フィリピンの田舎役所が日本語ペラペラだった件
今日は、信じられない昔話をしよう。
以下の文を読んで、「いくらなんでもありえねぇだろ!」と画面に向かって呟いたヤツはいいねを
押して欲しいw
さっそく本文。
あるあるなんだけど、嫁さんから訴えられた日本人に同行したことがある。
この話は、日比の夫婦の内、比の嫁が男を作って、さらにシャブをやっていた案件である。
それで日本人夫は(当然)怒った。もう無理だと。
そしたら比の嫁が暴力を振るわれたと(いう捏造で)反訴した案件であった。
嫁「日本人が暴力をふるっているから保護してほしい!」
これもうスッゴイ不利な案件である。
なんといってもフィリピンでは、
こういう話は「全部外人が悪い」となることがほとんど全部なので、訴えられたら最後。
平身低頭したほうがいい話なのだ。(法律に興味のあるひとは判例を漁ってみてください)
ま、今回。
嫁が訴えたところは裁判所ではなくて、女性や子供を保護する市役所内の部署だった。
(比は揉め事やトラブルがクッソ多いので、バランガイや市町村が仲裁するケースも多いのだ)
私は最初っから日本人不利だと思っていたので、
おそらく別居してカネを毎月払う話になるだろうと踏んでいた。それでも随分マシなほうである。
国外追放なんてされたらたまらないのだ。彼らが入管に一本電話をすれば、それは現実になるのである。
まあ我々は、前日までああだこうだと、いろんなことを想定し、当日、役所に出頭した。
俺らふたりは神妙にその役所の一室に案内されたんだけど。
そこで驚愕することになった。
なんと。
役人が日本語を話し出したのである!
はぁ?である。
なんで?である。こんなん笑うやろ!である。
全く想定していなかったことなので、当然慌てた。
わたしはその瞬間用済みとなり、当事者の日本人は自分の主張を日本語で話した。
嫁は分が悪く示談した。実質勝利といっていい内容で決着したのであった。
それも一時間もたっていない、スピード審理であった!!
あまりにも斜めに予想外すぎる展開となった。
—–ので、話し合いが終わってからのほうに興味が移る。
私らは役人を呼び止め、なんで?と、中庭で質問を浴びせまくったのであった。
日本語を頑張っている役所だった
こんなことは起こりえない。
あり得ないのだが、事実としてこんなことが有ってしまったのだ。
この役所の役人は日本語を話せたのである。それもワリとガチで。
なんでかっていうと、意識高い系の田舎役所だったからである。
そんなことは絶対あり得ない。比を経験している年数が長いほどそういうだろう。
しかしそれは有ってしまった。見てしまったのである。ディスイズファクトなんである。
まずフィリピンといっても全部が全部ダメということではなく(笑)
良心と職業使命を持っている人はいるということ。
(基本的にこういう人がいないと社会は回らないので、小さくとも一定数は比にもいる)
役所の中には他外国語を学ぶ予算というのはごくごくごく予算ながらある。
(そのとき初めて知った)そしてそれは、ド田舎の地方役所にも割り当てられていた。
それで、その担当者は、たまったま、偶然、日本語を選んでいた。韓国でも中国でもなく日本語。
それも熱心に勉強していて、プログラムが終わった後も独学していたらしいのだ。
そんな折に、ちょうーーど、ド田舎で日比の夫婦間の問題が担当部署に持ち込まれた—-
こんなことあり得る?
日本語は、アニメや漫画が好きなら独学で伸びるというが、その典型例でもあった。
結果どうなったか。
「嫁にお金を渡してもシャブと男に使ってしまうから渡したくない」という主張が認められた。
日本人は嫁にお金を払えと言う努力義務は文言に盛り込まれたが、確か一年間で20000ペソくらいだった。
これを勝利と言わないでなんというのだろうか。(シャブと浮気の件はスルーされた)
なんというか、良かったことなんだけど、全てが終わってからは割と複雑であった。
だって、これちょっと都合の良すぎる話なのだ。普通フィリピンのこういう話って暗い話になる。
そりゃまぁフィリピンだって国家なんだし。
国家予算は当然、ウン兆円という規模でもあるし。
日本とは比べ物にならない多民族・多言語国家なんだから、そういう予算もあるだろう。(建前上は!)
役所なら、そんなプログラムもあるだろう。あるからには受ける役人もいるだろう。
日本語教育?とも言えるかどうか知らないけど、一応役所内で座学があったようなのだ。
しかし。別にOFWに行くわけでもない、言っちゃなんだけどコネで入った田舎の小役人が、
その『多言語研修』なるものを真面目に受けて自習してだよ?
実際日本人に会ったときに、ワリとやり取りできてしまったというのは、ものすごいことである。
今回の案件だって、夫婦間の割と複雑な話。それを理解したというのは本当にトンデモナイことである。
もちろん担当者は比人(自国民)と日本人双方の言い分を聞いたわけなんだけども、
明らかに比人有利となる裁定ではなかった。
言ってしまえば「ちょっとカネだけ送金してやれよ。夫婦なんだから」で終わったのであった。
フィリピンスーダラ節
私は昔から、フィリピンというのは浪花節が通じる国だと思っているんだけど、この端緒となる出来事が
コレであった。
ちなみにこんなことは当然二度無かったんだけども、あまりにインパクトのある出来事だったので、
信じられないだろうが一度書いておきたかった。
世の中には、胸ポケットに恋人のお守りを入れていた軍人が、偶然敵の弾が胸に当たって命を拾うような
ことがあるのだ。
こういうことがあるから、フィリピン人だから、役所だからといってバカにできないことだってあるのだ。
(こんなんもう二度とないと思うけど)
なお、わたしはもっと信じられないフィリピン役人話を書けるので、そのうちまた書こうと思う。
比政府の日本語プログラムに栄光あれ。