フィリピンで交通事故に遭ったらどうなるのか(3)

(3)

支払うカネが無い。となるとどうするか。フィリピン名物、カネのかき集めである。

フィリピンという国は、家族知人親戚なんかを合計すると、軽く100人、200人という人がいる。
さらに近所の人やニノン・ニナン(宗教上の親)その関係者等々、とにかく連絡が付く人間みんなに
カネの無心をする。

不思議なもので、これをやると、かなりまとまった額が手に入る。
貸してといって貸してくれる人も多いのだ。500ペソ、1000ペソといった具合にお金は集まってくる。

市長の小切手

入院といえば市長の小切手である。フィリピンでは、家族が入院して大変だと役所に泣きつくと、
「おおそれは可哀そうに。お金をだしてあげよう」ということになるのであるw

これは知らないひとが多いんだけど、だいたい3000ペソくらいは受け取れる。

小切手は見たことも無い様式になっていて、現職市長の顔面が、小切手にデカデカと印刷されている。
まさに税金で選挙対策しちゃってる実弾なのだ。

 

それでも足りなかった

今回は、それでも足りなかった。なので、路駐していた車の持ち主だの、道路管理者だの、あらゆるところに
喧嘩を売って、賠償しろ賠償しろと騒いだんだけど、とてもカネが集まらない。

じゃあどうするか。踏み倒しである。うん。払えないなら踏み倒そう。
高い請求をした病院が悪い。神は許してくれる。

こういうことをするから、プライベートホスピタルは、ますます現金出さないと手術をしてくれなくなるんだが・・

病院のカネの踏み倒し方

フィリピンにおいて、病院のカネの踏み倒しとは、病院を出ることによって成立する。

だから、私立病院の入口は狭い一か所しかなく、そこにセキュリティを置いているというパターンが多い。
ここさえ突破できれば、あとはフィールドとなれマウンテンとなれ。
泣くほど感謝していた医者など、どうでもいいのである。

脳にダメージ入ってんだから動かさないほうがいいのでは?なんてこと、比人は絶対に考えない。

セキュリティの突破方法は、基本的にバランガイに頼むことが多い。
バランガイは、ある程度強制力を持って無茶できてしまうチカラを持っている。今回もそのケースだった。

つまりバランガイポリスが、病院のセキュリティに「この患者を通せ」と圧力をかけるのである。
セキュリティは、厄介ごとと感じたらヘタレであるので、すぐ通れる。

そうしてうまいこと病院から患者を出したら、一路マニラである。
救急車もバランガイ救急車である。無料である。ほんま、バランガイ様様である。

 

マニラの慈善系病院は本当に安い

マニラは大都市である。

人口だけで1300万とも言われる、世界を見渡しても文句ない、掛け値なしの大都会である。
そして、この都市には貧乏人も多い。ウジャウジャいるといっていい。

そういう人々の命を救いたいという、使命感のある病院も、マニラになら数か所ある。
マニラも悪いヤツばかりじゃないのだ。もちろんベッドの数には限りがあるだろうが、
運良く入院できることもあるわけだ(無料ではない)

(4)に続く