海外現地採用の学歴詐称問題について

某有名大学のえらーーい研究をしている大大大先生が、わたしのブログを絶賛してくれた。

こういうブログは他にないのだという。まぁ確かに他にはないだろう。
わたしを好きになってくれる読者が、ひとりでも増えてくれるのはうれしい。

医師と弁護士のダブル資格を持っているという人で、都内で開業しているんだという。あっそう。
こんなヨゴレブログ。読んでもらっただけでもありがたい。(ぺこり)
わたしのブログは、なぜかこういう人。わたしよりよっぽど賢い人ばかりがファン層なのである。
おかげで、そのひとの弟子が40人くらい読者になってくれた。

(リファラーで計測してます)

素直に喜んでおこう。
今日もビールをバカバカ飲みつつ・・・そうだな。

せっかくなので、偉~いファンの方に敬意を表し・・・・
大いに尻尾を振って、今日は海外の「学歴問題」について書こうか。

 

 

海外で学歴詐称する人多すぎ説

不思議なことに、日本から一歩でると、学歴詐称する人というのは凄く多い。
日本人は嘘をつかないと誰が言ったか。すぐばれるような嘘をつくのである。
わたしの周囲でも何十人もいるほどだ。

しかもぜんぜん重くない。結構気軽な話題である!
就職の話題となれば学歴詐称の話が出るのがマニラである。

マニラの場合

フィリピン、マニラの場合、日本人が就職するのは
「日本の大学を卒業しました」ということにすることがほとんどである。

日本の政治家とは逆で、海外に住んでいると日本の大学を詐称するのであるのも面白い。
フィリピンの大学を卒業しましたというほうが証明しやすいだろうに、それをやるひとはゼロである。

就職の為には仕方ない?

海外に住んでいて外国人の場合だと、学歴というのは日本以上の意味を持ってくる。
(滞在資格に直結することもあるのだ)

現地採用される日本人の場合だと、よほど若くなければ学歴は見られると思っていい。
企業側にしてみると、海外に住んでいる人というのは得体が知れないので背景を知りたがる。
元の職場に連絡されてみたり、日本で何をやっていたかということも問われたりする。
つまり裏を取られるのだ。

その反面、日本の会社は卒業証明さえあれば、納得して、アッサリ大卒として認められる。
(書面も求められないことがほとんどである。中途の現地採用なんだから)

・・・ので!偽造してしまえばそれで通ってしまうというわけだ。ラッキーである。
本国から来た人事なんて、海千山千の海外在住者にしてみればチョロいわけだ。

 

いちどこれに手を染めてしまうと、人間関係が続く限り、ずっとウソを突きとおすことにもなるので
シンドイと思うんだけども、適当に話でも合わせてみれば、まず分からない。
学歴とは、海外では「言ったもん勝ち」の世界である。

中卒がザクとして、高卒がドムとするならば、量産型であっても大卒はゲルググであろう。
誰だって、嘘でも自分はゲルググ以上の性能があると言いたいわけだ。採用側はそう思っていないんだけど・・・

 

日本大学、明治大学は要注意

学歴詐称で、もっとも使われるのはこの2校である。
詐称するには、まず大規模校であることと、ある程度、人が聞いてそれなりの人材なんだなと思わせるような
説得力が必要となってくるわけだ。

この二校は、学部ごとにキャンパスが分かれているほどの大規模校であり、知名度がある。
日大も明大も、馬鹿が一般入試で合格することは、まずあり得ない程度の知能は要求される。
おまけに二校とも私立である。親に財力があるなり、苦学して卒業したなりといったことも想像できる。

詐称してバレない上に、なんとなくハッタリも聞くし、上には上がいても日大や明治だと収まりもいいという、
万能レンチみたいな大学なのだ。

ここの文学部なり経済学部なりを卒業したことにして、
大学時代は遊んでました!というのが「さもありなん」なのである。この二校は要注意である(笑)

不思議なことに、似た大学として近畿大、立命館大、関西学院大あたりがあるけど、
この大学を詐称するひとはあまりいない。なんといっても日大、明大がマニラのテンプレである。

派生バージョン

余談になるが重要なので詐称派生バージョンも書いておこう。

たとえば、あなたが、事実

山陰学院大学付属中学・高校卒業 とした場合、そのまま山陰学院大学分理学部卒!などと詐称するという手がある。
これは日本人で騙されない人はいないだろう。真実味がある。校歌も歌える。同級生の中には実際そういう学歴の人も
いるだろう。キャンパス内部の便所の位置、馴染みの食堂、近隣の地理も把握している状態なんだから、
卒業証明さえ見破られなければ、まず疑うひとはいない。状況によってはこういう派生詐称もある。
これで書類を偽造されたら、まず全くわからない。

