東京駅に一台でも公衆電話を置いて欲しい件

今日はフィリピンと関係ない。日本の話。

わたしは、つい先日まで、日本の携帯番号を持っていないという典型的在留邦人であった。

だから帰国して電話する際は、テレフォンカード(笑)を使って公衆電話まで歩いて電話をかけていた。しょーがねーだろ。仕事以外だって、電話をかける用事はどうしたってある。でも電話をかけることができない。なんでかっつーと日本の電話会社と契約していないからだ。

—となれば公衆電話からかけるしかないのだ。だから、日本の主要都市にある公衆電話のある場所については、ちょっと知識がついているほどである。日本のコンビニ前にある公衆電話。アレ。ドンドン撤去されているらしいけど、俺にとってはありがたかった。バスに乗ってまでコンビニ前にある公衆電話をかけにいったこともあるんだかんね。日本のフリーダイヤルなんて海外では逆に邪魔で、国に戻ったタイミングで直電したほうが楽でいい。なんやかんやで電話は使うものなんである。水や電気と一緒だ。

もっとも、公衆電話代はタダであった。

何故なら、わたしの実家には、アホほどテレフォンカード(笑)が死蔵されていたからだ。(『あけましておめでとうございます、ナントカ建設』みたいなしょーもない贈答品が、ウチに山ほどあったのだ)だから実家に行く度に、俺はテレフォンカード(笑)を補給していた。ので、実質カケホーダイなのであった。

そういえば私が大学生の頃は、10000円分の不思議なテレフォンカード20枚分が、堂々と切手と交換でwニフティサーブで1000円で売られていたものだが、令和の時代ではそれを通り過ぎてタダである。なんせ日本に帰国すると、皆さん余っているテレフォンカード(笑)を「大変ですね」なんつって私にくれるのであった。

若いひとになると、もうテレフォンカードすら知らないどころか、もはや公衆電話一度も使ったことない人すらいるかんね…

 

あ、脱線した。

まぁそんで。本題に戻ると。

 

いつだったか帰国した際。「東京駅に着いたら連絡します」という話になっていたことがあった。ごくフッツーの話である。

そんで。わたしは無事マニラから東京駅に着いた。ちゃあああんとテレフォンカードも持っていた。社会人として一切スキはなかった。

ほんで当然。とりま東京駅に着きましたと、相手に連絡を取るつもりだったのである。生き馬の目を抜くスルドい海外ビジネスマンとして。実家から持ってきた「今年もよろしくお願いしますテレフォンカード」数枚は、きちぃんとワイの財布に装備されていたのである。

フッ…残り度数の少ないテレカだとしても問題ない。挿入口に別のカードを事前に差し込んでおけば、0になった瞬間に別カードが吸い込まれ通話できるのである。この程度もテクも、勿論常識として知っているのである。つまり一切スキがない。将棋でいえば序盤中盤終盤スキがないのである。つまり無敵のルイージといっても差し支えない状態であった。

 

要は、東京駅なら新幹線のコンコースに、六台くらいの公衆電話が向かえ合わせにあるっしょ!というイメージがあったんよね。

 

東京駅は、テレフォンカードで電話を掛ける電話がないのである!

いやこれまさかだろ?よもやだろ?これは検証できることなんで、是非みなさん東京駅で公衆電話探してみてください。無いんだから。ねぇんだからマジで!!公衆電話一台も無いんよ。

俺は焦ったね。だって東京駅なら必ず公衆電話があると思い込んでいたから。だって無いわけないじゃん。

わたしは新幹線を降りて—オヤ?コンコースに公衆電話が無いもんだから。焦って駅員に「公衆電話の場所」を聞いたのである。そしたらその駅員。クリアファイルを持ってきて、「えーと…公衆電話…」と探し出したのである。

