地獄すら生ぬるい、超激務ラーメン屋で働いて二日後。急に、二日間の休みを貰えた。この会社。アルバイトのシフト表すら無いので、一体何時から何時までなのか。休みがいつなのかも分からない。
そんなバイト先ねぇだろ!と思ったであろうが、これはマジである。(ので、休みは唐突であった)
まぁ。休みと言われても、「やったぜ!」という前向きの感想にはならず。どちらかといえば「助かった」という感じであった。この二日の肉体的ダメージはただ事ではないのであった。
明けて二連休!(わーい)の初日…
せっかく新潟くんだりまで来たというのに、休みの日。歩けないのである。そう。筋肉痛だ。
「筋肉痛」といえば大したことないように思えるが、実際は違っていた。まず、足の親指が真っ白なんであった。血が通ってないのだ…若者のほうは爪にヒビが入っていた。とにかくマンション内で歩くのもキツい。
少し歩くと、文字通り『腰が抜ける』。ガクっと地面に、膝を付いてしまうのだ。
そんな様子の俺を見ても、若者は一切笑わなかった。マジでシャレにならないほどの疲労だったのだ…
それでも俺らは、(休みなので食べるものが無い)なんとか徒歩でスーパーに行き、生きるための糧を得に、なんでもいいからパック総菜を買いに行くことにしたのだった。
外に出ると—美しい。
新潟のクッソ山ン中の、ドドドドド田舎だけあって、景色は言いようの無いほど綺麗だ。
紅葉の終わった枝葉は既に落ちていたが、見渡す限りの枯木が雪化粧を施しており、静けさの中にも神聖な雰囲気さえあった。
そんな中、俺らふたりは「チックショー痛い!」「痛い痛い痛い痛い」「もうちょっとユックリ歩こう」等と、互いを励まし合いながら、ひたすらスーパーに向かった。
ようやくスーパーに到着。うまい具合に、隣が日用雑貨を売っていたので、我々はシャンプーや歯磨き粉等の日用品。総菜やおにぎりといった食糧を得た。
それを持って寮まで引き返すと、もう午後2時くらいであった(笑)どんだけユックリ歩いとんねん!って感じなんだが、本人らは大真面目である。その後、洗濯をして風呂に入って酒のんで寝た。
つまり休暇初日は、ただスーパーに行っただけで終わった。
翌日。
全く疲れは取れてない。全身激痛状態なんだが、やることがないので、我々は、せめて昼飯だけでも外食をすることにした。とはいえ両名、歩行困難者なので、通りをブラブラする程度のことだ。(メイン通りは寮の目の前であった)
ところが—
たかが昼飯。食うところがないのだ。
飯屋は沢山あるんだが、どこもそこも、ただのランチが2000円、3000円という価格。酷いところなんか5000円というところさえあった。観光地ハイシーズンのボッタクリ価格である!しかも相当酷い値付けだ。
しょうがないので、俺らは1500円(!)の、ただの蕎麦を食うことにした。写真で見た感じ東京なら600円くらいの蕎麦である。
店に入ると、レジ横の席に通されたんだが、なにしろここは観光地。他の客もどんどん入ってくる。「座れた俺らはラッキーだったな」と感想を言い合っていたのだが、どうも様子がおかしい。
どうもその店。日本人以外は満席でーすと言って断っていたのだ。だから座れたのだった。(あとで知ったのだが、この地域の飲食店は、日本人以外「実質お断り」の店が半数ほどもあるのであった…)
おおおおお…コレ、SNSで話題になって炎上しているヤツやん…なんですかこの極右っぷりは…クッソ高いボッタクリ価格の店でさえも、外国人は食えないようになっていたのであった。食えるだけマシ。座れるだけでマシなのである!!凄いところに来たもんだ。日本語話せてよかった(笑)
そして。出てきた蕎麦。これが何故か激ウマであった!!(笑)
なんでも新潟特産の布海苔蕎麦という蕎麦らしいんだが、コシがあってダシもきいており、ナンボでも食えるほどウマかった。
我々は疲労困憊しており、せめて昼飯くらい外食しよう程度の話だったんだが、この蕎麦は見事であり、少しの間だけ、仕事を忘れることができた。
それにしても明日からどうすんだ…
二日の休みは終わった。終わってしまった。メシも食い、何度も何度も風呂も入り、足を揉み、肩を揉み、アンメルツヨコヨコを全身に塗りたくって、ひたすら寝た。が、身体は相変わらず悲鳴を上げていた。何も癒えてない。マジで寝たきり老人くらいのレベルで動けないのに、明日から五連勤?冗談でしょ?あの地獄を五日連続でやれと?
ほんで。明日からワイは転勤となり、別の店に配属となったのだった。
バイトといえど業務命令だから、従うしかない。つまり、明日からは、もう励ましあうことさえできなくなった。
若者は、もう精神がやられており「コレって、法律的に合法なんですか?」「ここまでコキ使うことって違法なんじゃないですか?」くらいのことをブツブツと言っていた。残念ながら合法である…
この二日間は、「9時間拘束の1時間休憩。多少の残業程度」の枠からはみ出ておらず、なにも違法行為は無いのであった…
そうして。ついに目が覚めてしまった。そう。五連勤の幕開けだ。
地獄の釜の底が空いたのであった…
つづく
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