だから海外では、聞いたことのない大学卒は信用されるかもしれない

聞いたこともない「ナントカ国際学園大学」を、わざわざ詐称する人はいない。ゼロといっていいだろう。
もしも、同じ大学の卒業生が組織の中にいたら、一発で見抜かれるからである。

海外の『スルドイ日系人事部』もそれを分かっているので、
知名度の低い公立大学や、人が羨ま・・ない私立大学卒の人は、日系の海外人事部には、謎の好印象を与えることが
できるのである!!w

詐称していないという好印象!履歴上強いわけでは無い。

—-けど、職務経歴書も、じゃあおおよそ真実であると見なされるわけである。
から、この作用は大いに働くわけだ。
就職なんて印象なんだから、実は日本の小規模カレッジ卒というのは、海外ではそれはそれでアリである。

 

ウソでもいいから採用されたいのがマニラ求職者なのだ

日本では考えられないだろうけど、マニラで仕事を得るために学歴を偽るのは、それほど有罪ではない。
まず仕事を得るのが最優先である。それは全てに優先する。

だって、詐称する必要のない人(どんな大学でもいいけど、正規の準学士号や、学士号を受けている人)だって、
気軽にハッタリの効いた大学卒に「味変」しちゃうのがマニラだから。理由なんてない。

ラーメンに酢を入れるがごとく、どうして気軽に詐称してしまうのか?と思うひとはマニラでタフに住めない。
マニラでは『騙されたほうが悪い』という暗黙の掟がある。それは日本人同士でも普通に通用する。
騙されたほうが馬鹿なのだ。

フィリピンでは、過去どんな行為をしていたとしても「アナと雪の女王」のように、いまのわたしを見て!
という論理が通用する国だ。だから採用された私はエライという論法になる。

人事が詐称に気づいたところで「いまのわたしを見て!遅刻もせずによくやってるでしょう!」と言われるだろう。
確かにそうなのだ。マニラの現地採用の日本人で、きちんとフィリピンにカブれている人ならそういう理屈になるだろう。
指摘されて狼狽えているようでは、立派な現地採用日本人ではない。

日系人事の場合、日本人が嘘を付くわけがないという神話は一切通用しないといっていい。

学歴詐称くらいは、当然あり得るくらいの話なのである。
顔を合わせているのは日本人だ。同郷かも知れない。警察に突き出しても、だからなに?で終わるんだから、
怒りのもっていきようがない。そもそもそういう度胸のある日本人のほうが、現採としては心強いともいえる。
人事の顔色を伺って右往左往してるヤツなんて、本来求められている海外採用の人物像ではないからだ。
そして、採用したのは人事である。
責任の所在という意味で考えると、嘘をついたヤツよりも、採用した人事がマヌケという話にもなってくる。

 

だから企業側は、防御として、
たった一言「この履歴書に噓偽りは、一切ありませんね?」と言って、苛烈すぎるペナルティを宣告するくらいの脅しは
当然するべきだろうとは思う。特に大規模私立大学卒業者は、自らの潔白を証明するくらいでちょうどいいだろう。
だって、真実卒業していれば、どんな証明でもできるんだから。

 

何故気軽に学歴詐称してしまうのか

バレてもいいからである!

海外に住んでいると、日本住とは異なり、まず就職して給料が入ってくるということが、まず最優先になる。
バイトでもして糊口を凌ぐということが出来ないからだ。これはすごく重い。

目の前の現金が無い場合、帰国するという選択肢があるけど、渡航費さえもなければ困窮邦人になるのだ。
フィリピンで?オレが困窮邦人になる?オレが?エッ俺が?えええええ?

という圧倒的現実の前では、学歴詐称なんて、もうね・・・どうでもいいことなのである。
明日食べるものがないという状況で、うまく日系企業に潜り込むには、明治大学程度の適当な看板くらい
あったほうがいいわけだ。

 

特に海外が長い人の場合、履歴書に嘘を書いて、バレなかったら見抜けなかった会社が悪いという発想に
なりがちだ。

企業側にとっても、いわゆる30-50歳くらいまでの、働き盛りのボリュームゾーンは欲しい。
採用する前提で面接するわけだから、優秀だったらなおいいわけだ。
(比の現地採用で、(ホンモノの)大卒は、応募者のおおよそ3割程度という説すらある)

