国際線乗客名簿に名前がなかった話

”いままで何回フィリピンに来たことありますか?”と尋ねられて、ハイ39回です!ハイ24回です!65回です!なんて即答できる人っているんだろうか。
わたしは日比を何往復したかなんて覚えてない。今日も酒のみながら、そんな話でもしようか。

入管からの連絡

入管からの連絡なんて、普通来ない訳なんだけど、来たことがある。
私がフィリピンに、なんで来たか分かんないというのである。
「?・・・???いや。飛行機で来たんだけど?」としか言いようがない。

どうやら搭乗者名簿に、わたしの名前がないというのだ。ハァそうですか。
・・・だからなに?である。大した問題ではない。

『ヘー・・・そんなこと調べてるんだー!』と、逆に「入管仕事してんじゃん!」という感想をもって嬉しくなった。
なにも悪いことした覚えはないので、堂々したものである。

なんでも?数年に一回やるんだかやらないんだか?珍しい抜き打ち検査みたいなのに、なんとわたくし、引っかかったのであったw

 

まさかのVISA停止

しかしVISA停止/更新不能になるかもということを聞いて、わたしは焦った。そりゃ焦るよ。
そんな履歴を付けられたらたまったもんじゃないからである。

わはは~なんて笑っていたわたしも、いきなりマジになってしまったのであった。

—-まず、入国記録はあるの?「ある」

うむ。一安心である。じゃあ良いじゃん!

パスポートコントロールで、バッシーンとスタンプ押してもらって、マラミンサラマポしてるのである。
これが合法入国といわずして何というのか。

 

「でも搭乗名簿に名前がない」
うん。でも入国してるじゃん。飛行機に乗ってきてるのは疑いようがないじゃん!「でも搭乗名簿に名前がない」
防犯カメラでもなんでも見て確認したらいいと思うよ?それに入国審査ン時に記録があるならそれが真実でしょ?!
「でも搭乗名簿に名前がない」・・・・「おかしい」・・・テロ対策といわれると、確かにおかしいのであった。

 

「でも搭乗名簿に名前がない」!

「搭乗名簿に名前がない」の一点張り。このままいくとVISAがサスペンドされるというので、いくらわたしでも焦ってきた。
でもこんな抜き打ち検査みたいな話、とーぜんネットになんの情報もない。

わたしは飛行機に乗ってきたんである!信じて!と言えばいうほど「必死すぎてアヤシイ」みたいなことになっているのである。

「アンタどの会社の飛行機で来たの?」という問いに、わたしは答えられなかった。覚えてないのである。正直言ってぜんぜん覚えてない。
この発言は、わたしの立場を決定的に悪くしたのであったw

ちなみにパスポートには、入国時に便名が記載されているのであるが、字が汚すぎて判別不能であったw

旅行会社がない

あ、チケット買った会社に行けばいいじゃんということになった。
わたしはニコニコ現金払い、カウンター購入していたことは覚えていたので、旅行会社にすっ飛んで行った。
記録見せてもらえばいいやんけ!と行ったら、コロナ倒産して更地になっていたwうーむ・・・

「カネと予約票を引き替えただけ」だったことをちょっと後悔したけど、普通こんなことは起こりえない。

 

チケットの半券を見せればいいという妥協

入管も、わたしが証明できないのにイライラしてきたのだろう。チケットの半券持ってこいと言い出した。
そんなものあるはずない。即、捨てているからである。

入国時の航空チケットの半券が必要になる事態になることなんて、これまでの海外経験で一回もなかったし、
私はそういった記念品を収集する癖はなかった。入管の妥協は露と消えたのである。それにしても困ったな。

 

すったもんだの末、なんとか私の便は分かった。安心と信頼のセブパシフィック航空であった。
セブパシが搭乗を入管に報告していないということが発覚したのである。

セッブッパッシッさーーーあぁ・・・・控え目に言って、もう死んでください。

『パスポートの綴りは、一文字も間違えないように記載してください』だと?あアン?アアアアアン?!
お前さぁ?なあ。オマエサァ?!オイ。搭乗者名簿、提出してから言おうな?そういうこと。

わたしはチンピラになったのであった。クレーマーになったのであった。

搭乗証明書

聞いたことも無い書類であるが、航空会社は一応そういう書類を出せるらしい。
「コイツがウチの飛行機に乗ったことを証明しますという書類」だ。
わたしはチケットの半券の代わりに、その証明書を出して、やっと入管に「お咎めナシ!」と許してもらった。
そりゃそうである。おたくら入国記録もってんだから!

まったく何の意味もない手間である。この手続きに意味があるか?無い。あるわけない。なんなのこの手間は。

だってそうだろう?入管は私の入国を許可しているんだし、記録もぜんぶ持ってるんだから。
そもそも搭乗名簿というからには、はじめっから私の乗ってきた飛行機を知っていたわけなんだしね?

セブパシには呆れた

いつもセブパシには呆れているけど、搭乗名簿未提出事件には本当に呆れた。
搭乗名簿というのは、墜落した際の身元確認に使うから一応大事なのである。保険もそうだし入管のバックアップにもなるし、
『出国時に乗った、入国時に降りた』というのは一次情報なんだから、保安の面もある。
この名簿は、航空会社としては間違ったらアカン系の書類のハズである。

どうして私の名前が抜けるなんてことあるんだろうか?そんなことあり得ない話である。
でもそれは起きてしまった。そして、ごくマレに行われる整合性検査にひっかかり、私は真っ青になったのであった。

待てよ?待て待て

いや待てよと。この件が一件落着してから冷静になってみて、これはもしかして違うんじゃないの?と思いなおすようになった。

だって、いくらセブパシでも、搭乗名簿に名前載せないなんてことあり得るか?そんなことをする理由ないのである。
それに名簿に載ってないなら、そもそも搭乗できなくないか?国際線というのは何重もチェックされて搭乗するのが普通である。
名簿に載ってないのに発券され、搭乗口チェックも躱せるか?普通乗れないだろ。
今回わたしは入国後チケット捨ててたけど、持っているひとも多いだろう。そしたら動かぬ証拠である。(比の入管は航空券にスタンプを押す習慣がある)

なにより、そんな抜き打ち検査まがいのことを、あの入管本局が本当にしているのだろうか?ぜったいしてないよな?!
となると、この搭乗名簿騒ぎってなんだったんだろうということになる。もしかして名簿に名前あったんじゃねぇの?ということだ。

それにしても、この名前がないというのは迫真であり、入管も嘘をついてまで賄賂欲しさという感じでもなかった。
実際書類で冤罪は晴れたのである。

 

振り返るといろいろおかしい

搭乗名簿というのは入管と航空会社とでやり取りしていることを本件で知ったんだけど、だったら私の出る幕自体がないのである。
だって航空会社に問い合わせればいいんだから、乗った本人が証明する必要なくね?ということだ。
(実際搭乗証明で済んでいる)

入管が言いがかりをつけるのは色々あるだろうけど、さすがに今回は無理筋だった。じゃあなんなの?ということである。

この件については結論が出てないんだけど、ひとつ言えるのはコロナ下ECQ真っ最中の出来事であり、本局がクソヒマだったということだ。

ほんとなんだったんだろう?