フィリピンBARジャイアンボイス生演奏止めろの話

今日は特に酔っぱらっている。バケットふたつも空けたからだ。

それにしても、比のBARでの生演奏が酷すぎるので、勢いに任せて書こうと思う。

今晩は、比の愚痴を思いっきり話したいという日本人とBARにいった。そんで思いっきり愚痴を聞いた。
ああ、そうだよねぇ。俺もそう思うよ。ホントそうだよねぇと聞き役に徹した。誰だって比人の愚痴をいいたいのだ。

当然酒も進み、いつしかカネの話、バカ話となっていくわけだが…ここまでは良かった。

 

でも、その愚痴聞きは、例のフィリピンBARの生演奏で台無しになったのだ。だって会話できないほどうるさいんだから。
愚痴大会は中断し、その生演奏とやらの大音量で、なにも会話できない状態になってしまったのである。

—バランガイのカラオケ大会でウマイと言われた程度の腕で、近所のBARで歌っているんだから、これはもう拷問である。

前々から、俺はBARの生演奏は大嫌いだった。だってうるさくて会話できないからだ。
今日は、酔った勢いもあり、演者に絡んで下手だの止めろだのと言ってしまった。ノイジー!と言って親指を下に下げ、止めろ下手くそと絡んでしまった。演奏中は唇に人差し指を当て、ボリュームを下げろと絡んでしまった。

いわゆる『比ではやっていけないこと』である。(恨みを買う行為をしてはならない)でも俺は酔っぱらっているからやってしまった。

彼らだって店に雇われて演奏しているんだし、酔客の要求なんて日常茶飯事なんだろうが…

俺は普段日本人の愚痴を聞いているが、たまには俺だって比人にダメだししてもいいだろう?!

そんな心の動きもあったのだ。

愚痴を聞いてもらった側にしてみると、普段仏陀の生まれ変わりのような俺が、「絶対するな」とクチ酸っぱくいっている俺自身がそんな行動をとったので当然慌てたわけであるが。

俺にしてみれば、下手な演奏を聞かされるというのは、これはもう心のキャパシティーを超えているのである。なんでカネ払ってジャイアンボイスを聞かされなあかんの。

もともと生演奏が始まったら、俺は黙ってお会計をする。もしかしたらウマイヤツがいるかも知れない、将来の大物がいるかも知れないなんて期待は一切捨てている。

それにしても今日は特に酷かった。女性六人組くらいの客が、途中で入店引き返したかんね。

ほんと、このフィリピンのBARのジャイアンボイス生演奏って、百害しかないと思うんだけど。

俺は音楽のことを詳しいガチのプロじゃないけど、素人に毛がはえた程度でも、フィリピンBARで歌っている「将来の大物」は、近所のカラオケ大会でウマイと言われた程度でしかない。これは断言しよう。BARの生演奏者はフォルテばかりでピアノを使うことがない(音の強弱のこと。バンドが全員フォルテを使っている時点で終わっている。大きな音を出すのは誰でもできる。つまり音楽に対する最低の素養がない

生演奏というのは、BARに来た客に対してBGMであるべきだ。
はっきりいって、お前の歌を聞きに来たわけじゃない。アンタ誰の話だ。

借りてきた音符。流行の歌。きちんとトレーニングしていない状態で聞かされるのは、俺にとっては本当に拷問だ。表現というのは借り物であってはいけない。他人の表現をするのは、酔客相手のBARなら仕方ないとしても、やはり折々に自己主張を交えるべきだ。

どんなに下手でも、自分で作った曲なら聞く価値があるけど、どっかで聞いたような曲をジャイアンボイスで聞かされるというのは席を立つ理由として充分だと思うし、一緒にいる日本人が今回はいたけども、それでも気を遣わない。すまんが俺には俺の理由があるからだ。気をつかわない生活をしたくって海外に住んでいるんだから。

なによりも、こと音楽に関しては。聞くに堪えない下手な演奏については、容赦なく罵声を浴びせるのが礼儀である。
指を立て、非難を言い、席を立つのは、音楽の世界にとって、むしろ礼儀である。そうしないほうがおかしいのだ。

 

これはプロトロルである以上、比でやってはいけないと言われる行為(何があっても恨みを買うことをしてはならない)をやったが、俺は反省していないし、またやるだろう。下手な演奏に下手というのは当然のことだ。指摘してもらってありがとうと感謝される筋合いの話だ。
練習不足、トレーニング不足、才能もない人間が、ステージに立って報酬を貰うのは、俺にとって耐えられない。どんなに比の田舎であっても、音楽というのは世界平等だ。それに下手なら下手と、外人が指摘した方が本人のためになると思う。それに今回はあまりにひど過ぎた。

 

というわけで、この手のトラブルを懸念している人は、俺と付き合わない方がいいだろう。俺は生演奏の店で下手な演奏を聞かされたら、トラブルを起こす可能性アリだかんね。ほんの少しでも海外のトラブルを避けたいひとは、俺と付き合わないほうがいいんじゃないかな。

 

 

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