比在住者から見た「ルフィ」事件(7)

 

調子にのって(7)である。

デイリー新潮が「ルフィはまだフィリピンに潜伏している」36人拘束時に“入管に100万ペソを積んで逃げた男”の行方
なんていう記事を上げているけど、これどうなんよ?という感じがしている。

もちろんわたしの酔っ払い記事よりも、日本の新潮のほうが信用があるだろう。
でも俺にだって書く権利はあるのだ。酔っ払いブログにお付き合い願いたい。
最近ファンレターが増えているので、筆者としてはウフフである。今日は筆も滑らかに書こうとおもう。

 

当時の摘発事件で逃れた人ら

わたしは、当時の摘発事件で逃げることができた人らを知っている。
というのは、ルフィ一味はマニラの現地で募集をかけていたので、何も知らないマニラの日本人在住者が応募したからである。

当時、まさに摘発されたとき、実はフィリピンにコネクションがあった在住者はお咎めナシになったのである。
(※コネクションというのは賄賂ではなくVISAのこと)

フィリピンというのは義理人情が通じる、数少ない外国でもあるわけなんだけど、フィリピノ語話者や永住権持ちの人らは、
ただのバイトでした、で通ったようなのである。(実際そうであった。実態を知って止めたひとばかりであった)

そもそも、オレオレ詐欺の拠点にPNPが突っ込んだんだって、「何の犯罪か分かんない」という状態だったのだ。
(日本に電話かけるのは当然合法である)

突っ込んだ理由というのは、フィリピン定番の違法滞在ということでやったに過ぎないんだろう。
現採の人はガチVISA(もしくは婚姻)持っていれば名前も書かずに戻れたようである。日本の警察は、これ注目である。
なにも知らずに応募した在住者を、一味扱いしてはならない。ただの求人だからである。
(マニラの日本人求人というのも、大卒以上!経験!年齢!なんていう日式が多いので、経験不問の求人は皆応募しがちである)

 

幸いフィリピンの入管というのは、ステータスがどうあれ、言い訳できる程度の話があれば許される文化がある。
(これはわたしたち外人にとっては有難い話である)オレオレ詐欺の拠点を急襲した際でも同じだったんだろうというのは想像がつく。
逮捕されなかった日本人って、つまり現地採用バイトなんじゃないの?というのが俺の予想である。

 

第五のルフィ?

新潮は第五のルフィがいるという。100万ペソ払って入管から逃れたという。
わたしに言わせれば、それは無いなと思う。フィリピンであっても、賄賂というのはコソコソ渡すものだ。
記者は100万ペソを見たことが無いんだろう。(比の最高高額紙幣は1000ペソである)

賄賂で100万ペソというのは、比の常識から外れている。

というのは、賄賂というのは実行部隊、指揮官、その上まで全部払わないといけない性質を持っているので、
コトが大きくなればなるほど賄賂はきかなくなってくるものなのだ。

 

”フィリピンでは賄賂が有れば~”

なんて記事、いっくらでも読むことができる。けど、実際渡したことありますか?といいたい。
試しに普通に渡してみればいい。100%拒否されて、これはなんのカネだ!これはなんのカネだ!と言われるのだ。当たり前の話である。
これは儀式でありテンプレでもあるんだけど、いわゆる建前というのはレッキとして存在している。
一直線にカネを出して思い通りになるわけではない。BIRでもLTOでもMMDAでもPNPでもどこでもそうだ。

フィリピンはおとり捜査合法国である。毎日のように、公務員はおとり捜査で刑務所行になっている。
慎重になる奴らしかいない。その上で値踏みして、安心させないとカネは受け取らないようにできている。
それに、あとから通報して捕まえることもできる(少なくてもマニラでは出来る。)

マニラは一国の首都である。フィリピンの田舎では法律関係ないことも多いけど、マニラでは法の秩序が通ることもある。
細かいことをいうと、マニラではバイクヘルメットは100%全員かぶっている。田舎ではかぶっていない。50%くらいである。そういうことである。

 

