フィリピンから出るチケットってなに?

「フィリピンから出るチケット」という表現について、よく使うんだけど、分からない人もいると思うので、今日はこの表現について解説したいと思う。

フィリピンから出るチケットとは何か?

別にフィリピンだけの話ではない。(世界共通だと思っていい)基本的に、あなたが片道切符で入国できるのは日本(永住権を持っている国)だけだ。

外国人は、どの国でもエントリービザ(入国後最初に貰えるVISAのこと。観光ビザとは区別される)の期日以内に出国できるチケットを所持していなければならない。
これは、どの国の入国でもそうだ。

つまり「入国してもいいけど、帰るチケットで帰ります」という証明書類の一種だ。帰るチケットがないと、外国は入国できない共通ルールがあるわけだ。

見せろと言われるかどうかは運である。
持っていない状態でも、見せろと言われなければ、パスポートコントロールを通ることは出来る。

持っていない場合、行きの飛行機に乗れない場合が多い

この問題は、フィリピンの入管よりも、行きの飛行機会社の対応の方が強い。確認してくるからだ。LCCは、まず必ず見せろと言われる。
何故なら、持っていないから入国できない場合、送還の旅費は飛行機会社の負担となるからだ。だから帰りのチケット持ってますか?というのは日本で確認されることが多い。
持っていなければ乗せてもらえない。泣いても喚いても無駄だ。出国チケットは必ず予約しておく。これは海外を飛び回る際の基本といっていい。

 

別に帰国便でなくても良い

出るチケットというのは、出国するチケットという意味だ。別に帰国を意味していない。
例えば10月1日入国で、10月29日にマレーシア出国チケットを持っていればOKだ。このチケットは捨ててもいいし乗ってもいい。一番良いのは、到着後トラベルファンドにすることだ。
日比片道の場合、一か月以内にマレーシアでも香港でも韓国でも、どこでもいいから出るチケットがあれば、それは全く問題なく通る。

そして、その飛行機に乗らなかったからといって、咎められることは一切ない。そんな外人は、それこそ何万人、いや何十万人単位でいるだろう。

一旦入国してしまえば、エントリーVISAは無条件で一回延長される。(日本国籍の場合、倍なので約2ケ月分となる)その際、戻りのチケットを見せる必要はない。申告する欄さえない。
フィリピンは、この調子で最大3年まで滞在できてしまう。しかも一回出国したら、履歴はチャラになる。だから、見せチケットだの、捨てチケットだのと呼称されるのだ。
(※1年という人も多いでしょうが、それは古い情報です。コロナ下の現在、2年以上の延長くらいゴロゴロいます。全く問題ありません。5年以上が問題となっているのが比です)

 

出るチケットは比入管に記録される

これは知らない人も多いだろう。実は、出国チケットを提示すると、入管に記録されるのである。(提出しなければ記録されない)
実のところ、VISAランをしている人というのは、入管には丸わかりなのである。比入管は、それでも入国させてくれるのでありがたい話だ。

チケットを見せないで通れたという経験のあるひともいるだろう。その場合、帰国名は空欄になっている。この書類はイントラムロスで、自身で確認できる。

偽造チケットを見せた場合はどうなるのか?

往復の航空会社を別にして、改変したチケットを見せた場合どうなるのか。
これは、正直に言うと、通れる。クッソ混雑しているマニラ入国(T1の23時便、T3の20時便あたり)で、いちいちチケットの真偽など確認していない。紙さえあれば通れる。
そもそも、パスポートとチケットだけで、普通に通れちゃったという人も多いのではないだろうか。

適当に成田帰国の書類を作ってしまえば、それで充分通る。バレた話も聞いたことが無い。やるひとはやっている(20年以上これで通っていると思う)話だ。

私に言わせれば、素直にマレーシアでも韓国でも、「出るチケット」を買って返金してもらったほうがいいと思うんだけど、なにしろ偽造というのはタダに近い。日本人でさえこの有様なのだから、他の外国人はどれだけ本物なのかと思う。良い子は真似してはいけない。

帰るチケットが数か月アトだった場合どうなるのか?

