フィリピンで交通事故に遭ったらどうなるのか(5)

(5)である。お題は一応これで仮完結である。

少しネタが溜まってから書こうと思ったんだけども、このブログを読んだ当事者が、
「是非続きを書いてください。今日中に!」とウルサイので、強制的に書くことになった。
まだ早い時間だけど、今日は朝っぱらから動いていたので閉店し、ブログを書く時間もあるので
書くことにする。

かかったお金

はい。では、この事故。これまでいくらかかったのかというと、約60万ペソである。
(本日のレートでいうと145万円にあたる)
これは、マニラの労働者の3年分の年収にあたるトテツもない額である。日本人だって準備できない人もいるだろう。

手術4回(内臓、膝など)とチェックその他諸々。もっともこのお金が無かったら死んでたわけで、
節約するところではないんだけど。安いのか高いのか。とにかくこれだけのお金が「自己負担ゼロ」で出ていった。

その後奇跡が起きたのである

前回わたしは、これだけ長い間(一週間以上)意識不明になっていれば、まず障害が残ること疑いなし。
意識が戻ったとしても「ア」「アア」程度で、指の一本でも動かせる程度の話になるだろうと思っていた。

なにしろ脳の検査すらしてない状態で、あの凸凹道を右往左往し、危篤になってもアワアワするだけという
状態だったわけだから。

それがなんと、意識が戻ったのである。それも本当に。
足も切断せずに済んだ。なんとなんと、話すことができるようになったのだ。
(本人の声で電話があったのだ)

よくもまぁ生き延びたな・・・。いや、いい話なんだけども・・・

本人は当然現在寝たきり。身体中痛すぎる状態で自宅療養である。
飲んでいる薬は、そのへんに売ってる痛み止めだけ!

身動きできないので、オムツを履いていた。家族は大変な介護である。

で。お金返すって話はどうなったの?

そんな話は無かったのである。
現在、集めたお金に関する話は全くない。当然全額踏み倒しだろう。
いや、一度出したひとに、もう一度二度出してもらう算段をしているだろう。

なにしろ、この家庭では、現在働いて稼いでいるひとがひとりもいないのである。
OFWもいない。全員ニートである。今後の医療費については、不安の一言しかない。

 

しかしこうなってくると、ますます教会に通うことは確定した。
文字通り、神の奇跡が起こったんだから。

そんな時間があれば、なにか数時間でも働いて、200,300ペソでも稼ぐべきなんだけど、
そういう発想は絶対しないので、今後もお金は全力で引っ張りまくるだろう。

今年の後半あたり、いよいよ万策尽きると思うんだけど、そうなったらどうなるだろうか。

こういうパターンだと、いとも容易く犯罪というハードルを軽々と飛び越えたりするので、
正直これ以上関わるのは危険だという気もする。
(こういうとき、お金を取られるのは他人よりも身内のことが多い)

あとは新たな養分。家族の中の女性が、その武器を最大限に使って、ヨソからカネを
ひっぱってくることである。この方法は万国共通だし、手っ取り早くお金を作れる。
自分たちだって食べなきゃいけないからだ。電気も水もタダじゃない。

まぁ、ヒトの家の家計にくちばしを突っ込むつもりはないけど心配である。

 

さーて今後の展開はどうなるのか

身体がソロソロと回復した時点で調子に乗り、傷口が破けたりすることは大いにあり得るだろう。
痛みも引いたら、自力でトイレにいけるようにリハビリするんだろうけど、理学療法士がいるわけでもない。

このまま無事にいけばいいけど、ここから先、ぜんぶ自己流で貫いて大丈夫なんだろうか。

年末治ってきたところで、クリスマスパーティーで酒でも飲ませ、階段から転がり落ちるくらいのことは
平気でやってのける国民性だけに、まさに不安しかない。

一度自爆して、アホほどカネを集めきったわけなんだけど、もう一度自爆したらどうなるのか?
当然、もう一度カネを集めるだろう。それも、なーんの罪悪感もなく。