例えばひとつの警察署というのは何百人もの警官がいる。それ全員に賄賂をはらったとしたら、ひとりあたりいくらになるだろう?
そして、ひとりでも受け取らなかったら賄賂というのは成立しない。つまり話が多くなったら鎮火は難しいのである。
いくらフィリピンだといっても、カネで動かない人というのは一定数存在している。それも必ず存在している。大きな署なら数人以上いる。

賄賂というのは『知っちゃったヤツ全員』なのだ。ひとりでも転ばないヤツがいたら成立しない。
これはフィリピンでも「絶対」である。それを、オレオレ詐欺のナントカがやれたと思えないんだよね。
だから、そういう状態にしたら負けである。鎮火できないからだ。

大きなカネを見せて買収しようとした場合って、警官の誰かが英雄になろうという気持ちを起こすものだ。
そうなったらおしまいなんである。

100万ペソで逃れたというのは現実味がちょっと無い。数字がキリが良すぎるし、賄賂の相場としては高すぎる。
払ったソイツがマニラを知らなかったということだろうか・・・単にタカられただけなんじゃないか?
裁判官や検事の買収だって、そんな金額はしない。100万ペソというのは、ちょっと現実感がない。
カネがあるので払ってしまったんだろうか?馬鹿だから。

 

 

 

公務員がリスクを取るというのはバレないという大前提があるものだ

当たり前の話である。日本だって同じだ。

そもそも賄賂というのは、担当者の数を減らすことに神経を使うモノなのだ。
担当者がひとりなら安く済む。ひとり増えれば二倍になるのだ。考えてみて欲しい。当然の話である。
でも、自分が公務員に賄賂をわたした経験なんて、まず無いだろう。だから日本人は日和るのだ。

これって、こうやって読み物として知識を知る分には大したことじゃないと思うだろうけど、
誰が賄賂の払い方を解説するだろうか?日本語ブログで読んだことが無い。日本人在住者同士、ワリと聞く話なのに情報皆無である。

こんな当然のことすら、日本語ブログで書いているヤツは誰もいないのである。
だから俺が書いてやろう。賄賂というのは担当者が少ないほうが安くて早いのである。これは絶対の真理だ。
そして上手に渡してやることだ。

もしもあなたが外国で、カネで物事を解決しようとしたとしよう。
現実に制服を着ている人らと交渉するというのはそういうことだ。相手が少ない方がいいのである。
どうして100万ペソなんて話が出てくるのか?ちょっと信じがたい。

わたしは日本メディアは自国なので好きだし信用しているけど、100万ペソ払って逃げた第五のルフィという人がもしいたら、
どんなマジックを使ったのか興味深い。

彼らは公務員であり、フィリピン国家に忠誠を誓っている自治組織である。最後のところで賄賂はきかなくなる。
話が大きくなると、まず賄賂は通らなくなる。

第五のルフィがいるとしたら、カネじゃなくって、フィリピンを多少知っているヤツなんじゃないかなというのが私の推理。
カネだったら、たかが2ミリオン位で済むかなぁ?

まぁトバシ記事かもしれないけど、日本のマスコミっていうのはトバシ記事でも裏はとってあるパターンが多い。
ある程度本当なんだろう。

 

本当のところはどうだったのかといえば、在住者の情報通から、おそらく新しい話が回ると思っている。
こういう話を聞けるのも、マニラ在住の楽しみである。特に今回は「小向美奈子シャブ逃亡」以来の盛り上りだったんで、
報道されてない話がアレコレ飛んでくるだろう。

害のない、マニラの酒飲み話として、今回のルフィ話って、大いに酒のつまみになる話題だ。
マニラに住んでいる日本人共通の話題が出来たということで、しばらくはエルミタ、マラテでギャアギャアと盛り上がること間違いなしだ。

会ったことのない私は外様である。うーん。良かったのか悪かったのか。

どちらにせよ、これ以上の記事は、ホリエモンじゃないけどブログでは書けない話である。
酒を呑んで文が滑らかになったとしても、あまり公にする話でもないので、このへんにしておこう。