フィリピンで交通事故に遭ったらどうなるのか(2)

(2)である。

まず今回の相談の事故というのは、停止していた車(つまり路駐)に、おそらく時速70キロほどで
豪快に突っ込んだという案件である。

運転手はシートベルトをしておらず、単独運転。おそらくよそ見運転と思われる。
車はグチャグチャ。エアバック作動せず。運転手は正面ガラスにアタマを打ち付けて意識不明。

頭、内臓、両足に深刻なダメージを受けた。両足はグチャグチャの粉砕骨折である。

これだけの大事故。フィリピンだったらどうなんの?ということだ。
どのように事態が動き、どのように進んでいったのか。なにかの参考になってもらえたら幸いである。

緊急手術は行われた

まず救急車だ。プライベートの病院は、救急車代を稼ぎたい都合上、緊急の場合自分の病院の救急車でないと
受け付けないので、まずそこでモメた。比の事故は自分で運んだほうが早いという所以である。
(一番早いのはバランガイ救急車である)
頭を打ち付けている以上、本来「分」を争うわけなんだけど、フィリピンの脳関係というのは遅いし、
後回しにされることが多い。(多いというより絶対そうである)

わたしの過去の経験上からいっても、脳のダメージに対するケアというのは、フィリピンでは絶望的であると
断言できる。

それにしても、一応病院は病院なので、支払い能力云々の話はあるにはあるんだけども、
さすがに病院が治療しないということは無いので、最低限中の最低限はされた。

これは本当に最低限である。骨なんか折れっぱなしで放置なんだけども、臓器系はやってくれた。
(カネを見せたから)

拒否されるのが重症患者

このクラスの事故となると、相当にお金がかかる。つまり死んでしまった方がいいのだけども、
そうもいかない。

この時点で、オレは両足切断してしまったほうがいいぞとアドバイスしたんだけども、
まぁそんなアドバイスが通るわけもなく、温存療法を選んだ。

カネが無いので、まず行政(市長)にカネをたかる。周囲からもカネを集めまくる。
結果、相当な大金が集まった。

それでも足りないので、マニラの病院に転院である。

 

田舎よりマニラのほうが安い

マニラというのは首都なので、いろんな病院があるのだ。中には受け入れてくれる病院もある。
本件はヤバイほどの重症なんだけど、激安のところもあるのだ。
だから田舎からマニラに移送である。

移送先は決まったんだけども、なにしろ支払うカネがない。

どうしよう。である。

(3)へ続く