フィリピン・中古車道(4)

(4)である。

というわけで刺青ミラージュは諦めた。

その後、整備点検記録簿があって、バッチリ整備されているミラージュに出会ったりもしたけど
(※比の記録簿は普通捨てられているので貴重である)なかなかタイミングが悪く、その後も
毎週のように車を探す日々が続いていた。

マニラで中古車探しをするようになって、たくさんの気づきがあったので紹介したい。

まず、マニラの中古車というのは、基本的に部品を集めて作るものだということだ。
レゴのようなものである。

中古車屋にいくと、行ったそばから堂々とエンジンを乗せ換えていたり、
色を塗っていたりすることが普通にあるので、「ああ、こういうものを買うんだな」という感覚が
養われていく。走行距離も自由自在に選べることが分かった。

知れば知るほど面白いもので、いつしかわたしは、毎週のように中古車屋に通っていた。
休みになると、自然に足が中古車屋に向かってしまうのだ。

馴染みになれば、話もする。あれはダメだとか、これはイイとか、雑談の中から宝のような
情報も入ってくるようになった。

マニラ中古車道の中の基本

まず、選ぶとすれば「最新モデルが出たばかりの中古車」これは間違いない。

例えば、2020年にフルモデルチェンジした車種であれば、絶対に2020年以降に発売されているんだから
どんなに古くても3年オチということになる。

長くモデルチェンジされていない中古車ほど、ニコイチ、サンコイチ、寄せ集めが捗るわけだ。

ワンオーナーで新し目の車

別にフィリピン人だって、大事に運転する人はいる。オイル交換ってなんだっけ?という人でさえも、
2022年モデルの車なら問題ないわけだ。

ワンオーナーかどうかというのを見るのは簡単だ。中古車屋が教えてくれるし、
グローブボックスにグシャグシャと書類が入ったままのことが多い。

その書類の名前をフェイスブックで調べれば、あら不思議。車を手放した事情まで書いてあることがある。

タイヤを見る

新し目の車は、当然ながらタイヤを履き替えていない。新車時のタイヤかどうかは、見れば製造年月が
書いてある。日本車なら、必ずブリジストンなりのブランドタイヤを履いている。

不人気車種はねらい目

見ていて思ったんだけど、不人気の車は明らかに程度が良い。

カローラやイノーバは、六神合体してひとつの車になっているようなものすらあるが、
人気の無い車は合体しづらいらしく、エンジン絶好調!エアコンバッチリ!というような中古車が多かった。

車は移動手段!と割り切れるひとなら、不人気車がいいかも知れない。

特に日産デゥークは安い割に程度が良かった。タマもある。

 

 

この強烈な見た目は、乗る人を選ぶだろうけど、ある意味日本で乗れない車でもある。
これは事故車を合体しずらい上に、人を多く乗せられるわけでもなく燃費も悪そうであり、
コスパの上から敬遠しそうな感じだけども、マニラ中古車道からするとアリな気もする。

 

そんでワイが選んだのは・・・

そんなこんなで、マニラで中古車選びをして、半年が経過した。

六か月もの間、毎週のように中古車を探していたのである。いくらなんでも探し過ぎた。
それだけ面白かったわけなんだけど、さすがに疲れてきたので、一番信用できそうな中古車屋で
買った。車種はトヨタw

 

ベタである。

ベッタベタのVIOSである。

駐在員ですか?というようなVIOSにしたのである。

もう、このVIOSというのは、誰が乗ってもそれなりに満足できるというだけの、
トヨタが誇る世界戦略車。なんの味もソッケもない、つまんない車である。

4万キロで53万ペソである。ま、そんなもんだろう。

このVIOSにしたのは、一言で言って程度がメチャクチャ良かったからだ。
フィリピン中古車道において、程度の良さは全てに優先する。

これはもう間違いない!ということで、ワイは中古車屋と固い握手をしたのであった。

つづく