フィリピンATM(お金引き出し)完全攻略マニュアル

たまには旅行者への記事を書こうと思うので、今日はフィリピンに来る際、どのようにしてお金(フィリピンペソ)を引き出すかについて書こう。

まず第一に、持ち込む日本円現金なのだが、これはフィリピンの場合簡単である。空港で換えれば良い。
ヨソの国と違い、マニラであれば意外なことに、あまり市中と変わらないレートで交換してくれる。
それどころか、一歩空港を出たら、もう両替する場所が無いので、空港で1.2万円のペソを、路銀として財布に入れていれておくべきだ。

しかし、それだけで旅費が間に合うことも無いだろう。大体の場合は追加で両替をするか、またはクレジットカードでお金を引き出すということになる。

追加の両替ならば、夜の繁華街でもない限り、さほどレートは悪くない。というより現金現金の場合、フィリピンは全体的にレートはあまり変わらない。

 

問題となるのはクレジットカードだ。ここを今日は重点的に書こう。

まず、クレジットカードでペソを引き出した場合、ものすごくザックリ言うと、なんだかんだと手数料がかかり、おおよそ一万円分を引き出せば、9000円分の現金が出てくるという感覚でいるのが正しい。

1.日本円の引き出し
2.カード会社指定での両替レート(それほどおかしなレート計算はしないので安心してよい!)
3.ATMを設置している銀行のテラ銭
4.銀行ネットワークを使った使用料

これらを合わせると、だいたい8-12%にはなる。
フィリピンのATMでは、海外発行のカードは有無を言わさず250ペソ(今日のレートで642円)取られるので、あなたがカードを突っ込むだけで、吉野家大盛分が手数料として、最低でも消えていく計算になるわけだ。これは避けようが無い契約である。

ちなみにこういうお金をもったいないとケチることは良くない。手元にカネがあってこそ、旅行は心丈夫なのだし、海外旅行というのは、いわば「イザという時」であるので、円が切れたらカードでカネを補充するのは当然のことだ。みな払っていることで、あなただけが損しているわけじゃない。

海外に強いと言われる新生銀行やソニー銀行のカードも皆同じ。容赦なくお金を取っていく。
これは海外送金として、海外への家族に引き出し用のカードを渡す人が多いので、それならばと手数料を取る罠でもあるのだが、目のまえの現金というチカラは強いので、みなYESを押してしまうというわけだ。いやならカードを持たなければ良いだけの話。国際送金もどきの手続きを、街中で行って現金を自分の手のひらに乗せることを有難いと思うべきなんだろう。

(上記につきましては記事下部に訂正の文言を付記しました 2024/1/9)

 

 

しかし、上記は皆小さなことである。

フィリピンのATMを使う際には、大きくふたつ注意点がある

国際カード(日本発行のカードを比で使えば海外発行カードになる)の引き出し手数料なんてのは、いわば世界中みーんな払っているカネだ。
それがいやなら知恵なりコネなり作ればよいだけ。それよりも目のまえのATMで、いますぐ現金が出金できるというほうがなにより強い。
10万円が9万円になるのは痛いと思うなら、他の手段を手配しておくか、もっと円を持ち込むべきだったのだ。手数料が高いと叫ぶのは筋違いである。

そんなことより、比ではもっと大きな損失がある。大きくふたつある。

一つ目は、いわゆる「カード飲み込まれ」である。あなたのカードが機械に入ったまま出てこない状態になるのだ。
しかも一度飲み込まれると、本人認証を銀行員の前でやらないと返してくれない。
(つまりデビッドカードの場合、すごく面倒くさい)

銀行員がいればまだマシだ。比の場合、そのへんの小さなショッピングモールやガソリンスタンドにもATMがあるが、そうなってくると銀行員が来るということはまず無い。
するとどうなるか。飲み込まれっぱなしになるのであるw

だから、もしもあなたが旅行者で、ATMにカードを入れて出て来なくなったら、もうそのカードは諦めて、紛失手続きを本国との間で行った方が早い。
海外旅行では、クレジットカードは二枚持っていけという教訓があるが、それはこのトラブルを回避するためでもある。
レンタカー屋や電気屋で、適当に作った10万円枠の予備カードであっても、メインが無くなれば光り輝くことであろう。

この「カード飲み込まれ」は、ある意味フィリピン在住者にとっては勲章のようなもので、
『ついに俺も飲み込まれましたよー!』「オオー!とうとうお前も!」なんて、酒の肴になる話題でもある。

 

 

そして二つ目は、全ての手続きが終わったのにお金が出てこないということだ。

これは、まれによくある。

カード飲み込まれよりも、カネが出てこないというほうが本当は多い。SNSでカード飲み込まれ事件は散見されるが、カネが出てこないトラブルは見ない聞かないと思うだろうが間違いだ。
なぜなら、カード飲み込まれは誰でも気づくが、カネが出てこないのはエラー表示が出るだけだからだ。ATMによっては失敗しました、しか出ない。

でもちゃっかり、あなたの口座からはお金が引き出されている。

あなたは「エラーだな、仕方ない」(←よくある)と立ち去ってしまうので、気づかない場合が非常に多いのだ!

