困窮邦人に復讐した話(3)
だって本人がそう言っているのである。ただの確認作業なのである。
俺は、その日本の武勇伝の裏を取ることにした。
オレの顔を見たら警察も「結構です」と言うらしい。ホー。じゃあそれ確認しないとね♡
ということである。
恐ろしいほどの協力者
といっても、この「昔のオレは不良だった」系の話って、どこまで調べられるか不安だった。
手がかりはあるにせよ、無視されると思っていたのである。
ところが!現実というのは面白い。
そしてインターネットというチカラは、田舎ほど強力であったのだ。
わたしは、限られたキーワードを頼りに、説教困窮邦人の中学、高校のグループにたどり着いた。
そこで、「ナニナニが、あなたをカラオケでワンパンKOしたって言っているんですが本当ですか?」
と尋ねたのであるが、これはもう爆弾であった。
ナニぃいいいぃ?
いつ!オレが!(本名)にKOされたってぇ?
ぁぁぁぁああああああああん?!
日本の田舎。地元というのは恐ろしい。
「いや、ナントカさんは、あなたが調子こいてるからワンパンKOして土下座させたって
言ってるんですけど」
「あっそう。いいわ。○○連れてこい。住所教えて」
「いまフィリピンにいます」
「あっそ。日本の住所教えて」
「ここです」
「あー。ここね。うん。じゃああとでやっとくわ」
怖いのであるw
オレはこの調子で、ヤクザの裏盃だとか、そういうのも全部「本人確認」した。
日本の田舎というのはスゴイもので、特に若い時の武勇伝系というのは絶対揺るがない。
これは男のプライドそのものである。
田舎ネットワークは、まさに神速であった。
「えっ?○○、いまフィリピンにいんの?」
「えっ?○○をワンパンKOしたって?逆だよね?」
「えっ?○○組の名前出してんの?」
(略)
わたしに、何年も語っていた武勇伝は、本人確認という手段で、もろくも崩れ去ったのであった。
当然、こんな話は、秒で地元を駆け巡るわけである。
さて。
そうなってくると、わたしは武勇伝をもっと聞きたくなってくる。
この困窮邦人が吹けば吹くほどオイシイ状況になってくるわけである。
わたしも性格が悪いのだが・・・そもそもコイツが嘘をつくのが悪いのだ。
そして、この困窮邦人が、日本に帰国する話が出たのである!
つづく