ついに来た!フィリピン帯域制限について

フィリピンは天国であった。ルフィの犯罪話じゃない。ITの話である。

実は・・・フィリピンというのは、インターネッツの帯域制限の無い国だったのである。そう去年までは!
『フーン・・・あっそう・・・』という人がほとんどだろうけども、おそらく一部の人は「ナヌッ!」と思っていることだろう。
今日はフィリピン帯域制限の話。

帯域制限とはなにか?

インターネッツを使いすぎる「赤字契約者」の通信量を制限することである。

インターネッツのプロバイダというのは、利用者がどれだけ回線を利用するかというのを監視している。
一番オイシイ客というのは、カネだけ払って全く利用しない客である。
その次にオイシイのは、「ネットはメールとSNS。時々youtubeかな?」くらいの一般利用者である。
この人らが定額でジャブジャブとお金を払うことで、ネット回線は維持されているわけだ。

中には、元を取るくらい通信量の多い人もいる。ネトフリつけっぱなし、youtubeをクラウド代わりにするような勇者もいる。
このくらいまでは通常の使い方である。文句を言われるイワレはない。

しかし一部。ごく一部の人は、さらに化け物級に通信しまくっていたわけである。
ひとりで何千人。いや何万人分の帯域を使うことが出来ていた。イイカゲンにしろよ?というくらい通信できてしまっていたのだ。
一か月の通信量がテラレベルw フィリピンではそれが可能だったのである。(※いまでもまだ可能である)

たとえばtorrentやyoutubeライブといった、上り回線を何十ギガ、いや何百ギガというレベルで24時間365日つなぎっぱなし
であっても、無制限なんだからいいじゃん!ということで許されてきたのだ。

無制限通信とは?

日本にお住まいの方も、いまやネットの契約というのは無制限が当たり前だろう。
日本の場合無制限ではなく、「ベストエフォート」という玉虫色の名称になっている。
うちの国はネットをガンガン使う人が多いので、普通に日本人に帯域を開放したら、いくら通信しても足りなくなる。
だから、日本では通信量には実は制限があって、ケーブルテレビや弱小プロバイダなんかは、回線を使いすぎると警告がくる。
警告の内容は「おまえ使いすぎだから、今月は許すけど来月契約解除な。違約金要らないから止めてくれ」ということになる。
悪いことをしてるわけじゃないので何も起こらないけど、プロバイダから契約を切られるのが日本流だ。まあウチの国らしいわな。

マンション、アパートのひとは、これを食らうとネットが使えなくなるので、「チェ!従うしかないか」というのが日本の事情であった。

ところがフィリピンの場合、本当にそのまんまアンリミテッドなのである。ナンボでも使っていいぞ!無制限なんだから!
という具合であった。これはずっとそうであった。天国なのであった。
何万世帯分の通信量を、たったひとりで何年使っても、アンリミテッド!で済んだのである。何百テラを使っても良かったのである。

上り、下りの両方がキロバイトレベルに落ちる不具合続出

しかし、ついにフィリピンも帯域制限の時代になってしまった。年末くらいから、帯域を使うヤツの通信が出来なくなったのである。
(というより通信量制限が入った)いまんとこPLDTは確定である。

分かりやすくいうと、youtubeのライブ配信や、プライベート監視カメラのネット接続なんかは出来なくなった。
上り(アップロードのこと)が制限されたからである。

そして、この制限をくらうと下りもガッツリ遅くなる。ネトフリも見れない状態になる。

比のITエンジニアの人は、この記事を読んで膝を打って欲しい。

顧客がこっそりエロtorrentをダウンロードしていたのなら、それは年明帯域制限をモロに食らっているだけだ。
あなたの責任ではない。客先では問題なく、帰宅したころに不具合発生なら、モロに帯域制限である。

日本と違って対策が取れない

日本の場合、帯域を使うひとは契約を上げるという手段がある。例えばクソ高いけどNTTフレッツ光ビジネスは、帯域制限もある程度目を
つぶってくれる。法人契約で高いカネを払っている客だと、裁判沙汰になることもあるからだ。
「使う分だけ払う」で済む。ビジネス光は月一万円もするけど、帯域制限には強い。法人なら経費で払ってオシマイである。

ところがフィリピンの場合、選択肢が限られているのでキツイ。制限を受けたら打てる手が限られているのだ。
マニラに引っ越せばいいんだろうけど、そうもいかない人も多いだろう。

 

youtube liveとフィリピン

例えばyoutubeライブというのは上り回線をメチャクチャ使う。アゲっぱなしなんだから当然だ。
音楽や焚火動画、株価や通貨といった、流しっぱなしの動画というのは世界中に需要がある。
円ドルのチャートを表示しているだけで、勝手に客が広告を見てくれるのだ。世界が相手だと、これでもメシが食えてしまうのであった。

つまり、なにもしなくてもお金が財布に入ってくるというキラーコンテンツなんだけど、回線にカネがかかるのがネック。
日本だと大変である。それをフィリピンのプロバイダは1000ペソほどで解決してくれていたわけだ。もちろん合法である。

だから実は、live番組ってフィリピンから発信されていたものも多い。
でもそれが出来なくなりつつあるのだ。フィリピンのプロバイダが帯域制限という知恵をつけはじめたからである。

グローブ光一択時代になるのか?

わたしはそんなに帯域を使っているわけじゃないけど、制限はされたくない。
いままで思う存分帯域を使えた世界にいると、制限された世界というのは物足りないからである。
こういうのも、フィリピンに住んでいる理由のひとつなのである。

ところがついに比でも帯域制限がかかり始めた。2023になってから顕著である。

比のニュース垂れ流し、週末ジャズのライブ配信、いわゆる「4K焚火動画」なんていう、誰も傷つけない平和なコンテンツも、
根こそぎ駆逐されそうなのが、今日のフィリピンネット事情なのかなと思う。

わたしは上り回線で、なにか生活に関わるような収入を得ていないので気楽だけど、在住者の中には焦っているひともいるんじゃないかな。