青年バランガイとはなにか?

こないだ、バランガイの基礎知識について、メチャクチャ酔っぱらって書いた記事があったんだけど、
多分内容は酷いんだろうから(自分で書いておいて、読み返す度胸もないほどのクソ記事だと想像する)
ソッとしておくことにする。

そんで。

上記の記事を書いたら、読者様から「青年バランガイ」について質問があったんだけども、
確かにそんな組織があった。忘れてた。
(フィリピンに長く住んでいる人でも、これは知らない人が多い)

というわけで今日は、青年バランガイという謎組織について書こうか。
もちろん今回も酔っぱらってるんだけども。

 

青年バランガイってなんなのよ?

まず青年バランガイとは、本当に青年。というよりバランガイのガキで組織されている。
なにしろ15歳以上21歳以下で、一年以上の居住条件もあるので、なんつーか生徒会のようなものだ。
細かい規定はあるけども省略する。つまり近所のガキのボスと思っていい。

一体なにをやっているのかというと、そこはかなりアイマイだ。
文化振興だのなんだのといった、よく分からない活動ポリシーしか明文化されていない。
比国におけるスポーツ貢献?道路でバスケしてるだけだろ!?といった具合で、
言語明瞭意味不明な感じである。

青年バランガイというのは、ボーイスカウトみたいな青臭い香り漂う理念しか規定されていないので
実態はよくわからない。(のでこれを読んでもっと詳しいひとがいたら教えてください)

ま。まさにバランガイの子供会なのだが、実はコレ、ワリとスゴい権限を持っている。

権限1 トップはKAGAWADと同等

なんと、青年バランガイの首長は、大人のバランガイ評議員として扱われるのだ。
ということは、である。

最悪15歳の。チンポの毛が生えたばかりのガキに、マジに政治権力を与えられる
こともあるわけだ。

近所のガキと思ったら青年バランガイ関係だった、評議員だったということも
フィリピンではあり得るのだ。

バランガイ評議員の権限というのはそれなりにある。
ので、小さな政治権力を子供に持たせていることになる。

権限2 役員は学費免除

これが一番オイシイだろう。プライベートスクールはダメだが、近所の公立に限って、
学費は全額免除となる。

それも、青年バランガイの役員は全ッ員免除となるのだ。

なんでこんな規定があるのか知らんが、とにかくそうなっている。
これは単純に「特権」である。この制度は非常によろしくない。

民主的に選ばれた子供のトップが地域行政に関わるという理念は、なるほどと思わなくもないが、
「選ばれた子供とその子飼い」は、さっそく特権を付与されるのである。

比の公立の学費など安いが、それにしてもタダではない。
一般の親は、子供の学費をなんとか捻出するのに、それが全部ナシになるのである。
これを特権、利権と言わないでなんというのか。

スポーツや学業、素行に優れているという理由ではなく、政治的に選ばれたからと言う理由で
進路に影響があるのは、教育上良くないと思うのは俺だけだろうか?

日本でいえば「高校の生徒会長になったら、国立大の学費タダ!」というようなものである。
これ、フィリピンではマジでそうなっているのである。

どうなるか。学費の半分のカネを使って選挙資金にするヤツなんかが出てくる。

うまく当選すれば、その一党は実質学費半額免除と名誉の両方を手に入れることができる。
いやおかしいだろこれ。

バランガイなので、近所でデカイ顔も出来る。青年バランガイの役職を得れば、大人になってから
評議員、キャプテンと出世の道も開かれる。親はよくやったと万々歳だ。これでいいんだろうか?

 

 

民主主義において、一番偉いのは市民であり国民である。
例えば日本人のフィリピン社会で、一番エラいのは日本国民である。
マニラの日本大使館の全権特命大使閣下様より、私たち在住日本国民のほうが偉い。
言うまでもないことだ。これは大原則であり、絶対に揺るがないことである。
(ましてや大使は選挙で選ばれていない、ただの役人に過ぎない)

日本大使館の建物は、日本大使館の所有物ではない。日本国民の所有物である。
マニラの大使館奥にあるプールで遊びたい!と言えば大使館は笑顔で応じなければならない!

 

あ、また脱線した(笑)

 

話を戻そう。

ところがフィリピンの場合、政治的リーダーに特権を与えることを明文化してしまっている。
そして、それを誰もおかしいと思わない。でも、おかしいと思わないことがおかしいのだ。

どうして、青年バランガイ関係者は学費免除になるんだろう?
他の子供らだって学費を免除されたいだろうに、そうはならない。

政治的に選ばれたという理由で、なにか特権を与えるというのは、
フィリピンにとって致命的に良くないことだと思う。

 

他にもバランガイについては、書きたいことが沢山ある。

夜になるとバランガイゲートを閉める係はどうなっているのか?
アレはいったいなんなんだ?とかね。
(あれはタンバイがやっているわけではなく、バランガイがやっている)

他にも、バランガイ裁判なんてものもある。
そのあたりも、また触れていきたいと思っている。

 

 

—子供のころから利権を学ぶ場がある。それがフィリピンなのである!!