日露ハーフが船を買い、北方四島と北海道を往復しまくったらどうなるのか?

成田からフランス行のデルタ飛行機に乗って、中国上空で人を殺した場合、どの法律で裁かれるでしょう?
なんていう、海外法律論がある。論というより頭の体操に近いもので、私はこれが好きである。

かのルフィがフィリピンで逮捕され、日本に送還される際はJALで公海上だった。
てっきり日本の領空に入ってから逮捕だと思ったら、公海上で即逮捕と相成ったらしい。
JAL機は日本船籍なので、日本国内のほうが適用されるということだろう。

では、こういうパターンはどうだろう。

北方領土はどうなんの?

あなたはロシア人と日本人のハーフである。日本は血統主義なので、当然自動的に日本国籍を保有している。
あなたの両親は、きちんと在ロシアの日本大使館に届け出を行っていたので、あなたは戸籍を持っている。
ロシアで生まれ育ち、日本には一度も行ったことがないという状態だとしよう。

さて、この人が北方四島から北海道に、日本の全ての法律を遵守した状態で入国したらどーなんの?
ということである。

全てをクリアした密入国

まず、北方四島は日本の領土である。日本政府がクドイほど何千回も言っている。
内閣総理大臣から末端の公務員まで、「北方四島は日本ですか?」と尋ねたら「ハイそうです」と答えるだろう。

では、この人が北方四島から日本に来た場合どうなるのか。ただの国内旅行になるんじゃないのかということだ。

外国人は保証人が必要、住所出せ、お金持っているか、何しに来たとあれやこれやあるかもしれないけど、
日本人の場合国内移動は無制限だ。お役所に届けることは一切しなくていい。

まず、この人の場合、日本人として取り扱うことは「絶対」なので、まず密入国にならないんじゃないの?
ということ。おそらく100%これは「通る」だろう。どんな法律も持ち出せないからだ。
いや、どんな手続きもできないんじゃないか??

実際あった事例

実際、2021年に国後島から北海道に渡航してきたロシア人について、日本政府は「国後島から北海道は国内移動」
としている。(そのうえでロシア大使館に引き渡されている)これがもし日本人なら、ロシアに引き渡される理由が
全くないことになる。

 

じゃあロシアと日本で密貿易やれちゃうんじゃね?

この領土問題を活用すれば、北方四島と北海道を往復するだけで巨額の富を得ることができるだろう。
だって税関を通らなくていいからだ。「北方四島は国内移動」なんだから、検査する必要がない。
パスポートも書類も何も必要ない。
「山梨から群馬に荷物を運ぶとき、パスポート要らないでしょ?それと全く一緒でしょ?国内なんだから」
ということになる。

しかし、それについては、日露は「サハリン地域」という玉虫色の表現を使って税金をかけているようだ。
つまり北方四島はサハリンに属するからということである。どうも税金についてはサハリンということになっているらしい。

いや、属してないだろ!租税権というのは国の根幹に関わることである。
どっちの国にカネを払うかというのは、主権も主権。日本国主権そのものである。
これについて「サハリン等」というヘタレなことを言っているのが日本国なのであった。

 

日露ハーフが船を買い、北方四島と北海道を往復しまくったらどうなるのか?

現在こんな事例は無い。もしも話である。

現実のところ、北方四島というのはロシアでも辺境で、しかもかなりセンシティブな場所である。
ロシア側の視点から見ると「いつ日本軍が雲霞のごとく押し寄せてきて、銃剣を突きつけられるか」という地理にある。
(実際国際法上からして根拠がある)そもそも群島である以上、生活は小さい。
この島に住むのは、元々の住民(つまり地元民)以外は歓迎されないし、少し書類もあるようである。

北方四島には「日本人」も住んでいる。それもひとりふたりではない。
考えてみれば当然の話だ。もともと(今でも)日本国の領土であり、有人諸島なんだから、日本人が住んでいるのは
当たり前である。そしてロシアの何等かの在住の権利を持っているわけだ。

この人らは、いつでも北海道に「国内旅行」できるのではないだろうか。
そして、もしもハーフであれば最強だ。どちらも移動できちゃうことになりはしないか。
つまり「どっちも国内」なんだから。

おそらく、こういった事例というのは実際あるんだろうとおもう。

戦後から随分時間が流れている以上、この例が無かったハズがない。

政府間でどのように処理されているか知らないけど、おそらく日本側が「折れて」いるんだろうなと思う。
それにしても法的にはどのようになっているんだろう。

”日露ハーフが船を買い、北方四島と北海道を往復しまくったらどうなるのか??”
お題の通りである。これについて腑に落ちる、納得できる答えを、俺はまだ見つけてない。