もちろん気づく人もいる。そうなるとどうなるか。こちらが動いて、銀行にレターを書いて返金対応してもらうという形になるのだ。
海外の場合、日本のように銀行が平身低頭してお金を返し、お詫びの歯磨き粉やタオルをくれることなど無い。

騒がなければ銀行の利益になり、そっくりそのまま貰えるだから、銀行側としては訂正する理由は全くないわけだ。

ATMの手続きが途中まで進んで、最後エラーになったら、絶対に口座を確認したほうがいい。

でも、フィリピンに旅行に来たなら、そんなロシアンルーレットのようなことをしたくないだろう。だからノウハウを教えよう。

 

新札が出てくるATMに行け!!!

ズバリ。もしもフィリピンでお金をおろすなら、なるべく。いやなるべく以上に、新札に対応しているATMにいくべきだ。トラブル防止のためである。
比でひとつめんどくさいトラブル一度起これば、解決までの時間と手間は、砂粒がさざれ石となってコケが生えるまでかかるのだ。

これはフィリピン在住者の方も、生活の中で気づくと思うので知っておいてもらいたいのだが、あなたの取引銀行のATMでカネをおろしたとき、全部旧札になっていませんか?
ちょっと確認してみてください。いつものATMで、10000おろして出てきたカネが旧札。

それはボロイATMである!!

今回発行された新型1000ペソ札は、古いATMでは出てこない!だからボロイATMでは旧1000紙幣だけが出てくると思って間違いない。

旧札と新札が混ざって出てくるATMは無い。ボロければ旧札。新しければ新札だ。
つまり現状、ボロイATMかどうかは、引き下ろすカネで判断できる試金石ともなっているのが今のマニラである。

 

そして、このボロイATMこそが、「カード飲み込まれ、カネ出てこない」の二大トラブルを引き起こす災いなのだ。
みなさん、お金をおろすときは、おそらくfast cashで10000ペソ(約25700円)を選択するだろう。これは、手続きするには面倒な、日本人としては微妙な大金であるとおもう。

そのへんのモールで、きいたことも無いような銀行のATMでおろしてエラーになって、アレ?と思ってそのまま忘れている場合も相当あるであろう。ビタッグ(罠)なのである!

だから賢明な日本人は、出来ればちょっと遠いくらいであれば、是非以下の銀行ATMを使ってもらいたい。

 

1. セブンイレブンに設置してあるATM

ランドバンクやBDOという、強い口座を持っている人や旅行者の方はセブン一択。とにかくATMトラブルがない新式である!カネの補充も早い。
(※フィリピンのATMは預入がないので、給料日後はATMのカネが無くなることも多いのである)
フィリピンにあるセブンイレブンATMは基本的に一番有能だと思っていい。旅行者はこれだけ覚えておけばいいといっても過言ではない。
なお旧札も出てくるが、それは全く問題ない。(カネが出てくればいいんだから)

 

2.RCBCの新式ATM

あの、マネロンといえば任せろ!と噂のリサール商業銀行のATMは、お馴染みBANCNETと一味違う最新式であり、横並びの表示様式と違うインターフェースである。
新札もスパッっと出てくる。独自の新しいATMを入れるのはヤル気のある証拠で信頼できる。

 

3.PSBANK

メトロバンク子会社のPSBANK。さいたまりそな銀行みたいな銀行だが、ここのATMはカネが尽きたりトラブルになったりすると、カード自体が入れられなくなる良心設計である!
親のメトロバンクも見習えといいたくなるようなアーキテクチャになっているのである。

だから、PSBANKのATMはカード飲み込まれと、カラ出金は絶対にないので、BDOの行列に並ぶよりこっちのほうがいい。なおメトロバンクカードは当然手数料は優遇される。
(ちなみにメトロバンクのATMはクソである)

訂正:

こちらの記事ですが、クレジットカード手数料の部分におきましてご指摘をいただきました。
ご指摘した人は私の知人でその道のプロの方であり、「このブログは、アキラ先輩のように間違った情報を堂々と流すようなことはしないでほしい・・・」という切なるお言葉をいただきました。反省しております。カード手数料につきましては、お手持ちのカードや契約によって異なります。「ざっくり10%取られます!」ということは無いようでしたので訂正しお詫びいたします。(令和六年1月)