フィリピンのATMでキャッシュカードが吸い込まれる謎について

フィリピンのATMを使うと、マレにカードが機械から出てこなくなることがある。なかには、吸い込まれてこそ一人前という謎理論を言うひとさえいる。かなり経験者は多いようだ。アレなんなんスかね?というのが今日のお題。

この、『フィリピンでATMにカードが吸い込まれたンゴォー!』現象。明日は我が身と思い、皆で知恵を出し合って解決すべきではないかと。そう思うのであります。

では、まず。どの銀行ATMで吸い込まれることが多いのか?答えはBDOである。そう。フィリピンを代表する大手行。バンコ・デ・オロ。日本人デスクがある以外、なんの能もない、金利と行列だけの銀行である。特にスマホアプリについては、はじめっから銀行変えたほうがいいんじゃねぇのというくらいトラブルが多いことで知られている。

このBDO銀行。やたら使いにくいUIのATMがマニラ近郊にアホほどある(BDOの支店数は常軌を逸している。下手すると同じ建物内に3つもあったりする)上に、日系企業との相性が良い(日本語デスクがあるからだ!)ので、特にマニラ在留邦人にとっては、かなり馴染みのある銀行だ。
フィリピンの銀行はBDO,METRO,BPIが三バカであり、常に日本人に自虐と笑いと提供してくれる、漫才トリオだと思っておけば間違いはない。ただし結局、この3行で口座を持つことになる場合がまた非ッ常に多いのも確かだ。田舎の人は素直にLANDBANK一択でいいだろうけども。

さてワイの調査によれば、そのBDOのATMが、もっとも吸い込まれているという結果だった。もっとも、BDOは上記に書いたように、日本人利用率が高いので試行回数も多いのだから、話半分で読んでくれればよい。

次が大事な情報だ。

BDOのATMで吸い込まれた人は、全員。全員である。

三菱UFJ銀行の海外対応カードで吸い込まれていたのである。特にUFJのVISAdebitカードをBDOのATMに突っ込むと、あら出てこないという結果になっちゃった人ばかりであった。

これが、支店付属のATMならばいいのであるが、そのへんの野生の、野良ATMに入れて出てこなくなったら悲惨である。どこに取りに行ったらいいのかもわからない。比のATMはレシートが切れていることはよくある(切れっぱなしのところさえある)ので、使った証拠も手元にないことにもなりかねず、この問題を解決するのはハードルが高いことになってしまう。ペソ切れでカードを失った状態というのは相当に辛いだろう。

 

ではどうしたらいいのか?

 

1.UFJのカードもってくんな

もしも、これから比に駐在するひとがいたら、それ以外のカードの選択肢がまだあるだろう。UFJがメインでもいいが、他に数枚持ってきたほうがいい。フィリピンの生活を、一枚のATMカードに頼っていると、吸い込まれたら取り返すまでのあいだ、手持ちの現金だけで過ごさなければならないからだ。
もちろん他にもお金を得る方法はあるだろうが、最悪帰国まで対策できないことを考えると、相当悲惨である。そもそも帰国してからも、あの日本の、いつ届くかわからないカードの本人限定郵便とやらを、ただ空しく待つだけに休暇を取らなければならなくなる。

日本の口座に給与が入り、それをペソで引き出しているパターン(これは思い当たるひといると思う)のひとは、絶対に2枚持っておいた方がいい。2枚あれば!日本国内で、自分から自分に振り込んで、生きている口座からカネを引き出せるのだ。

2.家にカネを置いておけ

わたしは、ある程度のお金は家に置いておいた方がいい理論に賛成している派だ。なにしろATMにカネがないだの、口座からカネをおろせないだのと、いろんなトラブルを散々経験しているので、緊急のとき、銀行は全く役に立たないことを身に染みて知っているからだ。
わたしは最低10-20万円(円である。円⇔ペソは簡単に交換できる)これは絶対崩さずに置いてある。特に病院代の手付金や、日本への緊急片道切符+路銀を考えると、20万円位は、盗まれてもいいから置いておいたほうが良いと考えている。もちろん考え方に個人差はあるだろうが、この一種の貯金は、これまでいろんなことで活躍している。金利はつかないけど、やっててよかったと思える。ただし比人と一緒に生活している場合、きちんとした金庫でないと破られるので注意。

3.BDOのATMは避けよ

BDOのひとは、セブンイレブンのATMでお金をおろせばいい。(最新の日立製作所のATMである)無料である。野良ATMを使わず、最低でも支店付属のATMを使う。これだけで相当リスクを軽減できるだろう。吸い込まれたら一仕事になるのだから、その手間を惜しんではいけない。
また、とにかく新しいATMを使うことだ。(たとえばRCBCの新型ATM等)以前も書いたが、家の近所のATMは自分でランクを付けておく位の感覚があっていい。

 

フィリピンのATMは、他行手数料は15-18㌷である。時間外手数料も、土日もない。わざわざリスクのあるATMを使う理由がない。
カードの裏にBANCNETと書いてあれば、どの銀行ATMでも、18㌷で降ろせるのであるから、そうしたほうがいい。他行だっていいじゃないか。

ただし海外発行(つまり日本)のカードは、一回で250㌷という法外なお金を取られる以上、そもそもATMを使わず、他の方法でお金を得た方がトクである。ひとりでは難しいが、仲間がいれば台帳決済※もできる(厳密には違法だが、世界中で行われていることでもある)わけだし。

(※台帳決済=ペソが余っている人と、円が余っている人同士で、現金でお金を融通しあうこと。海外送金せずにお互いのお金を交換できる。)

 

というわけで、この記事については、他の経験談も募集したい。書くにあたって何人かの体験談を、実際に会った上で記事にしたのだが、もっといろんな吸い込まれた話があると思うので、また機会を見つけて書きたいと思っている。