これ、本来はダメなのである。(から質問される)日本パスポートの場合、一ケ月がエントリービザの期限なので、アッ35日後の戻りだったわ~というのはダメと言われたらダメである。
これは私自身何度か経験したことがあるけど、当日の職員の機嫌と運としか言えない。大体は大丈夫のようだ。
入国時、延長する理由を聞かれた時に、ホテルの予約が一泊だけとなると分が悪いことにもなる。このあたりで上手に答えられないと、いくらフィリピンとはいえ「詳しく話を聞かせろ」と展開することもあり得る。

ちなみに、この問題について、一年のオープンチケット(364日以内なら国際線に乗れるチケット)所持は全くの無駄である。入管は、エントリーVISAの範囲内で戻るチケットを出せと言っているわけであり、あなたのクソ高くて、よく誤魔化しに使われる年オープンチケットは、持ってないよりマシというだけであって、その場で29日FIXに書換るくらいの機転があったほうがいい。オープンチケットは内陸国では通りやすいが、比のように島国の入管は確定したチケットを求められることが多い。

比に慣れているひとなら、結婚手続の為だとか、恋人に会うためだとか、免許の更新ですぐ帰るとか、友達の遺体を引き取りに来たとか、理屈を並べることが出来るけど、それはやったほうがいい。ただ、そこまで頑張るなら、素直に帰国便くらい予約したら?とアドバイスしておく。節約しすぎだし、そういう人は私も助ける気にならない。

例えばFIX35日チケットを持っているなら、延長しますで、まず抜けられる。私自身2回やったことあるけど、延長しろよ?で終わった。予約変更でムダ金使うことは無い。

 

今はオープンチケット自体があまりない

オープンチケットというのは、契約の範囲内なら、日付を確定させずに搭乗できるチケットのことだ。便利で高い。1.3.612ケ月の区切りがある。
FIXチケットというのは、乗る日付が確定してあって、変更するならカネをくれというチケットのことである。

ある意味、今の国際線って、一か月オープン、三ヶ月オープンというチケット自体が無くなってきている。キャンセル料を安くする代わりに、FIX(日付指定)チケットということがほとんど全部だ。オープンチケット自体知らないという人も多いんじゃないだろうか。昔はオープンFIXなんていう難解なチケットまであったけど、ネットが全てを変えてしまった。
でも航空会社の仕組みとしては残っている。フラッグキャリアの日付変更無料なんていうのは、つまりオープンのことを指す。日比片道の場合12万くらいで、定価19万がMAXだ。
国際線当日窓口発券という、恐ろしいチケットがあるけど、その場合のみJALが一番安くて12万くらいだ。(当然エコノミー)この価格というのは距離別に算定された国際線の定価である。難しいことを考えずに、フィリピンの場合一か月以内のチケットを予約してから延長すれば良い。それで済む。入管がチケット提出を要求してこない以上、どうとでもなるので心配いらない。

 

出るチケットが無いと入管で指摘された場合どうするのか

その場ですぐに予約するしかない。私は日本で1回、比で1回やったことがある。なおNAIAはネットが悪いので、この時にネット環境があるかどうかというのは死活問題になる。
適当に15日くらいのチケットを、スマホでポチポチやって予約するしかない。こういうシビアな状態の時、本人なのにクレジットカードが海外利用で弾かれたりすると、マジギレする。
こういう時は、比の友達に連絡して、窓口チケット持って来てもらった方がいい。多分それが最速だ。
入管で最後の一人となると嫌でも目立つ。そこでネットつながるつながらない、なんてやっていたら、別室移動になって、不良外人に混ぜられる。そうなったら大変だ。そうなる前に、空港外側の人と連絡を付けるのがいいのだ。空港に迎えに来てもらうというのは、実は入国の安全を買うということでもある。空港送迎を馬鹿にしてはいけない。まず真っ先に頼りにするのは、数百メートル先で待っている人だろう。送迎というのは、ただホテルまで送ってくれる人ではない。入国前の取り計らいも出来るひとが、本来送迎を頼むべき人なのだ。