。さすがフィリピン政府である。
特になにも起こらない場合
備えだけはしておけばいいだろう。特にマニラの場合、電気は真っ先に回復する。マニラで不平不満を言うひとはフィリピンに住む資格がないというほど、マニラは電源回復が早い。
なんか酔っ払いすぎて、そろそろ文章が書けなくなってきたんで唐突に終わります