ガチ投資話?金持ちフィリピン警察官がドツボにはまっている話(2)

フィリピンで警察が貸金業やったらどうなんの話(2)である。

彼の手口は面白い。お金を貸した相手の、給与振込銀行ATMカードを取り上げてしまうのである。

そして、入金された給料を全額抜いて、元金と利息をポケットに入れ、残りを現金で払う。

こうすれば、給料が入ってくるまでの間、永遠にとりっぱぐれることはない。

借りたほうは、全額返せば担保としてのATMカードが返却されるのだが、そうはならない。とにかくフィリピン人というのは宵越しのカネは持たない人々なので、また借りるのであった。

(例)10万ペソを借りたとする。自分の給料は手取り1万ペソ。
すると彼は1000ペソ取って9000ペソを払う。金主に500ペソ。自分に500ペソとなる。
この場合元本は減らないので、翌月もそうなる。そして比人は、ほとんどの場合そのまんまである。残り9000ペソを受け取った状態で、1000ペソでも元本を埋めなければ永遠にお金を取られるのだが、比人は目先目先なので、この恐ろしい金利計算を軽く考えてしまうわけだ。

つまり、顧客一人につき、ほぼ永久に500ペソ儲かる計算である。これ年じゃなくて月なんだからとんでもないことになる。

自分は警察官なので、さすがにこの副業はヤバイということで奥さん名義で客と契約。

これがもう、笑いが止まらないくらい儲かるわけだ。なにしろ客は無限に湧いてくる。現役警察官というステータスもあり、貸せば貸すほどもうかるという状態になったわけだ。

貸金業というのは、文字通り商品がカネなので、客が増えすぎて資金が足りなくなってきた。将来儲かるに決まっているこの話。

彼は、警察の同僚に、投資を持ち掛けた。「50000ペソ投資してくれたら、月2500ペソ払う」「10万ペソ投資してくれたら、月5000ペソ払う」という具合だ。物凄い話である。10万ペソの投資で月5000ペソのリターンなら、「年単利60%」という話だ。

ちょっと話がウマすぎないか?と思うが、彼はこれをやってのけた。そう。世の中うまい話もあるのだ。

国家警察という、絶大な権力を利用したこの貸金は、大大大成功となった。踏み倒したらどうなるかという脅しが効いているのである。

そうして、本人、奥さん、スタッフ、同僚、上官、みんなハッピーとなった。

「給与ATMカード没収+本人国家警察」という最強布陣。まさに投資すれば儲かる「海外儲け話」である!しかも実際に儲かる。
何故なら彼らは金主に先付小切手を切っていたからだ。(未来の日付を書き入れて、その日以降銀行に持っていけば現金と交換できるチェックのこと。こういう話の場合、通常11枚を金利分切って、12枚目で最後の金利+元金返却。うまくいけばキレイに儲かる)

貸倒についても、同僚(現職国家警察官)を金主にしたことで一気に回収が進んでいく。

一見、スキのないビジネス。うまくいっているオイシイ話。これの金主になっていれば、本当に儲かる話だったのだ。

オイシイ話には裏がある!等とビクビクしているのは日本の話。海外では、メロンの真ん中だけ食えるような話がある。

しかし、この「警察+給与ATMカード没収」ビジネス。いくらなんでも、あまりにうまく行き過ぎてしまったのが問題だったのだ。

つづく

 

 

 

 

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