マニラで賃貸(1)

 

マニラで賃貸物件を借りるにはどうしたらいいのか。今日からこのお題で、しばらく書いていこうと思う。

新居を決めて新生活を送るというのは、日本でも決断の連続。ましてや海外。それもマニラとなると、まずどうしたらいいのか?分からない人も多い。

そもそもマニラのどの地域に住みたいのか?何を優先したいのか?何人で住むのか?等といったことで条件も変わるわけだが、それを伝えていくとキリがないので、まず物件を探すところから紹介していこう。

 

マニラで賃貸を探すには、大きく分けて3つの選択肢がある。

1.賃貸条件をまとめ、エージェント(※ブローカーとも言う)に連絡して物件を探してきてもらうこと

2.在住者に頼んで、条件に合う物件を見繕ってもらうこと

3.自分でマニラに来て、足で探すこと

この3つである。

1.賃貸条件をまとめ、エージェントに連絡して物件を探してきてもらう とは?

マニラの賃貸エージェント(ブローカー)とは、多くの場合、不動産オーナーと直接知り合いの多い、一種の代行屋のことである。日本の個人不動産屋と思ってもらえば良い。彼らはオーナーから報酬を受け取る仕組みとなっているので、こちらの負担は無い。ゼロである。

エージェントを利用するメリットは多い。
彼らは、こちらの都合を聞いて、大家との間で下交渉を行ってくれたり、引っ越しの際にはクルマを出してくれたり、あれやこれやと世話を焼いてくれる存在だ。入居が終わり、退去となったときも手助けしてくれることが多い。

外国人が入居しそうなコンドミニアムの一階で、スマホを弄っている人々は、結構エージェントだったりする。
(※非英語圏の外国人は特に語学の面から、エージェントを経由するように貸し手のほうで言われることもある)
特にマンダルヨンのボニ、グアダルーペ近辺のコンドはエージェントが多くいる。一声かけてみると、物件探しに光が差すかもしれない。

エージェントにとっても旨味は多い。物件を紹介するだけで、比人の何か月分の給与を受け取れる場合もあるのだから、外国人相手なら誠心誠意動いてくれるし、人の知らない情報を教えてくれることもある。大家との間に立って、問題解決してくれる存在は、外国生活では有難いものだ。

 

問題点としては、やはり質である。賃貸エージェントは、なにか資格があるわけではない。(厳密にはあるとされるが実質は無い)
スマホ一台、腕一本で商売をしている人々なので、悪いエージェントに当たってしまうとトラブル必須だ。
連絡が取れなくなる等は序の口で、預けたお金が返ってこない、合いかぎを複製して持っていた、入居前日に契約出来なくなった、等と、次々と問題を引き起こしてくれる。ヤバイと思ったエージェントは、即クビにしないといけない。

 

2.在住者に頼んで、条件に合う物件を見繕ってもらうこと

マニラに住んでいる人に、大雑把に探してもらって、来比したときに見て回り、契約をするというやり方。
単身者の場合はオススメしたい。

この方法は、一番トラブルが無さそうに見えるがそうではない。まず頼まれたほうが大変であるからだ。
条件に見合った物件を探して紹介するだけで、だいたい休みが3日は潰れる。苦労して物件を探したとしても、「ありがとうございました」の一言で済まされることも多い。探した謝礼も、夕食を奢る程度でしかない。だからまず、頼もうとしてもマニラで頼める人がいないだろう。
在住者側のほうで、日本から来る新人に対しての信頼が無いのだ。

日本人同士の場合、かなり細かい情報まで、あなたに正確に伝わるのが最大のメリットだけど、あなたの要望をハイハイと聞いてくれる人が、マニラにいるかどうかだ。

3.自分でマニラに来て、足で探すこと

誰の助けも借りず、自分の責任で物件を探すこと。時間的猶予の無い人にとっては厳しいけど、一番納得できる探し方だと言える。
自分の目で物件を見て、人と話し、周囲の様子を窺えるのは、何物にも代えがたいメリットだ。

この方法はもっとも安く、手っ取り早く、契約まで一直線で進むことができる方法だが、問題は疲れることだ。とにかく疲れる。
物件を見るといっても、まず電話をかけてもつながらない。アポイントを取っても誰もいない。貸し手が海外にいる等々、たちまちフィリピン特有の問題がワァっと押し寄せてくる。これらを判断し、取捨選択し、交渉してまとめ上げないといけないのだ。

金曜日に入国して、一晩グッスリ寝て、さあコンドミニアム探すぞ!と思ったら、土日祝が重なって何もできずに4日潰れた人もいる。
自分の力だけで物件を探すというのは、出来れば自信につながるだろうがハードルはやや高めだ。初海外の人にはお勧めしない。初日だけでも、誰かと一緒に回ってみるべきだろう。