これはただ事ではないのである。

だって。天下の東京駅の駅員だよ?!百戦錬磨だよ?東京駅の駅員なんてのは。日本中の田舎モンから、ありとあらゆる質問を毎分ぶつけられている人たちが東京駅の駅員だよ?しかも俺の質問ってのは乗り換えの話じゃない。駅構内の話だかんね?昭和だったら秒で返答が返ってくる話である。

それほどの兵(つわもの)が「少々お待ちください」なんつって、奥からクリアファイル持ってきてペラペラめくっているのである。『在来線のホームにあったかかなぁー』なんつっているのである。

もうこの時点で。東京駅で「公衆電話どこですか」という質問をした日本人ってのは、年単位で存在していなかったことを意味するではないか。一日100万人が乗降すると言われる東京駅でだぜ?
(ちなみに結論から言うと、東京駅付近に、ほとんどアリバイ作りのように、一台だけあるらしい。なんと在来線のコンコースにも一台もない)

 

この記事を読んでも、日本にいるひとは、まったく何も感じないんだろうと思う。東京駅に公衆電話が無いからなんなの?という話だと思う。

でも。普段海外に住んでいて、日本の携帯を持っておらず、連絡を公衆電話で頑張っている人は、俺以外にもいると思うんよね。(※俺は日本の携帯を持ってしまったけど)

そういう人たちの為に情報を伝えよう。東京駅ではテレカ使えないぞと!(笑)

なお。日本の大都市の駅には必ず公衆電話はある。特に印象深いのは名古屋駅だ。新幹線口から分かりやすいところに数台あるのをご存じだろうか。みなさん名古屋にいったとき、是非、あの公衆電話をチラリと見て、ワイの記事を思い出してほしい。あんな数台の公衆電話だって、誰かのインフラなのだ。在留邦人が帰国した際というのは日本のケータイがないので、電話は公衆電話となることもある。何十年ぶりの帰国ともなれば、大切な連絡であることがほとんどだ。JR東海はエライのである。

思い返してみると、ほとんど駅には絶対公衆電話はある。帰国するたびに、ハイエナのように公衆電話を探していたんだけど、駅にはひとつくらいポツンとあるものだ。だからこそ東京駅は罠なのである。日本一の駅。天下の東京駅には公衆電話が無い!たったのひとつもないのだ。(※厳密にいえば八重洲中央口を出た駅外にあるそうだ)アホかと。東京駅と新宿駅は日本人でさえ迷うダンジョンである。そんな場所にあるとして、ハイそうですかとたどり着けない。

というわけで。在留邦人帰国勢テレカ使いの方。東京駅で公衆電話を探すのはド素人なのである。電話をしたいなら、大人しく上野・新橋あたりで降りるのが得策なのである。

日本で公衆電話を使おう

公衆電話を最後に使ったのは、みなさんいつですか?おそらく記憶をさかのぼるほどのことだろう。

現代では、いろんな通信方法がある。固定電話より古い公衆電話は、年に一度どころか、日本に住んでいても全く使わない人がほぼ全員だろう。

しかし。いざ災害になったら公衆電話になっちゃうわけだ。「ドコモが移動基地局設置するから大丈夫」とか言うヤツは全く分かっていない。有線で直接繋がっている公衆電話is最強ではないか。それに公衆電話は、どんな貧乏人にだって回線を提供してくれる。社会的弱者の隠れたインフラだと思う。バレバレだけど少しだけ匿名性もある。

あと、あの受話器。スマホで会話しているのに慣れていると気づかないけど、あの電話の受話器の明確さといったら異常である。

固定電話や公衆電話の音質と喋りやすさの素晴らしさよ。スマホでは絶対かなわない。20年30年前の音声技術だが、是非一度思い出して通話してみて欲しい。音質が本当にいいんだ。

というわけで。えーと、なにを言おうとしていたんだっけ?

酔っぱらってるからもう寝る。とにかくだな。東京駅には公衆電話のひとつも置けと。うん、一行で済む話を長々書いたわけだ。

おやすみ