日本人おいで~と採用をかけて応募がゼロということもあるんだから、学歴確認はおろそかにしがちだ。
日系企業の中途採用は、前職のことは詳細に調べるけど、何十年も前の学歴については、厳しく確認はしない。
企業は語学や経験、滞在資格や人格を見て、即戦力になるかどうかを見てるのである。

(もっとも、担当者が日本大学、明治大学の卒業生だったらバレるかもしれない)
バレたらどうするか。次のマヌケな会社に応募するだけだ。実に気軽である。
こうして海外在住者の学歴詐称は量産されていくのだ。

詐称したもん勝ちの末路

実は、企業側にしても、学歴詐称してくれたほうが有難いというケースが多々ある。
なぜなら、問答無用で首に出来るという、万能手形を手に入れているからだ。
学歴詐称というのは、はっきり嘘である。バレたらごまかしようがない。

雇いました。優秀でした。一生懸命働いてくれました。ハイじゃあそろそろクビね!
と、いきなり首を切られても、なにしろ学歴詐称しているんだから「ぐうの音」も出ない。

つまり、泳がせて記録しておき、会社にとって必要でなくなった時に伝家の宝刀を抜けるという、
日系企業ならではのいやらしさを発揮できるわけである。

となると、学歴詐称者のほうが首を切りやすいという逆転の発想すら出てくる。
散々働かせておいて、用が無くなった時点で履歴書を突きつければいいんだから。
これは裁判でも100%勝てるクビである。抗弁できない。嘘をついたのはあなたなんだから。

マニラ在住者はシタタカで、日系企業なんかチョロイと思っていたら、
本国駐在社員から逆激を受けるということもあるのだ。

 

彼らは日本の論理で動いている。マニラに長い人は、それが分からない。

 

 

だから詐称などしない方がいいんだけど、うまくいくケースがある。
以下が大事である。

ある程度任された状態で告白してしまう

実は大学中退です。実は高卒です。短大卒ですと、本当の学歴を申告してしまうやり方が一番いい。
ある程度責任を持たされた時点で、採用した人が本帰国しないうちに話してしまうのだ。

この告白ケースだと、首にはならずに内部で処理される場合が非常に多い。
なぜなら人事担当者の落ち度となるので、採用時に遡って履歴書を訂正するからだ。
民間ならナンデモアリということがある。あなたが仕事を一生懸命やって、数年後くらいに実は・・・と
上手に自白してえば、職を失うことはあまりない。

詐称しないのが一番

学歴は、見る会社と見ない会社がある。また、その会社の書類手続にもよる。
採用後、いわゆる「高度人材系滞在資格(大卒が最低要件)」で会社が申請してしまった場合、
偽造の追加書類なんかも準備しなくてはいけなくなり、結局バレることにもなりかねない。
(フィリピンの場合、単純労働VISA申請のほうが多いのでバレにくい)

日本もそうだけど、海外には高度人材VISAという滞在資格を設定している国もある。
理系なら全部大丈夫だ。文系なら法経学部。
MBA(経営学修士)が一番潰しが効くんだけど、学士でもマネジメント系は書類を作りやすいので強い。
(文学、芸術系はやや弱い)高度人材系VISA設定のある国は、詐称が難しいと言える。

 

盛り過ぎ注意

この記事を読んで「エッそんなことになってんの?」と思った人もいるだろう。詐称しちゃったもん勝ちなん?
と思う人もいるだろう。でも人事側も馬鹿じゃない。バランスが必要である。

たとえば「マニラではコンシューマ・ゲームアプリの設計に関わり、ブリッジエンジニアとして5年間統括しました」
なんて履歴を書いたら、冗談抜きに年収イッセンマンくらいの話になってくるけども、
ここで嘘を書いてしまうと恨まれる。

殺されるということはないかも知れないけど、「ここはマニラである」ということは念を押しておきたい。

足の裏についた米粒が学歴なのだ

(略)

学歴詐称相談

わたしのところに持ち込まれる相談ごとで、
この学歴詐称やっちゃった系は、「正直に話せ」とアドバイスすることにしている。

というのは、正直に話した場合、降格や減給、処分で済ます会社も往々にしてあるからだ。
現地でしっかりとしたVISAを持っていたり、日比のブリッジ役を任されていたりする場合、
あなたをクビにしたら、会社はま~たイチから人を探さないといけなくなる。
もっとデキるヤツが、すぐに来るならいいけど、そうは限らない。
だったら、あなたの給料を下げて、厳重注意で囲ったほうがいいと判断することも大いにあり得るということだ。
(本国採用の道が断たれるだけである)