フィリピンでパスポートを持ち歩かないほうがいい理由

海外旅行では「パスポートは、あなたが日本人であることを示す唯一の証明です」と繰り返し言われる。
「常に所持しておき、官憲から提示を求められた際には取り出せるようにしておきましょう」と、どんな旅行ガイドにも書かれているので、
皆それを鵜呑みにしてしまう。

実はそれは間違いだという話。

パスポートを肌身離さず身に着けているひとなんていない

海外に住んでいる時間が長い人ほど、パスポートを持ち歩いている人なんていない。
これはアヤシイひとということではなく、単純に紛失したら困るからだ。

職質されたらどうするのか?等という人もいるけど、それならコピーを持ち歩けば良いだけ。原本は要らない。
そもそも普段の生活で日本国籍です!なんて証明する機会は役所しかないので使わないのである。

パスポートはなるべく見せない、ひとに渡さないのが慣れた旅行者

パスポートというのは、身分証としてはもっとも強いIDとなる。顔写真と国籍、渡航履歴の記録を提示できるのは強い。
国家が本人の身分保証の文面まで書いてあるのはパスポートだけだ。
だからこそ、コピーはなるべく取られないほうがいい。特にホテルやコンドの入退室、ビレッジの警備員なんかには
渡さないほうがいい。悪用される恐れがあるからだ。
パスポートのコピーがあれば、そっくりの偽物を作る材料になるし、今時ではなにかの口座開設なんかでも使われる。
フィリピンの場合は契約の公正証書なんかも作れてしまう。
比でパスポートを提出するのは入管だけにしておきたい。

期限切れIDを持ち歩くのがベスト

できれば、期限の切れたIDを持ち歩くのがベストである。
フィリピンの場合、運転免許も外国人登録カードも、住所証明も全部、古いカードは本人の手元に戻す仕組みになっている。
それは弱いIDとして使えるのだ。ホテルの宿泊や他人の居宅の出入に使える。
誰も有効期限なんて気にしないからだ。

特に外国人登録証は一年ごとに発行してもらえる上、フィリピン人にとっては見慣れない証明なので大いに使える。
有効期限の定めのないID(TINカード)があれば最強である。弱いIDではあるが、期限内なのでずっと使うことができるのだ。

銃を持ったセキュリティがIDチェックを~なんて書いているブログが沢山あるけど、あれは留学生なんかが書いている文章なので
真に受けてはいけない。ただの民間警備員である。日本でいえばセコムやアルソックである。
銃をよく見たら引き金がない!なんていうこともマレによくある。(事故防止で撃てないようにしているのだw)
彼らにパスポートを預けるほうがよっぽど危険だ。

比でIDを作るにはなにが一番早いのか

2023年現在、ACRと運転免許が一番早いと推測する。
読者もご存じの通り、免許は一年以上のVISA持ちでないと無理!ということになってハードルがあがったんだけど、BBMの時代になって
急激に緩んだ。最近ではACR持ちなら免許発行できたという報告が続出している。

ACR発行は急ぐことができる

あまり知られていないワザだけど、ACRはフィリピン入国後、1ケ月前後で発行してもらうことができる。
どうするかというと、1回目のエントリービザの延長時に、2回目の延長も同時に申請してしまうのだ。
(※これは違法なことではない。できない法はない)実際私もやったことがあるし、他のひとも成功させている。

理由を聞かれることもあるだろうが、気の利いたことを言えば、あまり突っ込まれることはない。
このテクニックは、労働ビザ待ちであったり、入国後事故や病気になったりする人もいるので、頻繁ではないがやるひとは一定数いるので、
在住者から知恵を付けられてチャレンジしてみる人もいる。
だって、別にダメと言われたらダメでした、で済む話で、リスクは無いのだ。いいよと言われたらラッキーである。
そしてルソン島には、入管のサテライトオフィスは沢山ある・・・ということなのだ。

だからACR(外国人登録証)が欲しい人は、この手を使って入手することが可能だ。なお入手後、即帰国しても何の問題もない。

最速の場合は住所ID

在住者の協力があれば、最速7~10日ほどでポスタルIDという居住証明のIDを作ることができる。
(事前に書類を揃えておけばもっと早いだろう)ポスタルは強いIDなのでなにかと使える(ただし有効期限が一年しかない!)

このように、フィリピンで、どうにかしてパスポート以外のカードIDを入手すると、パスポートの持ち歩きは最低限に押さえることができるので
便利である。

断言しておくが、警察でもなんでもどこでも、パスポートを見せろ!なんていうシーンはまず無いので、持ち歩くことは無い。
(よほどあなたが下手を打ったら別だけど)

それに、見せたら最後没収されて、賄賂払わないと返ってこない、なんてことになりかねない。
(フィリピンの官憲はID没収が大好きなのを忘れてはならない)パスポートを安心して渡せるのは、入管と日本大使館のみである。

 

実は今日、マニラの有名な、超高級、一流コンドミニアムの警備員が、提出IDを使ってウッヒョー!!していたのが発覚したのだ。
(彼らは顔認証も、当日、本人がいるので突破できるのである!!)
被害に遭わずに済んだのは、「有効期限切れID」を提出していた人々であろう。

コンドのセキュリティごときに、馬鹿正直にパスポートなんか出したらヤラれてしまうのであった。
そうなると、ただでさえメンドクサイ手続ばかりのフィリピンライフなのに、被害にあったら回復するのは年単位となる。

フィリピンで暮らすなら、捨てチケットじゃなくて「捨てID」のほうに気を配ったほうがよい。
必ずあなたの身を助けてくれるはずだ。